special day
君が居て、私が居る。
それが当たり前だと思ってた。
私は君の心を、傷付けた。
自分の正義だけを振り翳し、
君の大切な何かを、
壊してしまったんだ。
君が隣に居なくなって。
どんなに耳を澄ませても、
君の声は聴こえなくて。
時計が時を刻む音が、
やけに大きく聴こえる。
静かな部屋を見回す。
見慣れた部屋の
そこかしこに、
君の面影が、残ってる。
忘れたいのに、
忘れられない、
君との想い出。
記憶の中の、
君の笑顔と、
君に笑い掛ける私。
幸せそうな過去の自分に、
何故か嫉妬する。
君が隣に居るのが、
当たり前だった頃は、
繰り返す毎日を、
無為に過ごしていた。
君が、私の元を、
去っていく日が来るなんて、
考えもせずに。
そして、独りきりになって、
漸く気付いたんだ。
君と共にいた、
何でもない日々が、
『特別な日』だったんだ。
7/19/2025, 6:14:23 AM