小さい頃の記憶。
私には寂しくて忘れたいもの。
一歩踏み出したくて、私はここへ来た。
勇気を出して入った会社で家族のような人たちと出会い、私の世界が変わった。
キラキラしていて世界に色がついていく。
もちろん、楽しいことだけじゃない。厳しい現実もあるけれど、それでも私の求めていたものがここにあったの。
そんな中で出会った彼。
助けてくれて、優しくしてくれて、その笑顔が眩しくて、彼が笑う時に揺れる髪にときめいて胸が高鳴った。
話せば話すほど、誰とも違う感情が溢れる。
「大丈夫?」
当たり前のように差しのべる手。向けられる笑顔は、色のない過去の記憶をどんどん上塗りしていく。
ああ、大好き。
おわり
三一三、記憶
3/25/2025, 12:08:55 PM