とある恋人たちの日常。

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 ちょっと恋人に聞きたいことが出来たけど、どうしようかな。
 
 と、いうのも彼の仕事は救急隊員という、この時期的にも忙しい人だから邪魔をしたくないんだよね。
 私はスマホを覗いてから、視線を逸らして天を仰ぐ。
 
 どうしようかな……。
 
 一応、メッセージとして下書きを書き終えて保存している。あとはそれを送るだけなんだけれど。
  
 邪魔になったら困るよね。
 気を使う人だから、声掛けてくれるの迷惑になりそうだなと思ったらメッセージを送れなくてモンモンとしていた。
 
 ぐるぐるしつつも、やっぱり送らなきゃダメだと思ってメッセージの下書き欄から送信ボタンを押す。
 
 緊張が走って背中に冷や汗が落ちるけれど、送信したからもう引き返せないので肩の力が抜けた。
 
 ブルルッとスマホが震える。
 
 突然だから驚いてしまったけれど、画面を見たら彼だった。
 
「もしもし?」
『ナイスタイミングだよー!!』
「え?」
『ちょうど休憩に入ったところでさ。俺も話したかったから嬉しかったー』
 
 いつもよりどこか嬉しそうなのかもと感じるくらいに言葉が弾んでいる。
 
「うふふ。私も声聞きたかったから嬉しいです」
『俺も!』
 
 いっぱい考えて、モヤモヤもしていたけれど、メッセージのタイミングが合ってたみたいで本当に良かった。
 
 ――
 
 俺の彼女は本当にタイミングが良い。
 連絡したい時に連絡をくれる。
 
 ちょうどメッセージを入れようかなと思ったタイミングでメッセージが来たから、思わず電話してしまった。
 
 
 
おわり
 
 
 
四三九、タイミング

7/29/2025, 2:00:18 PM