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2/18/2024, 12:00:35 PM

今日にさよなら  

赤く染まった夕日が今日の終わりを
密やかに告げている。

君とぼくは、手を繋ぎ

今日 一日にあった出来事を反芻して
また明日と心の中で呟いて
今日にさよならを言う

また明日と言う今日を迎える為に
今日にさよならを告げる。

また明日もよろしくお願いしますと
迎える為に....。

2/18/2024, 9:59:42 AM

お気に入り

屋根の上で寝転びながら俺は果てしなく
上っている青い空を見上げる。

バトンの様に手の中で 自分の相棒である
大鎌を空に放り投げ くるくると回転する
大鎌を落ちてくる瞬間を見極め柄の部分を
捉えキャッチする。

一通り 相棒を弄ぶと起き上がり
獲物を見つけた獰猛な笑みを浮かべ立ち上がる。

そして、一気にジャンプして屋根の上から
駆け下り大鎌を振るった。


「もらったああああー」

「ギャアアアーァ」不気味な断末魔を上げながら 黒い靄が掛かった気体は、
鎌の刃が刺さり消滅した。
「一丁あがり!」
俺は掛けていた眼鏡を外し
黒い靄が掛かった気体が取り払われた後の
透明で しかし完全に透き通っている
訳ではない色味がかった魂を凝視し
その魂の色を見る。

「う~ん 暖色系に微かに茶色が混ざっているなあ~ 穏やかで暖かい人生
少しの未練って所か...」
俺は、その魂を持ち上げ口をあけようとして

ゴンッ 「痛っ!」後ろの後頭部に
衝撃が走り 食べようとしていた魂を
落とした。

「こらっハイネ また一人で単独行動!!」
「いってぇ この暴力女!」
俺の後ろには、赤味がかった髪を短く
おかっぱにした少女と その後ろで
おどおどした目で俺を見てまた隠れる
長くウェーブが掛かった髪を緩く二つに
結んだ少女

そしてその図を 微笑ましそうに見守る
金髪の少年 三人の姿があった。

「まぁまぁミーナその辺でハイネも殺気を
出さない シズクが怖がるでしょ!!」

「そうよ あんた ただでさえ目つき
怖いんだからシズクが怯えるでしょう!」
その言葉に俺はたじろぎ おもわず
シズクと呼ばれた少女の方を見てしまう

シズクは、俺と目が合うとミーナの背中に
隠れてしまう...

俺は、その態度に少しいらつく....

「それより ナイト ハイネなんて
ほっといて もう行こう」

ミーナは、ナイトの腕を組んで寄り添う
俺は馬鹿馬鹿しくなりそっぽを向く
そうして歩を進める。

「ハイネ!」「ちょっとあんた!!」

ナイトとミーナに呼び止められるが
「お前らで仲良くやってろ」
と俺は踵を返す。

(ったくナイトの奴 良くミーナに付き合ってられるなあ あの二人何で付き合って
られるんだ 信じらんねぇ)

あの二人が相思相愛の仲なのは、
仲間内では、周知の事実なので
今更誰も突っ込まない....

しかし二人には....
「じゃあ もうこの辺にめぼしい
穢れを含んだ魂は、見当たらないし
今日は、この辺で切り上げよう」

「じゃあ何か食べようかしらおなかすいたし ハイネあんたも浄化された魂ばっか
食べてないでちゃんと普通の食べ物も
食べなさいよ!」

「シズクも一緒に行こう!」とナイトが声を掛ける。

シズクは、ナイトを上目遣いに見て
「....う....ん...」と小さく頷く

俺は何となくその態度が気に入らず
シズクの方を見てしまう。

シズクは、俺の視線に気づくと
ビクッと肩を震わせナイトの背中に
隠れる。

ミーナがそんな俺を見て
俺の腕を引っ張って行き
ナイト達から距離を取り
俺に小声で、話し掛ける。

「ちょっとあんたその目つきどうにか
ならないの? シズクが怖がってる
でしょう?」

「生まれつきなんだから ほっとけよ
あっちが勝手に怖がるんだ!
俺は知らねぇ」

「あんたそんなんじゃ 一生シズクに
振り向いて貰えないわよ
お気に入りのおもちゃを手に入れられなかった子供じゃないんだから!!」


その言葉が俺の胸にグサッと刺さる。

「....うる...さっ...い」
(そんなこと言ったってあっちが勝手に
怯えるんだから どうしようもねぇだろうが....)

