『花』
小鳥のさえずり、涼やかに吹く風。
森のなかは今日も、穏やかで平和な日を迎えていた。
「マリア~、待ってえ~」
ふわふわしたボブカットで、ピンク色の髪のサリが言う。天然で性格もふわふわしている。
「もう、サリったら。
早くーっ!置いてっちゃうわよ!」
元気一杯に走り回り、活発なマリア。
オレンジ色の髪を1つに結び、揺らしている。
「マリア、サリ、まだ時間はあるしゆっくり行こう」
いつでも冷静で、二人をほどよく引き合わせるシーナ。艶々としたストレートで、淡い水色の髪色をしている。
「シーナが言うなら仕方がないかぁ。
サリ、疲れたらあたしがおんぶしてくよ!」
「え?!それは悪いよ~。頑張って歩く!
…でも私のせいで歩くのも遅くなってるんだものね」
「全然気にしない気にしない!
あたしとサリじゃ、体力もちがうんだし!
サリはサリで、いつも助けてくれるでしょ?
あたしは虫の声も、お花の声も聞こえないもん」
「そうだよ。サリはいつもそれで私たちを助けてくれるし。だからいつも森のなかを歩き回っても帰れるんだしね」
「えへへ、ありがと~」
私たちは花の妖精。
お題:《蝶よ、花よ》
8/8/2023, 2:22:09 PM