「ねぇ-賢ちゃん?ここの問題教えてー」
幼稚園、、?いや性格に言えば保育園から一緒なのかも知れない。彼は昔、とても体が弱かった。
母の友人の子供で、同い年、、、ということもあり、よくお見舞いなどに行って一緒に遊んだことが数えきれないほどある。遊びと言っても、ほとんど口喧嘩ばかりであり、決まって毎回怒られるのは、私であった
また幼馴染みのせいか、彼のあだ名にはきまってちゃんが着いていた
「ねぇ、聞いてるの?」
私は、そっと彼のベットにたちよる。
「他の人から習えばいいのに、、僕よりもっとわかりやすく教えてくれるはずだろぉ?、」
彼はそっと息を吐く
「いいの!.、賢ちゃんの方が断然わかりやすいから」
彼はため息をつく
「だから、クラスから嫌われるんゃ無いか?」
「うるさい」
そんな言葉をかわしては、二人でとりとめの無い話をたくさんした
今日の給食はなんだの?
あの先生はかっこいいだの可愛いだの
だからといって、特別な話しと言うわけではない
もちろん誰かにとって利益をもたらす訳でもない
ただ何かに逆らって、一生懸命に
「賢ちゃん、賢ちゃん」
「ねぇ、お願い、起きてよ」
空気が硬直するような音が聞こえた
何かが張り裂けそうな気がした
ただ何かが上下する
ずっとずっと怖かった
ただそれだけが怖かった、
ある日私は
眠れないほどに、恋に焦がれる。
まるで、甘い魔法にかかったように
ちょっと背伸びしてビターなチョコレートを味見した時みたいに、
ほんのりと甘くて、少し苦い
朝起きても、夜寝ても
あの光景が忘れられない
まるで一つ一つが輝くように
些細なことでさえ美しく見えてしまう
人にばれないように、ひっそりと息を殺しながら彼を見る。
滑らかな髪、優しい瞳、ちょっとおどけた彼の顔
私は全てが大好きだった
君といられるなら、何をしたって構わない
あなたという存在がいるだけで、
無意味な今日が一瞬で彩るから
私は、真っ白に染まった花束を持ち
ゆっくりと彼のそばにたつ
黒い服が乱れたのと同時に、花が舞った。
「好きだったのになぁ、、」と負け犬のように
小声でいいながら、涙を流す
私は、あなたが好きで あなたは、彼女が好きで
貴方は、幸せそうにいなくなって、、
ただ一人、愛する彼女を見守って 、
夢見るヒーローのようになくなった
「バカみたい」
例の彼女は来ないのに、私は未練がましく来る
でもさ、どんなに悔やんでも悔やんでも
やっぱり君に会いたくて、もう一度側で笑っていて欲しくて、、、
好きと言う言葉だけでは愛情表現できないくらい
貴方に焦がれていたから、
もし、こうなる運命と決まっていたなら
「好き、、、、、、」
それだけでよかった、、、のに、
「終わりにしよう」
保存
目が覚めるといつもと同じ殺風景な部屋にいた
虚ろ虚ろに動いては、ただ今日という日に絶望を感じる。もう既に決まっているスケジュール、いつまでたっても変わらないあの部屋
彼がいたら何かが変わっていたのだろうかと思考を巡らしている間、もう彼には会えないんだと言う現実に苦しめられ、今日も再び泣き寝入りをする
何も変わらない今日に
これからも変わるはずの無い未来
全て変わらないはずだったのに
なぜ、あなただけ?
なぜ一人だけ ?
ねぇ、神様 教えてくださらない?
なぜ彼だけ変わらなきゃいけなかったの?