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9/15/2025, 12:22:40 PM

センチメンタル・ジャーニー

 ある日突然不老不死になった。
別に望んでなったわけじゃない。
気づいたら自然にそうなっていた。

 違和感に気づいたのは何も自分は変わらなかったのだ。
周りは歳を重ねていく。
それからだ、当てもなく根無し草になった。
暫くは街に居着く、そしてその街で暮らす。
しかし誰かと仲良くなっても違和感を持たれる前に去る。

 そんな生活を続けて何年が経っただろう?
恐らく自分の親類は亡くなったのだと思う。
親しい人の連絡は断ち切った。
こんな姿の変わらない化け物なんて忘れてほしい。

 自分がこの世に生を享けてから百年は経ったと思う。
相変わらず自分は青年の姿で時が止まってる。
もう自分のことを覚えてる人は故郷には居ないだろう。
大切だった家族や友人のことが懐かしくなった。
根無し草になってから何年経つか分からない。

 だから自分が生まれ育った故郷に旅しに行こう。
知ってる店も家もきっともう無いだろう。
当たり前だ数十年は経つのだ。面影はきっともう無い。
それでも行こうと思ったのは皆を忘れたくなかったから。
あんなに忘れたくなかったはずなのに、顔や匂い声がどんどん記憶から薄れていく。
仕方ないけど、それはやっぱり寂しく悲しいのだ。

では行こう。思い出を探す旅へ

9/14/2025, 2:04:45 PM

君と見上げる月…🌙

ピコン!

 こんな夜更けに誰?私は勉強していた手を止めた。
時刻は日付を跨いだ頃、普通なら寝る時間だ。
不思議に思いながらも私はスマホ開いた。
恋人からのメッセージだ。
普段メッセージを小まめに寄越す人じゃない。
何かあったのか、不安に思いながらメッセージ確認する。

良かった。悪い知らせじゃなかった。
思わず胸を撫で下ろした。

『月が大きくて丸いよ起きてるなら見てみて!!』

窓を開けて月を見た。
なるほど、確かに今日は綺麗な満月だ。

『本当だ、今日は大きくて丸いね!
何だか得した気分になれたよ!
教えてくれてありがとう』

よし、送信。

窓辺から暫くぼんやりと月を見上げてみる。
本当に今日は月が大きくて丸い。

 君もきっとこの月を見てるんだろうな。
君のことだからきっと綺麗だ!見せてやりたいって思っちゃったんだろうな。
君ならこうするのかなと想像すると思わず笑みが溢れる。

でも、少しだけワガママ言えるなのなら
私は君と一緒にこの月を見たかったな。

ピコン!
またメッセージ。

『俺もこの月をあゆむと一緒に見たかったな』

 私と彼は遠距離恋愛、本音いつも彼には会いたい。
一緒にデートしたりしたいし、一緒にご飯を食べたい。
でも頻繁に言えばきっと重いから言えなかった。
彼には彼の夢の為頑張ってるのを私は知ってる。
私だって自分の夢のため勉強してるもの。

でも、今なら言っても大丈夫だよね?

『私もね、これからもずっと月を君と見てたいな』

少しだけ震える指で私は送信ボタンを押した。

9/13/2025, 11:30:42 PM

空白

書けなかった君への恋文。
あんなに大切だった筈なのに。
恥ずかしさから好きと言葉にできなかった。
宛先が空白になるなら好きと言葉にしたら良かった…

9/12/2025, 3:48:01 PM

台風が過ぎ去って

 本日3月1日、〇〇高校の卒業式だ。
〇〇高校3年2組は問題児クラスだ。
いやもう台風のようなクラスだったと言っていいだろう。
そして俺はこの問題児クラスの担任をしていた。

 高校生とは思えない程に奴らは幼稚だった
けれど虐めをする様な奴らではなかった。
根はいい奴らばかりだった。
思えばこの一年は本当に怒涛の日々だった。
奴らは勉強は得意じゃない、授業中は私語が多い。
俺は何度他の人教員に頭を下げたかも分からない。

 でも、あの子達を見捨てようとは思わなかった。
今日からあの子たちは自分の人生を歩んで行くのだろう。
あの子達はまるで台風のような子たちだった。
この一年はあの子達といると家に帰り着く頃はもう疲れて
ヘロヘロだった。
確かに天災だった。でも辛いことだけでもなかったのだ。

 台風の様な子たちだった。
あの子たちが去った学校は少しばかり静かになった。
もうあんな強烈なクラスを暫く持つことはないだろう。
教員歴6年目の俺はあの子達のおかげで、自分の未熟差を痛感させられたのだ。

「でもな、流石に台風の日に傘で飛べるかって聞かないよな?」

少しだけあの子たちを卒業させてよかったのか?
そう思いながら、俺は青く晴れ渡った空を見上げた。

9/12/2025, 5:01:07 AM

ひとりきり

ひとりきりになると落ち着く。

誰にも邪魔されない時間は大切だ。

のんびりゆっくりしよう。

読書をしようかな?映画でも観ようか?

それとも大好きなおやつを食べながらお茶でもしようか?

今日はひとりきり、いつも頑張る自分を労る日にしよう。

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