【ラブレター】
3年前、クラスメイトの女の子からバレンタインチョコを貰った。
放課後、誰もいない教室で、
「義理チョコだからね、勘違いしないでよ」
って、小さな袋を渡された。
「開けていい?」と聞いて中身を開くと、手作りのハート型チョコが2枚と、お守りが入っていた。
「お守り、作ってくれたの?」
「だって、もうすぐ受験でしょ。
私は推薦組だからもう終わってるけど、大介くんはまだ一般受験が控えてるでしょ?
私が力になれることは少ないけど、応援したいなって」
その言葉を聞いて涙が出そうなのを我慢しながら、「ありがとう」と伝えた。
お守りに支えられながら受験した大学に無事合格し、俺にも春が来た。
そうして春が幾つか過ぎたある日、
お守りが破れてしまった。
「縫い方分かんねえや……」
偶然裂けてしまったお守りを眺めながら、俺は溜息をついた。
はあ、なんでこんなことになったんだろう。
そう思いながらお守りを手に取ると、中に何か入っていることに気づいた。
取り出してみると、小さく折りたたまれた紙があった。
「なんだ?」と思い開くと、何かが書かれていた。
その文字列を頭の中で理解した瞬間、俺は再び溜息をつき、天を仰いでしまった。
ずっと好きです。
ああ、義理チョコなんかじゃないじゃん。
本命じゃん。
俺は天を仰いだ。
連絡先、やっぱり交換しとけば良かった。
【Bye-Bye By You】
私、分かってなかった。
「バイバイ」って言葉の、本当の意味を。
アルファベットにしたら可愛いな、なんて思っていた。
友達との別れ際に言う言葉でしか無かった。
貴方が、言葉の意味を教えたんだ。
5年前の秋だっけ、
私と貴方は初めて会ったよね。
お互い、恋に落ちていたんだよね。
きっと、そうだよね。
一目惚れだったんだよね。
お互いを好きになったんだよね。
冬にはイルミネーションを観に行ったよね。
綺麗だったよね。
空は漆黒なのに、目の前はカラフルで。
何より、貴方がいる世界は美しかった。
あんなにもカラフルだなんて、知らなかった。
夏は、2人で海に行ったよね。
大きな流木に座って、ずっとあんなことやこんなことを話したよね。
夕陽が水平線の向こうに落ちていくのを眺めたよね。
やけに太陽が速く動いてきたような気がするよ。
貴方は病気になってしまったね。
「来い」と言われなくても、「会いに行く」って言ったよ。
毎日のように言ったよ。
「来るな」と言われても、「会いに行く」って言ったよ。
貴方は、凍えるような冬の日に亡くなったね。
冷たくなった貴方の手を握って、涙を流したよ。
最後に、「バイバイ」とだけ言ってくれた。
なんて悲しい言葉なんだ、って思ったよ。
こんな言葉、無くなってしまえば良いのに。
そう思ったよ。
【人生という物語は】
春休みに入る前の土曜日に、私とお母さんは車であるところへ行くことにした。
荷物は最小限に留める。
スマホ、財布も入れておこうか、あとはハンカチとティッシュも。
小さなバッグに次々と色々なものを詰め込んでいく。
あ、あとはこれも忘れちゃだめだ。
そう思って、私は机の上に置いてあったものもバッグに入れた。
オトウサンが使っていた日記だ。
お母さんは車の運転席、私は助手席に乗り込んた。
「じゃ、行こっか」
「うん」
エンジンがかかり、車が走り出した。
お母さんは鼻歌を歌いながら、車を走らせた。
私は、オトウサンの日記を読んだ。
「着いたよ」
お母さんの言葉で、私は顔を上げた。
目の前に見えるのは……海だ。
車から降りて、砂浜を踏みしめた。
寄せては返す波が、向こうに見えた。
私達は木のベンチを見つけて、そこに座ることにした。
座ってからしばらくは、2人とも景色を眺めるだけだった。
寄せる、返す、寄せる、返す。
そこにザァーッ、ザァーッという音が重なる。
雲がゆっくりと動いている。
その光景を、ただ見ているだけだった。
最初に口を開いたのは、お母さんのほうだった。
「ごめんね」
私はお母さんを見た。
「お父さんのこと、今まで話してなかったよね。ちゃんと話すべきだったよね」
お母さんは少し俯きながら、そう言った。
「うん……」
私は他に何も言えなかった。
再び、2人の間に静寂が訪れた。
「あのさ、」
私は意を決して口を開いた。
「私、去年の2月に日記を見つけたんだ。
オトウサンの日記」
私はバッグから日記を取り出して、お母さんに手渡した。
「これを読んで、初めてオトウサンのことを知れた。
私、オトウサンはとても強い人だと思ってた。
でもね、オトウサンはもっと繊細で、脆くて、だけど強かった。
私と何も変わらない、一人の人間だって分かったよ」
お母さんは日記を撫でるように触った。
「お母さん、本当は我慢してたんだよね?
