初心者太郎

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—門限—

今日は彼氏と二人でお店で飲んでいた。

「もう一軒だけ、軽く飲まない?」彼がいった。
「ごめんね、今日は遅いから……」
「もうこんな時間か……」

彼はビールを呷った。

「でも、もう二十歳なのに、お父さんは厳しいんだなぁ」
「そうだよね……」

彼には、家が厳しいからあまり遅くならないように言われている、と嘘を言っている。
今日は朝から一緒にいたから、早く帰らないといけない。

「でも、近いうちにまた会いたいな」彼を上目遣いで見た。
「俺も!どこか行きたいところある?」

彼と次に会う約束をしてからお店を出た。

「家まで送るよ」
「いつもありがとう」

彼は手を挙げ、タクシーを止めた。
彼はいつも食事代も出してくれるし、最後は家まで送ってくれる。
二十一歳なのに、とても紳士的な人だな、と思う。

「じゃあまたね」彼は手を振った。
「うん、ありがとう」彼に頭を下げて車が見えなくなるまで、見送った。

私は、急いで家の中に駆け込んだ。

「危なかった。あと少し遅れていたら……」

洗面台の鏡には、もう若い自分は写っていない。魔法が解けてしまった。

「でも、やっぱり若いっていいねぇ」

若返りたい、と魔女は思うのだった。

お題:20歳

1/11/2026, 2:29:26 AM