俺は、シズクの方に視線を遣る。
ナイトと何か話していて 控えめな
笑顔を浮かべていた。

俺には、絶対に見せない表情だ
何となく腹が立って
俺は、シズクを睨みつけて
髪を引っ張る。

「い...いっ...た...い」シズクは、
しゃがみ込み 髪を押さえる。

「よし シズクたまには、お前も魂狩り
してみろよ 俺が教えてやるよ
そうだなあ手始めに此処なんかどうだ?」

俺は、手始めに地図マップを広げ
A21ーB の座標を広げる。

此処は比較的 魂の穢れが低レベルの
エリアだった。

まあ行っても 穢れの魂がそんないない
所だし 何もないかもしれないが....

しかし 暗闇が続く裏路地の為
怖がりなシズクには、丁度良いだろう

俺に怯えてばっかのシズクに
お灸を据えて せいぜい泣かせてやる
俺は、さっきミーナに窘められた事も
忘れてA21ーBエリアに怖がるシズクを
無理矢理連れて行った。

後ろから怒りの表情を露わにする
ミーナとやれやれと肩をすくめる
ナイトも付いて来たが 気にせず無視する。


『A21ーBエリア』

暗くどんよりとした空気にシズクは
もう怯えていて ミーナの腕にしがみついていた。

シズクは、目に涙をいっぱい溜めて
暗闇を怖々と見つめていた。


「シズク無理しないで ハイネの言う
事なんか聞かなくて良いんだからね」
ミーナは、シズクを気遣いナイトと
三人で戻ろうとするが
それじゃあこの俺が面白くない。

俺は、シズクの腕を引っ張り
強引に前に出させる。

「ほら シズク いつまでもナイトや
ミーナに守られたままで良いのかよ
弱っちいまま皆の足引っ張ったまま
生きて行くつもりかよ!」

泣いているシズクが涙目で俺を見上げる。
「っ...えぐっっ うわああーん」
終いには、とうとう泣き出す始末
俺は、それを見て気分がスカッとする。
次第に笑いが込み上げて来て
大笑いしてしまった。

「アハハハハ マジ面白い!!」
笑い過ぎて涙出て来た。

シズクがミーナにしがみつきながら
精一杯の怖くない顔で涙を浮かべながら
俺に睨みを利かせる。


「.... ハイネ....嫌い....」ぽつりとシズクが小さな声で呟く

俺は、嫌いと言われた事よりも
やっと俺に怯えなくなったシズクを見て
笑いが込み上げて仕方ない

そんな俺をミーナは眉を吊り上げて
ナイトは、呆れながら見ていたが
今の俺には、どうでも良い

お気に入りのおもちゃで遊べて
大満足の今の俺には、 .......。

2/17/2024, 12:20:38 AM

誰よりも

誰よりも強く有りたいと願っていた。
大切な人を守りたいと思っていた。
だけど 現実は、厳しくて
僕は、負けて倒れてしまった。
僕は、傷だらけになって気を失って
しまった。

気が付いて目を覚ますと君の顔が僕を
覗き込んでいた。
守りたかった君の顔が優しい笑顔を
浮かべて 僕の頭を自分の膝に
乗せて 微笑んでいた。

「大丈夫?」君が僕に言う
僕は、起き上がり
「ごめん」と君に言う
結局 僕は、格好つけてたくせに
君に迷惑を掛けただけだった。

君は、きょとんとして
「何で謝るの?」君は不思議そうに
僕に言う

「僕は、君をあいつらから守る事が出来なかった。 君に迷惑を掛けて....」

すると君は首を横に振って
「守ってくれたよ だって私は、
君のおかげで 怪我一つしてないよ
むしろ君の方がボロボロになって
私のせいでごめんね」

僕は、それこそ首を振って...