オトウサンが死んじゃって、苦しかったけど、我慢してたんだよね」
お母さんは、涙を浮かべていた。
私は、今までお母さんの涙を一度たりとも見たことが無かった。
「海愛、」
お母さんは私の名前を呼んだ。
「一つね、海愛に知っていてほしいことがあるんだ」
「何?」
私はドキドキした。
心臓が震える音がする。
「お父さんはね、昔こう言ってたんだ。
『自分が死んだら、海洋散骨をしてほしい』って。
その言葉通り、火葬が終わってから、海洋散骨をしてもらったよ」
海洋散骨。
その言葉は聞いたことがある。
火葬した骨をパウダー状にして、海に散布するというお別れの仕方だ。
オトウサンは、海洋散骨を選んだんだ。
「海は、オトウサンのお墓ってこと?」
「うん、そうだよ。お父さんは、海にいるんだよ」
私は海を眺めた。
海は、オトウサンのお墓。
ここにオトウサンがいるんだ。
海に行けば、いつでも会えるんだ。
「ごめんね、もっと早く話すべきだった」
お母さんは涙をポロポロと流した。
悲しそうに、顔を手で覆いながら。
私はお母さんを抱き締めた。
お母さんを抱き締めると、私も何だか泣きたくなってきた。
勝手に涙が頬を伝っていた。
それから、私達はずっと涙を流した。
私達は、お互いにこの瞬間を待っていたのだ。
帰りの車内は、しんみりとした雰囲気になるかと思いきや、そうでもなかった。
2人でワイワイと話をしながら、帰路についた。
「もうすぐ春休みだぁ〜」
「でも、受験生になっちゃうじゃない」
「嫌だなぁー。
でも自分が選んだ道だから、頑張らなくちゃね」
そうだった、私は受験生になるんだ。
その事実を突きつけられると、胸が痛い。
受験はもちろん嫌なのだけど、それ以上に嫌なのは友達と離れることだ。
かのんちゃんも、あいりちゃんも、卒業したらお別れすることになる。
私は地元の、かのんちゃんは東京の、あいりちゃんは大阪の大学に進学する。
3人とも、別々の場所に行ってしまう。
今の時代、メールでのやりとりは出来るけれど、
やっぱり友達と離れるのは悲しいものだ。
その日の夜。
私は布団に入り、目を閉じた。
だけど、中々眠りにつくことが出来ない。
あまりにも寝付きが悪いものだから、私はオトウサンの日記でも読んで暇つぶしをしようと考えた。
机においてある日記を手に取り、適当にページを開いた。
―――――――――――――――――――――
2007/12/01
子供が生まれた。
ああ、我が子ってこんなに可愛いんだな。
産声が聞こえてきたとき、どんなに嬉しかったことか。
遥が無事に元気な赤ちゃんを産んでくれた安堵、
大切な存在がもう一人できた事への喜び。
本当にパパになれるのだろうかという不安。
旦那の役目さえ全うできていない僕が、
パパの役目など果たせるのか。
でも、
「最初からパパになれる人なんていない」
そう君が言ってくれたから。
この命が燃え尽きるまで、妻を、この子を愛したい。
愛してみせる。
―――――――――――――――――――――
私が生まれた日の日記だ。
やっぱりオトウサンは、私のことをちゃんと愛してくれているんだと思う。
この日の日記が、いちばん好きだ。
そして、この日記には続きがある。
―――――――――――――――――――――
あっ、
名前は2人で話し合って、
「海愛(みあ)」にしようと思っている。
僕達には海での思い出がたくさんあるから、
