霜月 朔(創作)

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9/19/2024, 5:32:34 PM

時間よ止まれ


夜の帳が降りて、
皆が寝静まる時間。
それは、私と貴方が
仮初めの恋人になる、
魔法が掛かる時。

貴方は私に、
優しく微笑んで、
愛の言葉を紡ぐから。
私は貴方に、
そっと口付けて、
愛の言葉を返すんだ。

愛しい貴方が、
今は、私の腕の中にいる。
だけど。
時間よ止まれ、と、
私がどんなに願っても。
それは叶わぬ夢。

貴方は、夜明けと共に、
私の元から去り、
独りきりの部屋に戻って、
何時戻るとも知れない、
貴方の本当の恋人の、
帰りを待つのだろう。

貴方が居なくなった部屋で。
私は、独りきり。
貴方が残した僅かな温もりを、
そっと抱いて、眠ろう。

9/18/2024, 5:34:11 PM

夜景


静かな夜。
街の外れの高台から、
街を眺めます。

普段は、何処も彼処も汚くて、
醜い人間の欲望渦巻く、
私の住む街も、
今だけは美しく見えます。

夜景が綺麗なのは、
人々が灯す灯りが、
あるからだと思うよ。

何度、他人に傷付けられても、
人間という存在を、
信じ続けている貴方は、
夜景にさえ、人間の営みを、
感じるのでしょう。

嫌なものを全て隠す、
宵闇と家々の灯りが、
美しくて哀しくて。

私は、涙を隠して、
そっと貴方に寄り添います。
こんな不完全な私を、
そっと抱き寄せて下さった、
貴方の温もりが、
眼の前の夜景を、
より美しいものに、
変えてくれました。

また、貴方と二人で、
美しい夜景を眺めたいです。
今度は、何処か遠い旅先の、
夜景を眺めるのも、
悪くないですよね。

9/17/2024, 5:06:35 PM

花畑



俺は、向日葵畑が、
好きだった。

真夏の真っ青な空の元、
鮮やかな黄色が、
まるで小さな太陽の様に、
元気に輝いている。
そんな、花畑。

向日葵畑は、
未だ家族が側に居た頃の、
幸せだった想い出の欠片だ。

しかし。
家族を失ってからは、
俺には、花畑に行く気力なんて、
何処にも無かった。

だけど。
お前と出逢って、
漸く、思い出したんだ。
真夏の花畑。
向日葵の美しさを。

今度。
一緒に、向日葵畑に行かないか?
そして。出来たら、
お前の好きな、花が咲く花畑に、
俺を、連れて行ってくれないか?

9/16/2024, 3:55:54 PM

空が泣く


気が付いたら、
俺はたった一人だった。

この間迄、俺の隣で、
一緒に笑っていた友は、
今は、土の下で眠っている。

昨日迄、俺と一緒に、
戦っていた仲間は、
今日、この世を去った。

少し前迄、
俺は沢山の人に囲まれて、
在り来りな人生を、
歩んでいた筈なのに。

今は…独りぼっち。

心にぽっかり穴が空いた。
悲しいのに、
泣き喚く力さえ、
無くしてしまったみたいで。

重たい曇りから、
ポツリと、雨粒が落ちてきた。

空が泣く。
泣く事さえ出来ずにいる、
俺の代わりに、
泣いてくれて居るのだろうか…。

9/15/2024, 3:25:54 PM

君からのLINE


君からのLINEは、
仕事の話が大半。
偶に、友達として、
プライベートなメッセージが、
飛んでくることも有るけど、
それでも、飽く迄『友達』。

俺の気持ちなんて、
君には迷惑だろうから、
俺は君への恋心を、
心の奥底に沈め、
唯の友達として、
振る舞うんだ。

それでも。
君からLINEが来ると、
何時もドキドキしてしまう。

もしかしたら…って、
有り得ない事を、
考えてしまい、
慌てて、その妄想を打ち消す。

君からのLINE。
それは、何処か嬉しくて。
でも、ちょっぴり切ないんだ。

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