「僕がもっと強かったら君に心配を掛けずにあいつらを追い払えたのに...」

君は、そんな僕の手を優しく握って
笑いかける。

「君は、強いよ誰よりも あの場で
勇気を持ってあの人達に立ち向かって
くれた 勝ち 負けなんか関係無い
君は、私のヒーローだよ」

そう言って 君は僕のボロボロの体を
支えてくれて ゆっくりと僕のペースで
僕の家まで僕を送って行ってくれた。

君の優しい言葉が 暖かい笑顔が
いつまでも僕の 脳裏から消えなかった。

2/16/2024, 6:47:59 AM

10年後の私から届いた手紙

学校を卒業する日 私達は、入学式の日に
土に埋めた タイムカプセルを掘り起こした。

すると不思議な事が起こって居たのだ。
タイムカプセルを開けて中を見ると
大量の手紙が入っていた。

皆 不思議そうな顔をしていた。
皆 手紙を入れた覚えが無いからだ
皆 思い思いに好きな物をタイムカプセルの中に入れていた。

その中に手紙の類を入れた者は
居なかった。

皆の名前がそれぞれ書いてある
手紙を開くと 皆 驚いていた。
その手紙の文面は、10年後の私達から
届いた手紙だったからだ。


私の手紙には、こう書かれていた。

『10年前の私へ 

自分に手紙 書くとか変な感じがするけど
元気にしてるかなあ...
何を書いて良いか思い付かない
だって 貴方にとって私って未来の
貴方なんだよね...

何かちょっと複雑....
未来の事を教えて 過去の私にアドバイスをすれば良いのか...

それとも 余り 余計な事は、言わず
無難に今を楽しめと言えば良いのか
迷いました。

私は、考えた結果 余りこっちの事は、
教えない事にしました。

楽しみにしてたかもしれないけどごめんね

私から言える事は、何もありません
でもせっかく手紙を書ける機会があるので
これだけは、伝え様と思います。

今の私があるのは、貴方のおかげです。
本当にありがとう

今の私があるのは、貴方が悩んで
壁にぶつかって それでも選んだ選択肢の
中で藻掻いた結果なんだよね!!
本当にありがとう 

これから貴方には、楽しい事 辛い事
たくさんあると思います。
いろいろな選択肢に悩む事もあると思います。

でもそのどれもが間違いじゃないって
私は、思います。

挫折して 失敗して取り替えしが
つかなくなっても
人間関係につまずいて落ち込んでも

そのどれもが貴方を形づくって今の私が
ある

負けても泣いても良い だけど歩みを進ませる事だけは辞めないで

立ち止まっても 寄り道しても
遠回りしてもいい
だけど歩みを決して止めないで
貴方が選んで進んだ未来で
私は、必ず待ってるから
貴方が悩みながら選んだ選択肢の中の私が
結果の私が 此処に居るから....
何も怖がらなくて良いんだよ...

だから待ってるね!!

貴方を一番良く知ってる私より』

そうして私は、手紙を閉じた。
そしてまっすぐ上を向いて
澄んだ青空に腕を伸ばす。

まだ見ぬ貴方の手を摑む為に...
私達は、手紙と卒業証書を抱えて
それぞれの新しい道へと旅立つのだった。

2/15/2024, 9:46:34 AM

冬は一緒にの続き

バレンタイン

いつも 俺が一人で居ると 手を引っ張ってくれるのは、あいつの方だった。


2月14日 バレンタインデー 当日

下駄箱の扉を開けると ドサドサと
大量のプレゼントの雨が降って来た。

「夏樹 お前 今年もすごいなあ!」

「ああ.... うん.... 後で皆で食べよう!」

俺は、プレゼント もといチョコレートを
鞄に詰めるだけ詰めた。
友達にも手伝ってもらい 教室に
向かう。

「しかし 毎年 毎年 お前が羨ましいよ!」


「いや あれは あれで大変だと思うぜ
まぁ俺達にもくれるんだし文句はねぇけど...」


そうして、俺は、お昼休み 昼食を軽めにして 屋上でチョコを広げた。
此処は、本来 立ち入り禁止区域だが
ドアの施錠が緩い為 たまに少しドアに
隙間が空いていた。

鍵を直せば良いと思うが先生達も
そこまで 真剣には、気にしていないらしい... なので此処はあまり人が寄り付かない だから俺は、毎年此処で 友達と
一緒にチョコを広げる。

