雪弥

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7/17/2024, 2:47:33 PM

デジタルネイティブだなと実感する私の遠い日の記憶は、父の部屋のパソコンに紐づいている。

まだWindowsもない時代にパソコンが家にあることは当時かなり珍しかったはずだ。でも家にはパソコンがあって、それは父の部屋に置いてあった。よくりんご太郎で遊んでいた。マウスのクリックボタンは一つだけで左右の区別がなかった時代。キーボードはまだ打てずもっぱらマウスを使っていた。

そもそも父の部屋は特殊だった。寝室に入ると、クローゼットとは別にウォークインスペースがあって、その小さな空間が父の部屋だった。机とパソコンと本棚でみちみちで、冬は寒く夏は暑い空間だった。

父は忙しい人で、平日に顔を見れたことは少ない。父の部屋に入れるのも、日曜日だけだった。

小さな狭い空間に親子でパソコンに向かう日曜日。
あの思い出がなければ、もう少しパソコンが苦手だったかもしれないな、という話。

6/17/2024, 2:57:12 PM

未来が地続きなことを意識することは少ない。
今の選択肢は、確実に未来に影響を与えるのに、だ。

今起きていることで、明日の朝起きる時間が決まっている人は、刻一刻と睡眠時間が削られている。
寝る前に酒を飲んだことで、明日スッキリ起きられるかどうかも変わる。

未来は年単位じゃなくいつも「今より少しあと」だと思うことにしている。
20年後の自分に恥じないため、なんて高尚な理由じゃない。明日後悔しないため、ただそれだけだ。

そんな私も今起きているなぁ、という話。

6/16/2024, 3:41:40 PM

一年前には、こんな風になるなんて思っていなかった。
白い十四歳の犬と暮らしていて、立って歩いて尻尾を振って食欲もある、まだまだ元気だった一年前。
夏にぐんと食欲が落ちた。それまでのご飯では飲み込むことができなくなっていた。
秋には、ふやかしたものでも飲み込めなくなって、ジェル状のご飯を針のない注射器で流し込んでいた。
それでもご飯は嬉しいようだった。
秋に、犬は亡くなった。老衰だった。

信じられないほど泣いて泣いて泣いて、年を越して、黒い犬を迎えた。
びっくりするほど落ち着きのない、まだ赤ちゃん犬。

カーペットの端を噛む赤ちゃん犬を叱りながら、「生きていてくれれば何だって」と思う話。

6/16/2024, 3:32:04 PM

好きな本はハリーポッターだ。
陰陽師も十二国記も森博嗣も星新一も宮部みゆきも好きだが、ハリーポッターは人生を変えた。

英語に興味を持った。
英語で原書を読むことが目標になって、努力して、達成した。近くの本屋に取り扱いがなくて、新作の原書を買うのにアマゾンを利用したのも初めてだった。

高校では英語の本を読める生徒の一人として、先生方に認識されていた。英語の先生方からも、よく本を貸してもらっていた。英語だけ成績は抜群によかった。お陰で英文科の大学ではずっと最上位のクラスに入ることができた。

ハリーポッターが完結したのは、すっかり大人になった頃だったけれど、英語で読めた。衰えていなくてよかったと思ったものだ。

好きな本じゃなきゃ、人生なんて変わらない。
好きな本じゃなきゃ、こんなに頑張れない、という話。

6/14/2024, 11:37:10 PM

最近、「もういつでも雨降らせようと思ったらできまっせ」というどんよりした天気が続いている。傘はいるのか。でも天気予報は軒並み晴れのち曇りで降水確率も低い。もうすぐにでも降るかもしれない雲行きだが、荷物になる折り畳み傘を持って歩くには癪な予報だ。結果降らないことだってあるのだから。

だからこそ、そう言う時に体調のすぐれない場合には、傘を入れておくことにしている。万が一降った場合、傘がなくて「やっぱり持っておけばよかった」とさらに落ち込むのを防ぐためだ。降らなかったとしても、「用心深い私」を装っておける。

体調のよい場合には、傘は持たない。なにせ元気なので、「やっぱり降ったねハハン」とも思えるし、「降らなかったねラッキー」とも思える。体調と気分は直結している。体調が良くないとオトナの対応はできない。

あいまいな空模様の、その結果を決めるのは結局自分という話。

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