新年明けましておめでとうございます。
のほほんとしていると、地震のニュースを見てとても驚きました。
亡くなられた方の御冥福をお祈りします。
私は普段フザけた短編ばかり書いています。
自粛すべきかと悩みましたが、自分が自粛しても特に何も変わらないと思い、通常営業で行きます。
代わりにコンビニなどで積極的に募金箱にお金を入れていきたいと思います。
現地の人はお気持ちより、お金が欲しいでしょうからね。
良ければこれを読んでる方もお付き合いいただければと思います。
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「新年ということで、新しいことを始めたいと思います」
「新年の抱負ってやつですか。
先輩も飽きませんね。
去年も言ってましたが、達成したんですか?」
「……過ぎたことはいいだろ」
痛い所を突く後輩だ。
可愛いからって調子に乗りやがって。
「で何をするんですか?」
「去年から本格的に小説書き始めたんだ。
やってみて色々課題は出てきたけど、今年はインプットを重点的にしたい」
「具体的には?」
「サメ」
「は?」
「サメ映画を見る」
「ちゃんと聞こえた上で言いますね。
は?」
後輩が睨んでくる。
怖い。
「なんで、ありとあらゆるインプットの中でサメ映画を選ぶんですか!」
後輩がツバを飛ばしながら怒鳴る。
「そんなに怒ることなくない?
人気あるんだよ。サメ映画」
「言うほどありますかね、人気……」
「あるさ。みんな事ある度にサメって言うだろ」
「それ、ネットのオモチャっていうんじゃ……」
「オモチャにされるほど、愛されてるんだよ。
俺はその秘密を自分の小説に取り込みたい」
「あの先輩。
親切で言うんですけど、取り込んでもオモチャにされるだけですよ」
「読まれないよりかマシだ。
それにオモチャにされれば、露出が増えて色んな人が見てくれる。
俺の小説に目を掛けてくれる編集もいるかもしれないだろ」
「あー、一応考えてはいるんですね
まあ、先輩がやるって言うなら止めませんけど」
後輩は納得したようだ。
「俺の話ばかりしてるけど、お前はどうなんだ?
何か新年の抱負はあるのか?」
「そうですね。
去年と一緒、というか新年関係なく、あの時宣言した通りですよ」
「ずっと一緒にいるってやつ?」
「覚えててくれて嬉しいです、先輩」
俺の言葉を聞いて、後輩が紅くなりながら笑う。
その可愛い笑顔から、俺は目を離せなかった。
後輩は見つめられて恥ずかしくなったのか、慌てて話題をそらす。
「つまり何が言いたいかって言うと―
新年じゃなくて信念って所ですかね」
「これまた、おジョーズなことで」
「良いお年を」
女神は涙声でそう言いながら去っていった。
2日ぶりに帰ってきたこの部屋に安心感を覚える
2日前女神は突然現れ、世界を救ってくれと、勝手に異世界転移をさせられた。
夢にまで見た異世界を満喫したかったが、年末にはやるべきことが多く、早めに帰らなければいけない。
私は事態を早めに解決すべく行動した。
女神からもらったチートを活用しことごとく悪を滅ぼした。
その獅子奮迅の活躍に女神も涙するほどだ。
デキる男は、どうしても女を泣かせてしまうものらしい。
しらんけど。
まあ、そんなことはどうでもいい。
余韻に浸っている場合ではない。
年末と言うことで、たくさんの予定が詰まっているからだ。
見てないアニメ、積んでるゲーム、書きかけの小説。
やることがいっぱいだ。
世界を救ったばかりだから、滅ぼす系のゲームするか。
テレビをつけると、除夜の鐘を鳴らす様子が流れている。
もう2023年は終わるらしい。
忙しい年末だったが、それももうすぐ終わる。
そうだ、映画館の予約もせねば!
私は年始も忙しいのだ。
スマホで作業している間に番組が進行し、アナウンサーが番組の最後を締めくくる
「2023年はどんな一年でしたか?
もうすぐ今年も終わりです。
それではみなさん、良いお年を」
この2023年で一番印象に残っていることは、小説を書き始めたこと。
そして、それが自分にとっての2023年でもある。
9月くらいだったか、短編を毎日書き始めた。
小説を本格的に書きたいと思い、始めの一歩ということで短編から始めた。
なんとなく小説家になりたいという漠然とした夢に対して、この瞬間はっきりと行動に移したのだ。
最初は我ながらひどい出来栄えだと思う。
けど、最近はなかなかいい感じにかけているのではと思う。
手前味噌だけど。
仕事は楽しくない、人づきあいは嫌という、ネガティブな感情から始めたものだが、やってみると結構楽しい。
みんなが創作活動に夢中になるはずだ、と勝手に納得したものだった。
小説を書いていると、とても充実しているのを感じる。
なるほど、夢をみることは大切だ。
夢と言えば、最近たくさんあるうちの夢の一つが叶ったな。
異世界に行くこと。
転生ではなく、転移だけど似たようなもの、っていったら怒られるか。
地味なチートだけど、もらったのでそこそこ嬉しい。
だけど年末年始はオタ活で忙しいし、小説も書きたいので、早く帰らなければいけない。
だからチートを駆使して、とっとと世界を救って……あれ?
