とある恋人たちの日常。

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3/26/2025, 11:54:43 AM

 
 仕事でヘリを使う。
 飛ぶタイミングによっては晴天の中に輝く七色の光が見える時がある。
 
 俺の大好きな透き通った青空に飾られた光は眩くて、俺は目を細めた。
 
 こういう空を恋人に見せてあげたくなるけれど、仕事的に中々難しいものがあるから、そうもいかない。
 
 俺は目にも脳にも焼き付けるように、もう一度空を見つめる。
 
 彼女にこんな空があったと話したい。
 絶対にキラキラした目で見て、羨ましいと言いながら可愛い笑顔を向けてくれるだろうな。
 
 そんなことを思いながら、いつ消えてもおかしくない七色の光を見つめていた。
 
 
 
おわり
 
 
 
三一四、七色

3/25/2025, 12:08:55 PM

 
 小さい頃の記憶。
 私には寂しくて忘れたいもの。
 
 一歩踏み出したくて、私はここへ来た。
 
 勇気を出して入った会社で家族のような人たちと出会い、私の世界が変わった。
 
 キラキラしていて世界に色がついていく。
 
 もちろん、楽しいことだけじゃない。厳しい現実もあるけれど、それでも私の求めていたものがここにあったの。
 
 そんな中で出会った彼。
 助けてくれて、優しくしてくれて、その笑顔が眩しくて、彼が笑う時に揺れる髪にときめいて胸が高鳴った。
 
 話せば話すほど、誰とも違う感情が溢れる。
 
「大丈夫?」
 
 当たり前のように差しのべる手。向けられる笑顔は、色のない過去の記憶をどんどん上塗りしていく。
 
 ああ、大好き。
 
 
 
おわり
 
 
 
三一三、記憶

3/24/2025, 12:48:00 PM

 
 いや、またやった……と言うより、今回は仕方がないんだけれど腕の骨を折ってしまった。
 
 腕で良かった……。
 脚をやったら復帰まで時間がかかってしまう。
 それ以上に恋人にかかる負担が半端ないんだ。
 
 手当てが出るから経済的にダメージはそんなにないんだけれど……。
 
 さすがに運転できないから、彼女に連絡してある。
 
 笑顔で対応してくれるとは思うんだけれど、悲しい顔するんだろうな。心配させるだろうし。
 
 もう二度としない。
 そんな約束なんて出来ないけれど、元気になったらそんな気持ちで仕事をしよう。
 同僚にも迷惑かけちゃうし、もっとしっかりトレーニングもしなきゃ。
 本当に、まだまだ未熟過ぎて自分自身が情けなくなるけれど、しっかり前を向いて行こう。
 
「お迎えに来ましたー!」
 
 元気な声が響く。
 彼女の視線が俺を見つけると満面の笑みを向けて、俺を抱きしめてくれる。
 
「お疲れ様です。しっかり治しましょうね」
 
 
 
おわり
 
 
 
三一二、もう二度と

3/23/2025, 1:45:55 PM

 
 昨日は大好きな彼が、この都市を見渡せる景色に連れて行ってくれた。
 彼と出会ったこの都市をしっかり見られて幸せな時間だった。
 
 そんなホワホワとした時間だったけれど、家に帰ったら表情を曇らせた彼からスマホの充電器を渡される。
 
「今日、やったでしょ」
「うぅ……」
 
 確かに充電し忘れて充電が乏しい上に、待ち合わせ場所へ行く途中で道に迷ってしまった。つまり手がかりなしで彼に探してもらったから返す言葉もない。
 
 しかもあんな顔をさせてしまったのだから、しっかり反省しないと……。
 
「心配させてごめんなさい」
 
 それを伝えると優しく抱きしめてくれる。
 
「本当に心配したんだからね」
 
 もう心配させないように気をつけなきゃ。
 そんなことを考えながら、私も彼を強く抱きしめた。
 
 
 
おわり
 
 
 
三一一、曇り

3/22/2025, 11:39:31 AM

 
 彼とふたりで来たのは、見晴らしが良い景色が広がる場所。この都市が一望できる。
 観光地と言うには穴場スポットらしくて、ここには大好きな彼と私だけだった。
 
 きゅっと彼の手が強く握られる。
 視線を彼に向けると彼と目が合った。
 
 優しく笑ってくれる彼が大好きだ。
 
「いいところでしょ?」
「はい!」
「仕事で見かけてさ。君とここに来てみたかったんだ」
 
 展望台から見る都市は、言葉にならないノスタルジックさがある。空気も澄んでいて心が洗われるようだった。
 
「連れてきてくれて、ありがとうございます」
「ん……」
 
 私は景色を心に焼き付ける。
 この都市に来て彼と出会って、彼に恋して、彼に愛された。
 
 だから、この都市そのものが私の大切な場所だ。
 そんな都市を見渡せる。それも愛しい彼と共に。
 
「そろそろ帰ろうか」
「はい、また連れてきてくれますか?」
「もちろん、また来ようね」
「はい!」
 
 そう笑顔を返すと、彼も安心したように笑ってくれた。
 
 私はもう一度だけ景色を見たくて振り返る。
 
 この都市に来られて本当に良かった。
 
「またね」
 
 そう小さく呟いて、彼の隣を歩き出した。
 
 
 
おわり
 
 
 
三一〇、byebye……

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