「今年の抱負」
今年の抱負か……
何にしようかな。
去年は、そもそも何にしたっけ
毎年考えはするものの、どうせ1月が終わる頃には忘れてんだろうな
早朝5時の朝焼けが目に突き刺さる。
まあ、そんなの考えなくていいか。
もうすぐ終わるんだし
今年の抱負、それは
誰よりも先に、楽になること
─ガタンッガタンッ…ガタンッガタンッ…
電車のライトに照らされたところで、記憶は切れた。
光と影に距離なんてない
光があればすぐそこに影ができる
誰よりも眩しいあなたにもジメジメした影があるの?
誰よりも苦しんでるあなたにも暖かい光があるの?
距離なんてないはずなのに
どちらかに囚われている間は
片方の存在に気づくことすら出来ない
距離
私を今、包むのは、やわらかな光。
遠くから聞こえる小鳥のさえずりと共に
朝日は、私を歓迎する。
秋空は、天高く
それでいて、案外小さい。
かと思えば、途方もなく遠かったり。
貴方と私をきっと祝福する、やわらかな光。
光のヴェールを纏い、今日も靡かせながら歩く。
秋の少し冷たい風に靡いたヴェールは、私の心を温かく包みこんだ。
やわらかな光
ふとした時に、泣きたくなる瞬間は、誰にだってあるでしょ?
朝起きて、フカフカの布団の中にいる時、友達と何気ない会話をしている時、ひとりぼっち夕暮れを見ながら佇んでいる時
その涙に理由(わけ)なんかないだろうし、でも実は、何か隠れていたりするのかもしれないし…
自分にすら嘘を吐く私は、今日も周りと自分に言い聞かせる。
理由、なんかないんだよ、たぶん
そんなの聞いてくるぐらいなら、
助けてよ
涙の理由
1時間寝坊した
家に定期を忘れた
就業前に突然パソコンが壊れた
イヤホンのゴムが片耳だけ無くなった
帰りの電車が1時間半、遅延していた
こんな地味な不運が続く日だってあるよね。
まさに今日なわけだけど。
人が押し詰めている電車のホームで、ただ電車を待つ。
タクシーで帰ろうにも、財布の中にはジャラジャラとギリギリ電車に乗れる硬貨しか無いし、電子マネーも先程スマホの充電が切れたから使えない。
はぁ。
まあでもさ。
きっと明日もくるから、おいでとも言ってないけどくるから、どうにかなるでしょ。
……多分、
今夜は満月でもなんでもなくて、ほっそい三日月だったけど、あの満月もこの三日月もおんなじ月だよね。
大丈夫。きっと。
きっと明日も