なんで私は走馬灯みたいに今年を振り返っているのだろうか?
私はさっきまで何をしていた?
少しずつ頭が冴えてくる。
思い出した。
私はこの異世界に来てから世界を巡り、世界を脅かす悪と対峙していたのだ。
それら順番にチートで滅ぼたが、最後のボスにチートの対策を取られ、敗北したのだった。
目を開けると、見慣れた光景が目に入る。
ヒイキにしている宿屋の部屋だ。
横を見ると仲間が心配してこちらを見ていた。
「気分はどうだ?」
「最悪だよ」
仲間の気遣いに、素っ気なく答える。
「少し休むか?」
「大丈夫だ。チートですぐ回復できる」
「体はな……。心の方は回復しないだろう」
「安心しろ。あのラスボスが生意気にかけていた眼鏡を粉々にしてやりたくて、ウズウズしてるよ」
「なら大丈夫だな」
「ああ、あと対策も思いついた。
準備が出来たらすぐ行くぞ。
次は負けない」
私には元の世界に戻る理由がある。
早く戻って、人生を満喫する。
それが自分の中の最も大切な夢だ。
それを叶えるために、過去を振り返っている暇など私には無いのだ。
俺は今、異世界にいた。
突然女神により、異世界に転移させられたのだ。
曰く、チートあげるから世界救ってくれ。
迷惑どころの話ではない。
私は忙しいのだ。
とっとと世界を救って元の世界に帰る。
そして女神にお灸をすえる。
ただ問題なのは、もらったチートがミカンがたくさん出せるというものだ。
特にリスクもなく、無制限で、食べれば完全回復するミカンを出せるようになった。
だから何なんだ、と思わなくもない。
なぜそれがミカンでないといけないのかとも。
だが、ある利用方法を思いついた。
このアイディアなら、世界を救うのもすぐに終わるだろう。
しかし、倒すべき悪の存在の場所が分からない。
見渡す限り地平線だけ。
目を凝らすと、煙のようなものが見えた。
人がいるかもしれない。
とりあえず情報収集といこう。
しばらく歩いていると、物陰から男が現れた。
「金目のものを出しな。
そうせうれば命だけ―げええええええ」
盗賊は悲鳴を上げる。
よかった、これは効くみたいだ。
私が盗賊にやったこと。
それは出したミカンの汁で目つぶしである。
非人道的だという人もいるかもしれない。
失明するだろうと。
だが、このミカンを摂取したものは完全回復するのだ。
失明してもすぐに回復するから問題ない。
つまり沁みるだけ。
優しいね。
「沁みるか?やめてほしければ、言うことを聞け」
「誰がそんなことうわあああ、沁みるううううう。
すみませんでした。いうこと聞きますぅ」
「いいだろう。では街に案内しろ」
「喜んで!」
こうして私は下僕を一人手に入れた。
幸先がいい。
これなら世界を救うのも早いかもしれない。
そして女神に目つぶしをくらわす。
奴は私に許しを請うだろう。
その時が楽しみだ。
ビクビクする盗賊を横目に、私はミカンを食べながら高笑いをするのだった。
社会人の冬休みは忙しい。
12月の30日、31日と正月三が日の、計五日間。
短いとはいえ、休みは休みだ。
その五日間で普段できないことをしなければいけない。
社会人ともなれば仕事に時間を取られ、体力も取られる。
はっきり言って、趣味の時間は格段に減った。
だが、仕事ごときが私の趣味への情熱の炎を止められると思わないことだ。
今でも私は趣味に燃えている。
私はいわゆるオタクである。
休みの日はアニメかゲームをしている。
冬休みも見れてないアニメをまとめて見たり、積んでいるゲームをやる予定だ。
いや、予定だった。
休みを明日に控えた夕方、遊び倒す準備をしていると、突然女神が現れた。
「私はある世界の女神をしています。
異世界というものが好きだと伺いました。
いまから私の世界に転移させるので、世界を救ってください。
安心してください。
チートをあげるので、あなたの五日間の休みが終わるぐらいで救うことが出来るでしょう」
気が付くと、見慣れない光景が広がっていた。
先ほどの女神の言うことは、どうやら本当のようだ。
『世界を救ってください』。
女神の言葉を思い出し、あることを決意する。
とりあえず、女神ぶっとばす。
何が異世界だ。
何が休みが終わるくらいだ。
こっちは忙しいっての。
とっと終わらせて、迎えに来る女神に一発ドついて、ケジメをつけてもらう。
そしてそこから趣味の時間だ。
社会人の冬休みは忙しいのだ。