いつか3人で海に行きたいな、なんて考えたり。
とにかく、愛のある子に育ってくれること、
それが何よりの願いだよ。
―――――――――――――――――――――
海愛。
これは私の名前だ。
海愛。
……そういえば、私の名前の由来は何だっけ。
私はふと思った。
小学校の時に、名前の由来を調べる宿題があったような気がする。
何だっけ……
私はしばらく考えて、「あっ!」と思い出した。
それは小学3年生の時だったと思う。
お母さんに、自分の名前の由来を聞いたのだ。
「私の名前の由来ってなあに?」
お母さんはニコッと微笑んで、こう答えてくれた。
「お父さんとお母さんは、海が好きだったんだ。
優しくて、強い海が大好きだった。
だからね、海愛もそんな子に育ってほしいと思って、名前を付けたんだ」
お母さんは、珍しくオトウサンの名前を出した。
優しくて、強い海ってなんだろう。
今までそれが疑問だった。
でも、何となく分かるかも。
上手く言葉に出来ないけれど。
ああ、私の名前は素敵だ。
海を愛すると書いて、海愛。
海は、オトウサンとお母さんを繋ぐもの。
海は、オトウサンのお墓。
海は、私達家族の拠り所。
やっと分かったよ。
私の名前の美しさが、やっと分かったよ。
私は窓の向こうを見た。
暗い夜の遠くに、港が見える。
あそこの海に、オトウサンがいる。
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ずっと思っていたことがある。
「人生は物語に似ている」っていうことだ。
人生は1つの出来事で、ロマンチックにもドラマチックにも彩ることが出来るのだ。
オトウサンの人生は、「病死」という悲劇的な終わり方だった。
人が死んだらどうなるかって、そんなの誰にも分からないけれど、
人には2つの死があるらしい。
1つは肉体的な死。
もう1つは、忘れられることによる死。
オトウサンは、肉体的な死を迎えたけれど、忘却による死は迎えていない。
オトウサンの事を覚えている人は、沢山いる。
だから、オトウサンの物語は終わってなんかいないと思うのだ。
Fin.
次回作を楽しみにお待ちください。
【催眠術】
「さあ、瞳を閉じて。
身体は軽く、力を抜いて…」
60代くらいの催眠術師は、私にそう言い聞かせた。
私は言われた通りに、瞳を閉じて身体の力を抜いた。
今、私はとあるテレビ局のスタジオにいる。
人気番組の企画で、催眠術をかけてもらうことになったのだ。
私は一般人枠として、この場にいると言うわけだ。
「えー、では、これから貴方に催眠術をかけますね。
貴方は、今手を組んでいますよね。
これからあることをすると、その手が動かなくなりますよ」
ヤラセっぽい。
そんなこと、できるわけないだろう。
「それでは、まずは深呼吸をしましょうか。
はい、吸って……吐いて……」
私は催眠術師に促され、深呼吸をした。
吸って……吐いて……
吸って……吐いて……
「はい、もういいですよ。
それでは、私が指パッチンしますので、その後に手を解いてみてください。
そうすると、手が動かなくなりますよ。」
パチンッ
催眠術師が指を鳴らした。
「では、手を解いてみてください」
そんなの、簡単だろう。
そう思って動かそうとした。
「ん?」
手に力を入れてみるも、力が入らない。
動かない。
「あれ?」
焦ってもっと力を入れようとしても、無理だ。
これが、催眠術?
