よあけ。

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8/19/2023, 10:56:16 AM

お題:空模様

夏の星、夏の月、素月。催涙雨にならなければいいが。これほど極暑が続けば9月が来るなんて到底思えない。過去の8月末は七夕にぴったりだった。日中の暑さがゆるんだ夜はとびきり最高で。その前に夕立が降れば、雨の匂いと相まって夜はとびきり……なんだったか。餅が美味かったのは中秋の名月。カナカナ、鳴いていたのは、あれは、やめよう。感性が死んでる。写真を見ても何も思えない。幸せか。大丈夫。今は頭痛のせいで苦いだけだ。虹の端を見に行きたいといった、雲を食べてみたいといった、夢に溢れていた。綿あめのことをしばらく雲だと思って食べていたのだ。光芒をカメラで撮りたかったのはなぜだったか。空を眺めていた。空がドーム状に見えた。浅い知識と照らし合わせ。地球が球体だからそう見えるんだ、とはしゃいで。外の空気が美味しい。空は飽きないこんなにも。星を黄色のクレヨンで描いていたのはなぜか。こんなにも青く赤いのに。星が揺らいでいるから流星と見紛う。満たされる感覚がする。雲が泳いでいる。それ、再生できない。空模様だったな。空模様。ずっと部屋で寝ているよ。比喩表現は嫌いじゃない。むしろ主食さ。なのに、今は腹が膨れない。空の話だった。空を見ているとからっぽになれるから空っぽと書くのだろう。地上ほど物で溢れていない、ほとんど何もない。あるのは空気と、遥か上空、飛行物体があるくらいで、空はどこまでも広大だ。この地球を庇っている。だから、そう、空っぽの話だった。違う間違えた。空模様の話だった。空の模様とは何を指しているのだろう。雲か色か天候か。ひつじ雲だ、と喜んだときは確かに空に模様があると思った。教科書も高積雲なんて難しい字を使わずひつじ雲って書けばいいのにと思った。とりとめのない。空模様さ。比喩表現は嫌いじゃない、むしろ。ご飯食べなきゃ。文字の圧で胃もたれが起こる。

8/14/2023, 6:55:25 PM

お題:自転車に乗って

オルゴールを壊しました。青い箱の中に仕舞い込みました。棚の中に押し込みました。捨てられないもので溢れてそろそろ扉が閉まりません。捨て方を知らないのです。貰った物で溢れています。棚の中だけ。

棚以外殺風景ね。そう思います、自分でも。
整理したら?そう思います、もちろん。

チョコレートが変形しました。青い箱の中に仕舞い込みました。棚の中に入らないので上に置きました。よく分からない物で溢れた一面青い箱の棚です。片付け方が分からないのです。多分大切なもので溢れています。棚周辺。

捨てなよ。同意できません、あなたでも。
汚いよ。同意します、もちろん。

勿体無いよ。大切にしたいだけ。

自転車をもらいました。箱の中に入りません。棚の中にも上にも置けません。外に置いておきました。目に付くたびに気になります。お手入れをしようにも道具がありません。

自転車に乗って探しに行こう。

カチカチカチ。
体一面に浴びる風。
カチカチカチ。
自転車を漕いで少し遠くへ。
チカチカチカ。
太陽が眩しい。

自転車に乗るたび一つ青い箱を持ち出して。カゴの中に一つだけ入れまして。少しずつ整理整頓。自転車に乗って。

8/13/2023, 5:25:25 PM

お題:心の健康

「心の健康が悪化する恐れがあります」

■■

饐えた臭いに鼻を焼き喉を溶かし。もう一歩も動けなかった。指先一つ嘘のように動かなかった。嘔吐にまみれて横たわったとき、私はどこで間違えたのだろうと思った。朦朧とする最中聞こえてきたのは「これで立派な証拠が揃い立派に証明ができるね。おめでとう!」という、実に晴れやかな声だった。

■■

心の健康について考えられているうちは「増し」とやら。中途半端な場所でぶら下がってるから苦痛なのさ。何にも振り切れない中途半端。

「苦痛なんて通り過ぎた」と話すやつがいるならそいつは苦痛のままさ。「心が壊れた」そいつは壊れてないさ。「もう消えたい」そいつは消えなない。

本当に苦痛なんて通り過ぎたそれくらい心がボロボロだもう本当に消えてしまいたい。

本当にいなくなってしまった場合? そりゃあれだね、わざわざ宣言するかまってちゃんってことやね。

そっか。
いけないこと?

今誰からも見向きもされてないのに、今求めたところで、誰が返答しますか?

■■

掃いて捨てるほどいる。
死ぬときに靴を脱ぐってあるだろう、あれ創作が元なんだとよ。
人間の心理はエンターテイメントか。
他人のことなんて興味ない。自分が一番 。
影響されやすいのさ。
結局何だったか。

至って正常。どんな反応でも正常な反応。至って。

正常な自分を隠したいがために「心が壊れた」と言いたくなっているだけ。本当は動けるのにね。

本当なんだ!!信じて!!なんでそんなこと言うんだ!!

