詠み人知らずさん

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9/18/2023, 1:53:48 PM

「私達、別れましょう」
振り向いた彼女のワンピースが大きく揺れる
僕はあまりのことに呆然と立ち尽くすことしかできなかった
「えっ、、、?」
何度も何度も理由を訪ねてみたが彼女はただ自虐的な笑みを浮かべるだけだった。
僕は、真っ赤に染まった花束を強く握りしめる
「僕は、、、君が腹を割るまで絶対に結婚は破棄しないつもりだ」
僕が、譲らない態度をとると彼女の顔がぐにゃりと歪んだ
「お願いだからわかってよ」
「嫌だ、わかりたくない」
「なんで教えてくれ「癌なの!!」」
「えっ」僕は言葉につまる
「だからわたしは癌なんだってば!!」
彼女はヒステリックに叫び、ひとしきりに涙を流した。


その日の夜はどことなく、美しいほどに綺麗だった。、、、気がする



「夜景」
なんか最近感情的な文しか書いてな気が、、、

9/17/2023, 4:52:29 PM

「ねぇ、ママ赤ちゃんどこ行っちゃったの?」
ママは天井を向いて答えた
「お空にねぇ、赤ちゃん帰っちゃったのよ」
まだ幼い私には当然分かるはずがなかった。
「赤ちゃんは今、お空のどこにいるの?」
母から一粒の涙がほほをつたっていく
「ちぃちゃんはね、とっても綺麗なお花畑にいるのよ、、、」

「ねぇ光介、あなたももういっちゃうの?」
私は不規則な心電図を眺めながら静かに語った

お花畑って言ったら、美しく色鮮やかに咲かせる花を想像することでしょう

きっと、そう、彼だって

私は愛人の頬をそっと撫でた
生暖かい彼の感触が私の涙をこみ上がらせる
「生きてると思うんだけどなぁ、、、」


「ねぇ、お互いいつ死ぬかわから無いんだよ?」
「またそんなこと言う」
「本当の事だよ,だから僕は君との時間を大切にしたいんだ」
思っても見なかった、彼がこんな目に遭うなんて、、、
「もし、あの場所でちぃちゃんにあったら、ちゃんと、ちゃんと、守ってね、そしていつか、私と出会ったら、あなたの胸元でたくさん泣かせてください、、、」
私はまだ生暖かい彼の手を強く握った。
その瞬間一定だった心電図がピョコンと上がった、まるでそれは返事をしているかのように
私は涙を強く拭き取った



お花畑は残酷なほど美しい、人や虫を魅了させる
だけど花は枯れてしまう、今までの美しさとは反比例するかのように
「バイバイ、光介」
そこにたどり着いた人間は時を忘れて無我夢中になるだろう。
美しいものこそ弱いのだ
花だって、踏んだり、焼いたりさえすれば跡形もなく消える、蝶だってすりつぶせば粉々になる
美しい容姿や心の持ち主は、みんなからいじめられる。最初から綺麗事なんて通用しない
残酷を知って初めて美しく輝き始める。
私だってそう、現実を知った
今の残酷さだって、、、苦しんでも、叫んでも、あがきもがいても、どんなに人や神を憎み、恨んだって、もう彼は帰って来ないってことも
現実と残酷さがそう、教えてくれた
もうこれでいいんだと誰かが叫んでいる
苦しい、辛い、死にたい、呼吸ができないの、彼を、彼を、私のもとに返えして!!
今だってそう、彼が私の中で「生きてるって」訴えかけているの!!
彼女はモニターが鳴り響く部屋の中で、ヒステリックに叫んだ
「彼はまだ生きているの!!」

死神が嘲笑うように言った
「バカな人間もこの世にいたもんだな」
その死神は、女を見たあと自虐的な笑いをし、悲しそうに去っていった。

9/14/2023, 5:25:52 PM

命が燃え尽きるまで、私はわたしらしく生きること、
人生と言う大きなキャンパスに美しく色鮮やかに書き入れたい

誰かに見られているから、おかしな人に見られるから、男だから、女だから、
もうそんなのいいじゃない。
キャンパスの始まりはみんな自由

人それぞれ描き方が違うキャンパス
個性的でステキでしょう?

誰にも見てもらえないけれど世界にたった一つだけしかない私だけのキャンパス

思いっきり描いて描きまくった人生はどんな感じなのだろうか
そうやって考えるだけでも心が踊る
明日は何をしようか?、平凡な日常をより楽しくするには、、、?って


世界にたった一つだけのキャンパス
あなたも描いてみませんか?

9/13/2023, 4:58:00 PM

夜明け前、私はため息をつく
「また朝が来たのか」
寝たらすぐに朝が来る
毎日、毎日寝るのが怖かった。
朝襲いかかる両親の声、ボロボロに切り刻まれた上履き
男女の笑い声、水渋きのおと
ヒステリックに叫ぶ教師の声
毎回「志望校は?」と聞いてくるお節介な人
毎日飽きずに私を見下し笑い続けるクラスメイトたち
だから私は、自分自身を守るために不登校になった。
守れるのは自分しかいないんだって

だけど朝、父がこういった
「夜間高校に行かないか」って

あぁ、私の唯一の場所が奪われる

私は、優雅に揺れるカーテンと共に空へと飛び出した。激しい痛みと共に幸福感であふれでていった。

もうなにもしなくていい、見えない未来を見なくていい、いたずらを受けなくていい、もう可能性を見いださなくていい。

彼女の体からしみ出た真っ赤に染まった紅血は彼女を優しく取り囲むように延々んと広がっていった。



9/10/2023, 2:33:12 PM


バイバイ
僕は、母を殺した。
理由は単純にただ殺したかっただけ

ねぇ母さんあの日を覚えてる?
僕を殴って「死ね」って言ったこと。
あれ、すごく痛かったんだよ?

お母さんはのうのうと生きて、自分はこんなに苦しむって少し不公平なんじゃないかな?


僕はその日までどんなことにも耐えた。蹴りも、殴りも、痛々しい暴言も

「あんたなんか生まなきゃよかった」

この言葉を聞いたとき僕はどう思ったか考えたことがある?


僕は、おもいっきり母の中核に向かって刃を向けた。
そうすると母が苦しそうにあがきもがいた。
刃先がどんどん真っ赤に染まっていく。
「ハハッ」そう呟くと同時に
母が蚊が泣くような声で言った
「ごめんね、正ちゃん、ええおかんになれんくて、ちゃんと愛してあげれんくて、ほんまにごめんなぁ、うちの分までちゃんと幸せになるんやで」母はそうやって安らかに息を引き取った。
その時にはもう涙が流れ始めていた。
真っ赤に染まった刃物が涙によって薄れていく。


「正ちゃんはうちの一生の宝物や」


あぁ、あの頃の母ちゃんや


お題「喪失感?」




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