霜月 朔(創作)

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9/14/2024, 2:53:38 PM

命が燃え尽きるまで



オレなんて、
生きてたって、
何の意味も無い。

街を行き交う人は、
オレを見て見ぬ振りをする。
そんな、野良犬同然の、
最下層の存在。
それが、オレ達の様な、
存在なんだ。

だけど。
こんなオレを、
救ってくれた、
貴方が居た。

こんなオレだけど、
貴方の為なら、
命が燃え尽きるまで、
頑張れる気がするから。

あと少しだけ、
足掻いてみようかと、思う。

9/13/2024, 4:06:15 PM

夜明け前


なかなか寝付けない夜。
時計の針が、日付変更線を越え、
その後、短針が何度も回っても、
睡魔はまるで訪れない。

それでも、
規則正しく時を刻む、
時計の針の音が、
寝付けずにいる俺を、
責めているように感じる。

俺は、ベッドから抜け出した。
窓から外を眺めると、
空の端が僅かに紫掛かり、
もうすぐ夜が終わる事を、
そっと告げていた。

夜明け前。
皆は、夢の中の住人で。
今、この世界に、
俺はたった独りでいるような、
不思議な孤独感と、
美しい時間を独り占めしているような、
根拠の無い優越感を感じた。

いつの日にか、
夜明け前の、
この美しい時間を、
何時かお前と過ごしたい。

今はすやすやと眠りに就く、
お前の寝顔を想い、
俺は、夜明け前の空が、
明るくなっていく様を、
独り眺めていた。



9/12/2024, 6:25:14 PM

本気の恋


ある人を助ける為に、
私は生命を投げ出した。
彼が助かるのなら、
自分は死んでも構わない。
そう思った。

幸運にも、命を永らえた私に、
友人は、淋しげな表情で言った。
『君は…。
本気の恋をしているんだね。』

その、友人の言葉で、
私は、彼の事を、
本気で愛して居るのだと、
漸く、自覚した。

そして。もう一つ。
気が付いてしまった。

友人とは嘗て、恋仲だった。
しかし、ある日、仲違いし、
私が一方的に叩き付けた、
怒りや、不平不満に、
何一つ口答えせずに、
友人は私の元を去り、
唯の友達に戻った。

そう。
友人は、自分を犠牲にして、
私の心を守ったのだ。

私は友人に言った。
『お前は…。あの日迄、
本気の恋をして『いた』んだな。』

私の言葉に、友人は答えた。
『私は…。未だに、
本気の恋をして『いる』んだよ。』



9/11/2024, 5:31:10 PM

カレンダー


壁に掛けられたカレンダー。

カレンダーに並ぶ、
数字を眺める度に、
貴方が居ない日々の長さを、
実感します。

そして。
一週間とは、
一ヶ月とは、
一年とは、
こんなにも長かったのか、と。
カレンダーを捲る度に、
溜息を吐くのです。

季節は巡ります。
昔は楽しみだった、
お正月も、お花見も、夏祭りも、
ハロウィンも、クリスマスも。
貴方が隣にいなければ、
それらは、単なる、
365日の中の1日にしか過ぎず。
どんな日々も、
淡々と過ぎていくのです。

そして。
すっかり心躍らなくなった、
カレンダーを眺め、
貴方が居なくて、
色褪せてしまった日常を、
私は、今日も過ごすのです。

9/10/2024, 7:08:15 PM

喪失感



俺も先生も友達も。
皆変わらず、ここに居るのに。
貴方だけが、ここに居なくて。

少し前迄は。
確かに貴方もここに居て、
俺や友達と一緒に、
下らない冗談を言ってたのに。

何時も通りのこの部屋に、
何時も通り皆が居るのに、
貴方だけが、居なくて。
俺は酷い喪失感に、苛まれる。

貴方が亡くなったなんて、
俺には未だ信じられなくて。
突然、この部屋のドアが開いて、
以前の様に、笑顔の貴方が、
入って来るんじゃないかなんて、
そんな事を考えてしまう。

拭い切れない、喪失感。
俺は未だ未だ、
貴方を失った悲しみの、
どん底に居るんだ。

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