何となく くれた女子の視線が気になるので 教室では、何か食べづらい
のでこうして友達と一緒に屋上でチョコを
食べるのが毎年恒例になっている。


くれた人 一人 一人 奇を衒っていて
面白い 手作りの人も居れば
安物の10円チョコをたくさんプレゼント
ボックスに詰めて渡す人も居る
あきらかに義理と分かるチョコもあるが

たまにチョコと一緒に手紙が添えられて
いる事がある。

放課後 教室で待っていて下さい

体育館裏に来て下さいなどいわゆる
本命チョコだ

俺は、そう言う類のチョコは、極力
受け取らない様にしていた。

でもたまに チョコだけでも受け取って下さいと泣きながら 頼んでくる女子も居て
そう言うのは、断りきれず 気持ちには、
応えられないけど チョコの味の
感想だけ伝える様にしている

そうすると 笑って ありがとうと言って
くれて 何となく丸く収まるからだ。


「しかし 夏樹 毎年思うけど
お前 あんだけ女子に告白されてんのに
誰とも付き合わねぇの 試しに誰か一人と
つきあっちゃえば良いのに...」


「そう言うの 真剣に言ってくれる人に
試しにって 軽い気持ちで向き合うの
何か 気が引けるんだよね!」

俺は、正直に自分の本音を言う

すると友達は、....
「真面目だなあ夏樹は... あっ でも
夏樹には、可愛い系の幼馴染みが居るん
だっけ..... あの子にもチョコ貰うのか」


その言葉に こう言うイベント事が
大好きな幼馴染みの顔が浮かぶ

「あー 多分 毎年くれるし貰えると
思う まだ貰って無いけど....」

良いなぁと言う友達の声を聞きながら

(そう言えば あいつ 今年は
くれるの遅いなぁ どうしたんだろう
いつも 毎年 真っ先にくれるのに....
何かあったのか....)





「はぁ~ どうしよう 失敗したあ~」

私は、ため息を吐き机に突っ伏す


(何で 今年に限って 手作りなんかに
挑戦しちゃったんだろう...)

いつもお店で買うのに....
今年は、何だか意地になってる....
それに何だか 上手く渡せない
毎年 クラスメイトの義理チョコと
一緒に夏樹にも渡してるのに....
今年は、何だか 夏樹にだけ
まだ渡せないでいた。


去年の今頃は、夏樹に...

バレンタイン楽しみにしてて
とびっきり 凄いのを夏樹に
あげちゃうんだから
驚き過ぎて腰抜かすなよ!


なんて 冗談めかして言えたのに....

クリスマス頃から私の気持ちは変だ
もやもやする。
イライラする。
苦しい.... これは、もうさすがに
鈍い私でも もう気づいていた。




独占欲  つまりは そう言う事だよね...


(嫌だなあ...) こんな醜い気持ち
楽しく無い...

私は、皆で楽しく ワイワイがモットーなのに...

これじゃあ 皆と居ても 夏樹と居ても
楽しめない


私は、ドロドロした この想いに蓋を
して 鍵を掛けたい想いでいっぱいだった。

こんな気持ち誰にも知られたくない...

苦しくて 涙が溢れる。

泣きたい気持ちでいっぱいで思わず
しゃくり上げる。


その時....

「冬美...」 名前を呼ばれる。
其処には、今 一番会いたく無い人が
立って居た。

「お前 泣いてんの どうしたんだよ」
夏樹が 私の顔を覗き込んで来る。

私は、急いで涙を拭く
「なっ 何でも無い」

「何でも無いってそんな訳ないだろう
何があったんだよ!」

「何でも無いってば!」私は首を振って
さらに否定する。

「だから放っておいてよ!」
私は、心にも無い事を言い放つ

(あっ.... 今 私... 凄い 嫌な子だ
こんな私なんか 夏樹だって好きじゃないよね....)

