台風が過ぎ去って
本日3月1日、〇〇高校の卒業式だ。
〇〇高校3年2組は問題児クラスだ。
いやもう台風のようなクラスだったと言っていいだろう。
そして俺はこの問題児クラスの担任をしていた。
高校生とは思えない程に奴らは幼稚だった
けれど虐めをする様な奴らではなかった。
根はいい奴らばかりだった。
思えばこの一年は本当に怒涛の日々だった。
奴らは勉強は得意じゃない、授業中は私語が多い。
俺は何度他の人教員に頭を下げたかも分からない。
でも、あの子達を見捨てようとは思わなかった。
今日からあの子たちは自分の人生を歩んで行くのだろう。
あの子達はまるで台風のような子たちだった。
この一年はあの子達といると家に帰り着く頃はもう疲れて
ヘロヘロだった。
確かに天災だった。でも辛いことだけでもなかったのだ。
台風の様な子たちだった。
あの子たちが去った学校は少しばかり静かになった。
もうあんな強烈なクラスを暫く持つことはないだろう。
教員歴6年目の俺はあの子達のおかげで、自分の未熟差を痛感させられたのだ。
「でもな、流石に台風の日に傘で飛べるかって聞かないよな?」
少しだけあの子たちを卒業させてよかったのか?
そう思いながら、俺は青く晴れ渡った空を見上げた。
9/12/2025, 3:48:01 PM