あの日の景色
窓もない静かな部屋の中。
静かに眠り続ける、
愛しい、貴方。
私は貴方の隣で、
貴方との想い出の中に、
独り、揺蕩いながら、
時を刻みます。
貴方の時間は、
美しいあの日のまま、
止まって居るのに、
私の時間は、
残酷な現実の中で、
進み続けています。
僅かな灯りが灯るだけの、
静かなこの部屋の中で。
私と貴方の想い出だけが、
鮮やかな色を纏っていて。
残るのは、灰色の現実。
静かに眠る貴方の手を、
そっと握ります。
何時までも朽ちない、
愛しい、貴方。
記憶の中に鮮やかに刻まれた、
貴方の温もりに縋ります。
私の記憶の中の、
あの日の景色は、
今でもこんなにも、
色鮮やかなのに。
貴方の居ない現実は、
哀しい程に、色褪せ、
味気無い日々を、
繰り返すだけ。
あの日の景色に浸り、
静かに眠る貴方の隣で、
私も眠りに落ちます。
お休みなさい。
愛しい…貴方。
7/9/2025, 6:18:54 AM