霜月 朔(創作)

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7/13/2025, 6:57:53 AM

風鈴の音



冷たくも冷静な社会は、
経済の活性化という、
免罪符を掲げ、
止まること無く走り続ける。

動き続ける、
社会から弾き出された、
心の柔らかい人間は、
残酷な世の中から、
容赦無く切り捨てられる。

人として生きることも、
過去を懐かしむ事も、
赦されず。
心の傷を抱えて、
華やかな街の影で、
息を潜めて生きるしかなくて。

誰の目にも止まらない、
誰も気付きはしない、私。
居ても居なくても、
何も変わらない。
何も変えられない。

そして、私は独り。
哀しい程に青い空を見上げ、
帰る事は叶わない、
故郷を思う。

少しだけ涼しい風が吹き、
遠くから聞こえるのは、
何処か淋しげな、
風鈴の音。

7/12/2025, 7:49:40 AM

心だけ、逃避行

7/11/2025, 8:03:19 AM

冒険

7/10/2025, 8:17:44 AM

届いて.....



君が私の元を去った、
あの日から。
ずっと、ずっと、
後悔で雁字搦めで、
動けないでいる、私。

嫌われても、憎まれても、
君の記憶の中に留まれるなら、
それでいい。
そんな強がりも、
言えなくなるくらい、
一人の夜は淋しくて。

もう慣れた筈の、
君の居ない夜なのに、
空っぽの手は、
何度も君の温もりを探して、
虚しく空を掴むんだ。

笑顔の君に会いたい。
残酷なこの世に傷付いた君を、
この腕に抱き締め、
慰めてあげたい。

眠れない夜が、
静かに明けていく。
僅かに紫を帯びる空に、
そっと願いを呟く。

私のこの想い、
君に、届いて.....

7/9/2025, 6:18:54 AM

あの日の景色



窓もない静かな部屋の中。
静かに眠り続ける、
愛しい、貴方。

私は貴方の隣で、
貴方との想い出の中に、
独り、揺蕩いながら、
時を刻みます。

貴方の時間は、
美しいあの日のまま、
止まって居るのに、
私の時間は、
残酷な現実の中で、
進み続けています。

僅かな灯りが灯るだけの、
静かなこの部屋の中で。
私と貴方の想い出だけが、
鮮やかな色を纏っていて。
残るのは、灰色の現実。

静かに眠る貴方の手を、
そっと握ります。
何時までも朽ちない、
愛しい、貴方。
記憶の中に鮮やかに刻まれた、
貴方の温もりに縋ります。

私の記憶の中の、
あの日の景色は、
今でもこんなにも、
色鮮やかなのに。

貴方の居ない現実は、
哀しい程に、色褪せ、
味気無い日々を、
繰り返すだけ。

あの日の景色に浸り、
静かに眠る貴方の隣で、
私も眠りに落ちます。

お休みなさい。
愛しい…貴方。

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