私が落ち込んでいると 夏樹が私の
隣に来て
「分かった 何があったか聞かないから
とりあえず 落ち着いたら一緒に
帰ろう...」

私は、夏樹のその言葉に
「うん」と頷く

帰り道 夏樹は、黙って私の隣を歩いて
くれた。

私は、ふと自分の鞄に目を遣る。
今なら余計な事は考えずに渡せるんじゃ
無いか そう想い 私は「夏樹!」と
夏樹を呼び止める。


夏樹は、私の声に立ち止まり
「ん?」と小首を傾げる。


「これ 遅くなったけどバレンタインのチョコレート 今年は、手作りに挑戦して
失敗しちゃったから美味しく無いかも
しれないけど...」
私はおずおずと夏樹に差し出す。


夏樹は、私が差し出したチョコレートを
受け取り 「ありがとう!」と笑顔を
見せた。

私はその笑顔を見て ふっと何かが
吹っ切れた。


(何をゴチャゴチャ考えてたんだろう...
こんなに喜んで貰えるなら
早く渡せば良かった。)

私は、すっきりして歩調を早めた。
すると 今度は、夏樹が立ち止まって居た。

「夏樹...」私が呼び掛けると...
夏樹は何故か横を向いて....

「あのさ...こんな事言ったらお前
怒るかもしれないけど....」
「何?」私は首を傾げる。

「俺...お前の事が好きだ...!」

その言葉を聞いた瞬間 私は、目を丸く
した。

「えっ.....ええええぇーー」と私は、
思わず大きな声を出してしまった。
「えっ...なっ 何で...えっ」

これは、夢? それとも私知らない内に
気持ち声に出してた?

私は信じられず思わず自分の頬を自分の手でつねった。

「お前何やってんの?」夏樹が呆れた
様に私を見る。

「だっ だって夏樹がいきなりそんな事
言うから...!」

「それは....だって今日気付いたから...」
夏樹は、バツが悪そうに横を向く

「今日!!」私は、素っ頓狂な声を上げてしまう。

「だって お前 今日 バレンタインデーなのに チョコ渡しに来ないから...
クラスの奴は、貰ったって聞いて
俺だけ 今年は、無いのかなって思ったら
何か焦って.... もやもやして....」


「普通 今日 気持ちに気付いたからって
すぐ相手に告白する?
もっと悩まない?」

「そう言うもんなのか? 俺 今日
初めて告白とかしたからそう言うの
良く分からないんだよな....」


夏樹があっけらかんと言うもんだから
思わず私は 「何か凄いね夏樹って....」

そう言えば 女の子から告白を受けた時も
返事は、すぐにしてたっけ.....

「いや 俺は、お前の方が凄いと
思うけどな...」

「えっ...」私は夏樹の言葉に
きょとんとする。

夏樹は、そんな私を見て笑って...

「小さい頃からさ 俺が一人で
居ると 必ずお前が手を引っ張ってくれて
皆の輪の中に入れてくれただろう....
お前のおかげで 俺 友達がたくさん
できる様になったんだ....

今思えば 俺あの頃からお前の事好きだったのかも.....」

私は、夏樹のストレートな言葉に顔が真っ赤に染まった。

「なっ 何でそんな 恥ずかしい事
そんな すぐ言葉に出来るの
夏樹の事で悩んでた私が馬鹿みたいじゃない!」

私は腹立たしさに紛れて思わず言ってしまう....

「悩んでた... 俺の事で....
えっ じゃあさっき泣いてたのって...」

「あっ!」私は恥ずかしさの余り顔を手で
覆ってしまう...

夏樹は、そんな私を嬉しそうに見て...
「なぁ冬美 今度の日曜何処に出掛けたい....」



私の手を夏樹は、ゆっくりと優しく繋ぐの
だった。

こうして 私と夏樹の新しい
関係が始まるのだった。....







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