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 社会人の冬休みは忙しい。
 12月の30日、31日と正月三が日の、計五日間。
 短いとはいえ、休みは休みだ。
 その五日間で普段できないことをしなければいけない。

 社会人ともなれば仕事に時間を取られ、体力も取られる。
 はっきり言って、趣味の時間は格段に減った。
 だが、仕事ごときが私の趣味への情熱の炎を止められると思わないことだ。
 今でも私は趣味に燃えている。

 私はいわゆるオタクである。
 休みの日はアニメかゲームをしている。
 冬休みも見れてないアニメをまとめて見たり、積んでいるゲームをやる予定だ。
 いや、予定だった。

 休みを明日に控えた夕方、遊び倒す準備をしていると、突然女神が現れた。
「私はある世界の女神をしています。
 異世界というものが好きだと伺いました。
 いまから私の世界に転移させるので、世界を救ってください。
 安心してください。
 チートをあげるので、あなたの五日間の休みが終わるぐらいで救うことが出来るでしょう」

 気が付くと、見慣れない光景が広がっていた。
 先ほどの女神の言うことは、どうやら本当のようだ。
 『世界を救ってください』。
 女神の言葉を思い出し、あることを決意する。

 とりあえず、女神ぶっとばす。
 何が異世界だ。
 何が休みが終わるくらいだ。
 こっちは忙しいっての。
 とっと終わらせて、迎えに来る女神に一発ドついて、ケジメをつけてもらう。

 そしてそこから趣味の時間だ。
 社会人の冬休みは忙しいのだ。

12/29/2023, 9:50:42 AM