私は催眠術にかかった?
「解けませんね。これが、催眠術です」
身体が静かに震えるのを感じた。
私はいつから、操られていた?
周囲にいるエキストラから、感嘆の声が上がるのが聞こえた。
次に行なわれた催眠術は、「ワサビがクリームのように甘くなる」というものだった。
「それでは、先ほどと同じように、目を閉じて、身体の力を抜いてください。
……いいですか?
それでは、これから貴方はワサビを甘く感じるようになります。
それはそれはクリームみたいにね。
では、深呼吸をしましょう。
……吸って……吐いて……
……吸って……吐いて……」
私は言われるがままだった。
「よし、いいでしょう。
それでは、私がこれから指パッチンをします。
そしたら、口を開けてワサビを食べてください。
甘く感じるようになりますよ」
パチンッ
私は口を開けた。
冷たい金属製のスプーンと、ワサビが口に入った。
舌でワサビを転がしてみると、今までの味と違うことが分かった。
何が違うのか……ああ、甘い。
ツンとした刺激がない。
「まるでクリームみたい……」
いつの間にか、そう呟いていた。
途端にエキストラから、再び感嘆の声が上がった。
「では、今からもう一回指パッチンしますね。
そしたら、ワサビは元の味を取り戻しますよ。」
パチンッ
…………え、辛っ!
ゲホッゲホッ!
「どうですか?辛いですか?」
私はコクリと2回頷いた。
スタッフの方が水をくれたので、グイッと飲み干した。
辛い、何で?
さっきまであんなに甘かったのに。
収録が無事に終わり、謝礼を受け取った私は外に出た。
催眠術にかかった興奮で紅潮した頬が、冬の冷たい風で冷やされていく。
冷たい風に当たっていると、今が現実であることを徐々に認識し始めた。
まるで、さっきの催眠術が夢みたいだ。
いや、夢の中で起こった出来事なのかもしれない。
分からない。
だけど、手が解けなかった時の感覚が忘れられないし、ワサビが生クリームみたいな味だったことも覚えている。
これも、全て夢だったのだろうか。
フワフワした気分から目醒めてしまった私は、火照った頬がクールダウンしていくのを感じながら、帰路についた。
【嘘泣き】
涙は女の武器だ。
それに気付いたのは小学5年生の時だった。
長縄跳びで骨折してしまって痛すぎて泣いていると、
「大丈夫?歩ける?」
と、男の子が手を差し伸べてくれた。
私が片想いをしている男の子だった。
「……ううん、立てない」
「肩貸すよ」
そうしてその子は私を保健室まで連れて行ってくれた。
嬉しかった。
とっても嬉しかった。
初めて、点と点が結ばれたような気がした。
私が友達と喧嘩をして泣いている時も、男子は私を気にかけてくれた。
片想いしていた子も、そうでない子も。
中にはちょっと顔の良いイケメンもいた。
「ハンカチ貸そうか?これで涙拭いてよ」
私が泣いただけで、こんなに優しくしてもらえるなんて。
私は衝撃を受けたとともに、面白くなった。
味を占めた。
それから私は、「泣き虫キャラ」を貫くことにした。
些細なことですぐ泣く子になった。
男子から心配してもらえるから、益々面白くなって、エスカレートした。
女子からは嫌われるようになったけど、別にどうでも良かった。
私の周りにはイケメンな男子さえいれば良かった。
私が泣けば、イケメンが近寄ってくる。
楽しかった。実に面白かった。
中学生になっても、このキャラが全く変わることは無かった。
それどころか、どんどんエスカレートして、勢いは増していくばかりだった。
中学生になって新たに気付いたのは、
