昨日は大好きな彼が、この都市を見渡せる景色に連れて行ってくれた。
彼と出会ったこの都市をしっかり見られて幸せな時間だった。
そんなホワホワとした時間だったけれど、家に帰ったら表情を曇らせた彼からスマホの充電器を渡される。
「今日、やったでしょ」
「うぅ……」
確かに充電し忘れて充電が乏しい上に、待ち合わせ場所へ行く途中で道に迷ってしまった。つまり手がかりなしで彼に探してもらったから返す言葉もない。
しかもあんな顔をさせてしまったのだから、しっかり反省しないと……。
「心配させてごめんなさい」
それを伝えると優しく抱きしめてくれる。
「本当に心配したんだからね」
もう心配させないように気をつけなきゃ。
そんなことを考えながら、私も彼を強く抱きしめた。
おわり
三一一、曇り
3/23/2025, 1:45:55 PM