『ハグ』
ストレスなく生きることは難しい。
今は、鬱だとかストレスだとか色々と分かってきた頃だろうけど、きっともっともっと昔の時代も鬱病や、ストレスはたくさんあったのだろう。
名前は違えど。
ストレス無く生活するのは恐らく無理だ。
でも、ストレス発散は出来る。それにはたくさんの方法があって、それぞれがそれぞれにあったストレス発散方法がある。
私は最近、気付いたことがある。
大好きな人にハグをしてもらうのもストレス発散のひとつになるのだろうな、ということだ。
隣に居るだけで落ち着くその人に、ハグをしてもらえたらそれだけで嬉しくて、幸せになれるのだろう。
お題:《心の健康》
『とある彼女』
彼女はいつも、夏に麦わら帽子を被っていた。
笑顔がとても素敵で、あの、白いワンピースと向日葵が似合う女性だった。
その人が、この世の人ではないのだと気付いたのは、知り合ってから少し経った頃だった。
「そういえば、ユリさんってどこらへんに住んでるんですか?」
「んー、今はもう無いけれど…向こうの方よ」
「今はもう無い?」
「そう。私、貴方と普通に話しているけど、言ってなかったことがあるのよね」
「なんですか?」
「私、……約、20年前に死んだの。
結構ニュースになってたんだけど、まだ君は生まれてないかもね」
彼女が言うのは20年前の、一家殺人についてだった。父、母、三人の子供が就寝中に殺された、無差別殺人。その被害者だと言う。
「…………そんな」
僕は正直、彼女に恋をしていた。だからショックだった。居ない人だとは思わなかった。
お題:《麦わら帽子》
『花』
小鳥のさえずり、涼やかに吹く風。
森のなかは今日も、穏やかで平和な日を迎えていた。
「マリア~、待ってえ~」
ふわふわしたボブカットで、ピンク色の髪のサリが言う。天然で性格もふわふわしている。
「もう、サリったら。
早くーっ!置いてっちゃうわよ!」
元気一杯に走り回り、活発なマリア。
オレンジ色の髪を1つに結び、揺らしている。
「マリア、サリ、まだ時間はあるしゆっくり行こう」
いつでも冷静で、二人をほどよく引き合わせるシーナ。艶々としたストレートで、淡い水色の髪色をしている。
「シーナが言うなら仕方がないかぁ。
サリ、疲れたらあたしがおんぶしてくよ!」
「え?!それは悪いよ~。頑張って歩く!
…でも私のせいで歩くのも遅くなってるんだものね」
「全然気にしない気にしない!
あたしとサリじゃ、体力もちがうんだし!
サリはサリで、いつも助けてくれるでしょ?
あたしは虫の声も、お花の声も聞こえないもん」
「そうだよ。サリはいつもそれで私たちを助けてくれるし。だからいつも森のなかを歩き回っても帰れるんだしね」
「えへへ、ありがと~」
私たちは花の妖精。
お題:《蝶よ、花よ》
『運命』
やっと分かる。今さら、気付く。
この結末は最初から決まっていたことなんだって。どんなに抗ったって、どんなに足掻いたって、どんなに繰り返したって。
貴方は、
私の代わりに、
死んでしまう運命なんだって。
どうしてもこの運命しかないの?
どうして貴方が、私の代わりに死ななくてはならないの?どうして私が死ぬのではダメなの?
お題:《最初から決まってた》
『お互いが』
貴方は血の赤で、私は太陽の赤。
そう言われることが多かったわね。
でも、私が太陽なら貴方を照らすことが出来る。
自分に流れている血が太陽にかざせば見えるように。
いつだって貴方の光になれるわ。
いつも貴方を照らすことが出来る。
お題:《太陽》