どんなに離れていても
どんなに離れていても、
友達でいられると思っていた
けれど、
距離はやはり
二人を疎遠にする
片方だけが寂しいと感じ
新天地に赴いた方は寂しさなど感じてはいないだろう
新しい環境で、
新しい人と出会い
縁を繋いでいく
去られた方は、ぽっかりとあいた穴が塞がるのに時間がかかる
「愛にきて」
叔父が末期癌で危ないと聞いた。
人一倍努力家で、健康にはものすごく気をつけてたから、いつまでも長生きしてくれると勝手に思っていた。
お見舞いに行こうと思った。
会いに行ったら
「これで、会いたかったもん全員会えた。もう心残りない」
と言ってくれた。
そんなこと言わんといてよ、もっと生きてよって思ったけど、
別れは数ヶ月後にやってきた。
少し離れてるし、身軽に動けるわけではないから、
思い立った時に、
色々な弊害を押し切って会いに行って良かったと思った。
病床でも腕時計をして、時間を大切にする人だった。
好物はオロナミンCで、
お土産にくれた。
叔母は献身的にものすごくサポートしてくれていて、ありがたかった。
叔父が亡くなっても、時折元気がなくなると私はオロナミンCを前より飲むようになった。
まだまだ若いんだから、
何度でもやり直せる。
リセットできるんだ、
そう言われてるような気がした。
巡り合い
もう二度と会う事はないと思ってた
二十歳になる前の別れ
繋いだ手の感触とイヤリング
私はずっとそれと共に生きていた
自分の気持ちに正直になることに怯えて
ちゃんと伝えられなかった思いは
宙に浮いたまま
行き場を失っていた
そんなある日、偶然再開した
巡り合うべき人とは、
巡り会うのだと思った
今度は二度目のお別れをした
次に巡り会えることはないと悟った
私の宙に浮いたままの思いは昇華された
どこへ行こう
いつからだろうか
そんな気持ちも湧かなくなった
人は本来生まれながらにして自由なはずなのに
大好きだった映画やオペラにも身軽に行けなくなった
遠くへ行くことなんてまして、到底不可能だ
だから
どこへ行こう
なんて考えるのはやめてしまった
考えたって、叶えられないから
虚しいだけ
淡々と、日々を過ごす
その日々の連続が月、年となり、
気がつけば
満たされない何かを埋めるために食べ過ぎたため、
身についた脂肪で身体はますます重たくなり
心はいつも沈んでいる
big love ♡
大きな愛を与えても
相手の器の底が開いていたら
注ぐだけで、たまらない
いつも愛して愛してと
愛を乞い
満たされない
愛を与えることに疲れた私は
自分に目を向けることにした
自分自身を愛してくれるのは
自分しかいないから
自分のことをちゃんと考えてあげないと
誰かの犠牲になるのはもうやめた
与えたい時だけ、与える
それで良いんだと思った
どんなに与えても満足しない相手からは見返りを求めてはいけない
これは私が人生の折り返し地点を過ぎてようやく悟ったこと
もっと早くに気づいていたら
人生変わってたかもしれない
でも、もういいんだ
たとえ明日が人生最後の日であっても
私はもう、与え続けることをやめたから
自分を見つめることができるようになったから
それで十分なのだ