初心者太郎

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1/15/2026, 1:11:31 AM

—朝の習慣—

朝、ホウキを持って公園に向かう。
小道の落ち葉をさっさっさと一ヶ所に集めて、ちりとりでゴミ袋に詰める。

公園掃除——それが、私の朝の習慣だ。
いい運動になるし、何よりも……。

「おじいさん、おはようございます!」

黄色い帽子を被った小学生たちが挨拶をしてくれた。
私はにこやかに挨拶を返す。

「園田さんいつもありがとうね」
「いえいえ、私が好きでやっていることですから」

通りかかった町の人々は声をかけてくれる。
どうして掃除をするのか。
それはこの町が大好きだから、だと私は思う。

お題:どうして

1/14/2026, 5:26:53 AM

—スタートラインのそばで—

「将来の夢は、オリンピックに出場できるような陸上選手になることです」

小学生の頃、みんなの前でスピーチを読んだのを覚えている。

当時から俺は、誰にも負けない足を持っていた。毎日コツコツと練習を続けて、中学生の時は全中に出場できた。
このまま努力を続ければ夢が叶う、そう信じていた。

悲劇は、高校一年生の時におきた。
俺は、交通事故に遭った。
日常生活に支障はないが、全力で走ることはできなくなった。

「いってきます」
「いってらっしゃい」

それでも陸上部はやめなかった。
皆のタイムを測り、フォームを見る。

最初は胸が苦しかった。

でも、俺は気づいた。
誰かのタイムが少し速くなるたびに、悔しさよりも先に、嬉しい気持ちがやってくる。

俺はもう走ることができない。
だから夢を見てたい。
昔に描いた、大舞台で走る夢ではない。

陸上の中で生き続ける夢を。

お題:夢を見てたい

1/13/2026, 1:22:17 AM

—変わらない日常に君がきた—

登校して授業を受けて、帰宅部の俺は速攻で帰宅する。帰ったら勉強して、ゲームして一日を終える。

友人はいなかったけれど、一人の時間が好きな俺にとっては、変わらないでいてほしい日常だった。
これまでは、そう思っていた。

「ねぇ、番号あるかな?」
「絶対あるよ!あんなに頑張ったんだから」

高校受験の合格発表日。
周りからは期待の声や、歓喜の声、嗚咽や悲鳴までが校舎の前で響いていた。

「よし、あった」

番号を確認した俺は、くるりと踵を返し、帰ろうとした。だが、ふと近くにいた一人の女子に目を奪われ、立ち止まった。

きれいな黒髪を、後ろで一つに結んだ女子だった。小さくガッツポーズをしながら見せた笑顔に俺は心を奪われた。
一目惚れだ。

俺は小走りで、家まで向かった。
心臓の鼓動がやけにうるさい。こんな感覚は初めてだった。

彼女の笑顔が頭から離れなかった。

お題:ずっとこのまま

——

(そして二ヶ月後、彼は彼女と同じクラスになる。——彼はまだそのことを知らない)

1/12/2026, 2:07:04 AM

—カラフルなマフラー—

「お父さんにマフラー作ってみたんだ。大切に使ってね」

娘から渡されたマフラーはカラフルで、自分のようなおじさんが身につけるには、少し気が引けた。

「先輩、そのマフラーの色、珍しいですね」
「あぁ、娘がプレゼントしてくれたんだ」
「いいなぁ、羨ましい」

それでも通勤中も帰宅中もこのマフラーに顔を埋める。
寒さが身に染みるこんな日々だからこそ、余計に温かみを感じられるのだ。

お題:寒さが身に染みて

1/11/2026, 2:29:26 AM

—門限—

今日は彼氏と二人でお店で飲んでいた。

「もう一軒だけ、軽く飲まない?」彼がいった。
「ごめんね、今日は遅いから……」
「もうこんな時間か……」

彼はビールを呷った。

「でも、もう二十歳なのに、お父さんは厳しいんだなぁ」
「そうだよね……」

彼には、家が厳しいからあまり遅くならないように言われている、と嘘を言っている。
今日は朝から一緒にいたから、早く帰らないといけない。

「でも、近いうちにまた会いたいな」彼を上目遣いで見た。
「俺も!どこか行きたいところある?」

彼と次に会う約束をしてからお店を出た。

「家まで送るよ」
「いつもありがとう」

彼は手を挙げ、タクシーを止めた。
彼はいつも食事代も出してくれるし、最後は家まで送ってくれる。
二十一歳なのに、とても紳士的な人だな、と思う。

「じゃあまたね」彼は手を振った。
「うん、ありがとう」彼に頭を下げて車が見えなくなるまで、見送った。

私は、急いで家の中に駆け込んだ。

「危なかった。あと少し遅れていたら……」

洗面台の鏡には、もう若い自分は写っていない。魔法が解けてしまった。

「でも、やっぱり若いっていいねぇ」

若返りたい、と魔女は思うのだった。

お題:20歳

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