「帽子かぶって」
帽子というと、イチロー選手の野球帽がぱっと目に浮かぶ、帽子をキュッと整えて、バットで狙いを定め、侍を思わせるとも言われたあのスタイル。かっこいい。
私はかっこいい人に憧れても、自分はそうはなれないから、ぐずぐず卑屈になる。
卑屈にならず、そう天海祐希さんみたいに、スカッとした人になりたい。
「小さな勇気」
彼女には嫌だと言う、小さな勇気がなかった。
幼少の頃から、貴女はこうでしょ、と言われ、その通りに育ってきたからかもしれない。
学校に行くようになっても、仲良くしてくれる子ができても、時が経つと、一人ぼっちに仲間外れになることがあった。
中学でも、あった。中1のとき、たまたま隣のクラスの同じ状況の子が、声をかけてくれた。
私たちは同盟を結んだ。
理解のある教師の計らいで、中2からはそのこと同じクラスで2人きり、いつも一緒だった。
高校に行ってもまた同じようなことがあり、大学でも。。
彼女にはその原因がわからなかった。
小さな勇気があれば、仲間に入れてと声をかけれたかもしれないのに、彼女にはそうすることができなかった。
社会人になってからも、自分にとって本当に守らないといけない人権を無視するような行為をされても、黙ってしまっていた。
彼女には相変わらず勇気がなかったのである。
小さな勇気、それはとても大切な物。
自分から声をかけたり、嫌なものはキッパリ断ったり。
彼女は今人生の折り返し地点にいる。
そういう生き方をしてきてしまったから、小さな勇気を出すことは彼女にはものすごくエネルギーがいる。
でも、大切なことだ。
小さな勇気を振り絞って、生きてきかなければならない。
そうじゃないと、何も変わらないから。
「わぁ!」
私は「昨日なにたべた」の矢吹賢二さんの、ご飯を食べる時や、シロさんが何かしてくれたときに感動する時に言う言葉が好きである。
あんな風に素直に、愛をつたえられたらな。
ワタルくんが、「愛を安売りしたらいけない」ってなこといってたけど、
私は賢二派だ。
素直に喜んでしまう。
だって、その時伝えないと、自分の気持ちも変わっちゃうから。
ほんとに厄介な人間だ。
藤井風の「死んでもいいわ」じゃないけど、
三度の飯よりあんたがいいのよ、
なのに、
それでも浮つく心
なかなかつかみどころのない奴である。
だから、「わぁ!」って喜んだら一緒に嬉しいね、ってなってくれる相手と過ごしたい。
そしたら、きっと、一途にずっと、ずっと生きていけそうな気がする。
「終わらない物語」
いつ産まれたのだろう。私の魂は。
聞かされているのは、なぜかエコーに反応せず、随分月数経ってからだったこと。
ある事情で私を産むことを悩んだこと。
でも、私はなんとか産んでもらえて、今生きている。
生きていることに感謝をしても、喜びを感じたことは少ない。
何がいつも満たされないのだ。
お腹いっぱい食べた時くらいだ。満たされた気持ちになるのは。
買い物依存症なので、たくさん買った時は一時的には満たされるけど、すぐに、何でそれが欲しかったのかもわからなくなり、むしろ、その時の自分に嫌悪感すら感じて手放してしまいたくなる。
厄介である。
私の魂は何を欲してるのだろうか、安心感。
この一言に尽きると思う。
いつもソワソワおどおどして、
だから人に馬鹿にされて、利用される。
強くなりたい。
私が自分の魂の欲するものを得られるまで、私の物語は続く。
一生手に入らないかもしれない。
なぜか、私は他所者って感じが常にあるのだ。
どこにいても、私は他所者。
もしかしたら、パラレルワールドがあって、私はそこの家族の子供であったのかもしれない。
生きてること、生かされてること、感謝しなければならないのに、
満たされないのだ。
大人になってしまったから、誰かに頼めるわけでもなく、
自分でその方法を探さないといけない。
私は自分を満たす。
その日が来るまで私の物語は終わらない。
「やさしい嘘」
その日、私は初恋の人とコーヒを飲んでいた。
ベンチに並んで座って。
ふと、あの街に行きたいな、って私が言った。彼はその街に住んでて詳しいのである。
いわゆるデートスポット的なとこで、その予定は計画すらされないことは私には分かっていた。
いつか案内するよ、
ほんと?嬉しい
彼は優しい嘘をついた
私も優しい嘘だと分かってても心底喜んで頬を赤らめた
いくつになっても、彼の前ではタイムスリップしてしまう
初めて言葉を交わしたその日に
いつか、私は1人で回ってみようと思う。その街を。
そして、成せなかった思いを成仏させるのだ。
そしたら、きっと、
私は、今度こそ、本当のさよならができるから。