だって立証できない、証拠もない、証明も不可。
では何がそれになり得るか。
人間は刺されたら死ぬし自動車に跳ねられたら死んでしまう、脆くて呆気ない。
人はね、簡単には死なないんだよ。
心が痛くても辛くても体は動く。ベッドから動けないって思い込んでるだけなんだよ。思い込まそうと。
動くなら生きてる。だからね、ぜ〜ったい 。
目に見える何が信用できる。己の心すら言い訳ばっかりなくせに。
痛いのは嫌だ。
生きていたくない。
死にたくない。
生きていたい。
楽しく笑いたい。
人はね、死ねないんだよ。
誰の言葉だったか。

■■

随分長い間朦朧としていた。結局嘔吐したくらいで「しんどい」の証拠にも証明にもならないのだと思った。残りカスはゴミ箱の中と排水口に吸い込まれていった。私の残骸みたいだと思った。誰も見向きもしない。私ですら。また吐いた。

■■

餌付きながら文字を打ち込んでいる。ずっとそうだ。愚かだろう愚かだろう愚かだ。書くことでしか精神を保てない。もう二度と経験したくないと思いながら記憶を掘り起こし荒らしわざわざ書いている。そうしないと整理がつかない。安心を求めて首を絞めている。ずっとそうだ。哀れなだけだ。やり方を知らない、無知な。 もういい。

■■

私はどこで間違えたのだろう。

■■

枷に枷を付け重たく縛り続けている。死ぬのは痛いから嫌だ、縄で首を絞めるなんて二度と御免だ。思っている割に自分の首を締め続けている。台を蹴らず縄を外せばいいだけだ。目に見えないからできない。

■■

どこがおかしいだろう。どこが歪んでいるだろう。

■■

死んでないでしょ?
ほら生きてるじゃない。
生命活動はできてる。
あなたは生きてる。
文句言ってないで。
「こんなに苦しいんだ」
だからなんだ。
生きてる。
生きてる。
生きてる。

呪いみたいな言葉を自分に吐き続けて生きてきた。

苦しい。

つらい。
つらいよね。
つらいね。
つらい。

■■

自分のせいでしょ?
自分は正しい間違ってるのは周りだ固定観念に縛られたお固い頭で。
そうじゃない生き方をしている人を見たことがあるのか。
お前も同じだ。
知ってるさ。だからなんだ。
寄り添えない心。

■■

「かなり危険な状態です。きちんと休んでください」

他人は他人を慰めやすい。
自分に影響がないから。
どうでもいいと影響がないは別。
それは最早どうでもいいに等しい。
自分の人生ではないから。
無責任。簡単。実に呆気なく。呪える。
お優しいのね。
お祝いですか。
保証なんてない。
ここで休んでしまっては二度と社会に出られなくなる!!!!
出たくない。引き篭もっていたい。

思い込みです。人生はいくらでもやり直せる。あなたはまだ若い。どうして悲観する。自責しなくていい。自己否定もしなくたって。

ロープ、首、締めてますか。
きょうきとなる。
ゴボゴボ。
饐えた臭いがする。

■■

すべてフィクションです。

すべて夢物語。

すべて信じられない。

「悪化していませんね。健康そうで何よりです」

■■

おはようございます。

8/10/2023, 6:42:18 PM

お題:終点

いつかの夜を思い出す。
終点という響きが不気味だからか、何なのか。

 パラパラ、傘を叩く雨音と、ぴちょぴちょ、靴底に引っ付いて跳ねる水音と。青い傘を差していた気がする。水色の長靴を履いていた気がする。アスファルトの上を一人歩いていた。雨に濡れた砕石を街灯が照らし、キラキラチカチカ閃くのに釣られしゃがみこんでいた。吸い込まれそうなほど真っ黒なアスファルトをじっと見ていた。こんなに近い所に宝石はあったんだと、心弾ませていた。夜。
「何してるの」
 優しい声色だった。声が聞こえたから傘を持ち上げた。そこに、確かにあの人を見た。
「ほうせきがあるから見てる。ほら、ほら、キラキラしてるでしょ」
 掴めない物を一生懸命伝えようと、頭を動かし目を動かし。キラキラ、チカチカ、この人の目には宝石が見えているだろうか。こちらばかり見て、ただ、含み笑いをするだけ。
「そうだね、キラキラだね」
 優しいあなたがそこにいる。
「ほら、おいで」
 パラパラ、雨音がよく響いていた。

付いて行っていたらどうなっていただろう。

あの夜は終点に近い場所だったんだと思う。


終点
――終わりとなる所、終着点
――物事が最後にたどり着く地点

8/7/2023, 4:16:58 AM

お題:太陽

 かつて、ある人を太陽のようだと形容したことがある。相手は心底嫌そうな顔をした。「私は人だ。勝手に空の上の存在にしないでくれ」と言った。勝手に殺すな、と言いたかったわけではないだろうけれど、勝手に距離を置くなとか、勝手に美化して言うなとか、誇張するなとか、そういうことを言いたかったのだろうと受け取った。「対等な立場ではないから太陽と言ってもいいでしょ?」というのは見当違いで「立場がどうのは関係なく、自分は人間なのだ。人間という立場から突き落とさないでくれ」という話だった。
 神格化されたのが、異物のように扱われ距離を取られたと受け取ったのか、はたまたただ寂しいから同じ人間なんだよと言いたかったのか、その辺りははっきりしていない。
 僕のことを太陽みたいだと形容する人がいた。心底反吐が出そうだった。僕の場合は誇張だったからだ。勝手に神格化されて嫌だった。勝手に僕のことを上にしないでくれ。対等だと思っている人から言われ、それこそ勝手に傷ついて悲しくなっただけだが。
 なんとなく人間は太陽を信仰しているような気がする。意識的にも、無意識的にも。「太陽みたいなあなた」と誰かを形容するのは、まるでその人を信仰しているみたいだ。誰だって誰かの支えがないと生きていけない、そんな同じ人間なのだから、あまり神格化しすぎないほうが……と、思ったが、神格化したいからしているのだろう。他者を神様のように扱い崇拝することで己の精神を保っているに過ぎない。

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