「泣けば何でも許される」ということだった。
「そういうこと言うのはやめたほうが……」と言われれば、
「え〜ん!あの子にキツイこと言われた〜」
と、被害者面して泣いておけばいいのだ。
そうすれば、男子達は私を庇ってくれるのだ。
お陰で、男友達がたくさんできて、彼氏までできてしまった。
女友達は、いなかった。
中学3年生になった私は、夏休みに映画を観に行くことになった。
別に興味の無い映画なのに、お母さんにしつこく誘われて行くしか無かった。
座席に座り、待つこと20分。
映画が始まった。
どうやら恋愛映画らしい。
2人の男女が偶然出会って、デートをする話だ。
お母さんが隣で涙ぐむ中、私は肘を付き、欠伸をしながら観ていた。
しかし、私はあるシーンに惹かれた。
女性が涙を流しながら、男性に別れを告げる場面だ。
私は、頭をガツンと殴られたくらいの衝撃を受けた。
女性は、透明な涙を流していた。
それは、本当にキラキラしていた。
星みたい、と思った。
私は今までに、こんなに透明な涙を見たことがあっただろうか。
いや、無い。
映画を観終えて帰路についた。
車の後部座席でゆらり揺られながら、私はずっと考え事をしていた。
私は今までに、あんなに透明な涙を流したことがあっただろうか。
その時、私は吐き気を感じた。
無い、あんなに美しい涙を流したことなんて、一度たりともない。
私の涙は、黒く濁っている。
それに気付いてしまって、頭がクラクラしてしまった。
私は、愚かな女の子だった。
泣けばイケメンが近寄るだなんて、そんな考えは気持ち悪い。
私は男子のことを「モノ」としか思っていなかったのかもしれない。
私は、許されない人間なのだ。
それから私は、泣き虫キャラを辞めた。
今までの自分の行動が、酷く気持ち悪いものに感じられてしまって、そんな自分に嫌気が差したのだ。
そして、高校生になった私は演劇部に所属した。
あの映画を観てから、あんなに透明な涙を流せる女優が羨ましいと感じたからだ。
私も、あんな涙を流したい。
私の夢は「モテる女子」から「女優」に変わった。
大学生になって劇団に所属した私は、本格的に演劇の世界にのめり込んだ。
毎日演じて、演じて、演じる毎日。
不思議なことに、苦しいとは思わなかった。
そうして2年が経ったある日、次の舞台の台本が配られた。
恋愛を題材とした物語だった。
私は主人公のヒロイン役で、一度は主人公と結ばれるものの、結局は別れてしまうという役だ。
台本には「別れの言葉を告げながら涙を流す」と書いてあった。
「この世界で一番美しい涙を流せ、いいな?」
そう言われた私は、強く頷いた。
私はこの為に頑張ってきた。
透明な涙を流す為に。
数カ月の稽古を経て、遂に本番の日を迎えた。
「お客さん、いっぱい入ってるね」
舞台袖から、満員の客席が見える。
もう逃げられない。
「本番5分前でーす!」
もうすぐ始まる。
私は心臓がバクバクしていた。
もし、綺麗な涙を流せなかったら。
不安だ。吐き気がする。
その中で、私は学生時代の記憶を思い出していた。
涙は女の武器、そう思ったきっかけの日。
涙を流して被害者面をした日。
映画を観た日。
過去との決別の為に、彼氏と別れた日。
たった数秒の間に、痛く黒い記憶がフラッシュバックする。
そうだ、私は過去と決別しなきゃ。
許されるとは思ってない、ただの我儘だ。
どうか、舞台の上だけは我儘でいさせて欲しいのだ。
舞台が始まった。
舞台に上がると、輝かしい照明と沢山の拍手が私を迎えてくれた。
あとは、演じるだけだ。
その後、舞台が大成功に終わったことは、言うまでもない。