今年最後の大掃除。新年を迎えるにあたって、身の回りを整えていた。
これは最近使ってるから、取りやすいところに。これは暫く使わないからちょっと奥の方に。そうやって一つずつ整理をしていく。小学生の頃からずっと続いている習慣のようなもの。整理するついでに使えなくなってきたものは新調して、今までの感謝を伝えてさようならをするのだ。
ふと、一つのボールペンが目に入った。友達とお揃いで買ったちょっとファンシーなボールペン。買った当時はとても可愛くてお気に入りで、友達とは色違いで買ったのだ。あの頃より少しインクが剥がれてきて、少し色も汚れてぼけてきた。このたった一本のボールペンに毎年心が奪われている気がする。
一緒にボールペンを買った友達は数年前に引っ越してしまったけれど、今もメッセージでやり取りは続いている。それでも、年々メッセージの量も話題も減ってきてしまった。あの頃は凄く仲が良くて好きなものが似てるからってよく盛り上がっていたのに。
ボールペンも、友達も、きっと私も年が経つ度に変わってくる。考え方も、好きなものも、見た目も。
変わらないものはない。あの頃が懐かしくなるのも、きっと色んなものが変わっていくから。だから大切な思い出になっているのかもしれない。
なんて、思い出に浸っていたらリビングからお母さんが呼ぶ声が聞こえてきた。整理もまだなのに、ご飯が出来たみたい。
返事をして、一時中断!
掃除とか片付けって、どうして違うこと始めちゃうんだろう。
『変わらないものはない』
ずっと隣で
私達は二人で一つ。
いままでも、これからも。
貴方の右側が私の舞台だから。
だから、最期まで手を引くよ。
貴方と紡いでいたい物語があるから。
平穏な日常
携帯のアラームが布団の中で鳴り響く。
倦怠感を感じながら、携帯のアラームを止めた。
今日は火曜日。休日はまだまだ先。
もっと寝ていたい気持ちに甘えて、少しずれた布団を直しながら再び包まる。
少し冷えていた布団の中も、直したことでまた段々と暖かくなるから、眠気が戻ってきた。
もう少し、もう少しだけ。
意識が飛んでいく直前、再び携帯が鳴り響いた。
ああ、あと少しだったのに!
睡眠の邪魔をされた私は再び携帯を取ると、学校が離れた友達からのメッセージ。
「今日、一緒に帰ろう!」
ズル休みしちゃおう。そう考えてたのに。
倦怠感が残る体を起こしながら、布団から出る。
カーテンを開けば、外は明るくて、気持ちが良かった。
一つ伸びをして、私は学校へ向かう準備を始める。
今日も何一つ変わらないつまらない日。
それでも友達と帰れるちょっと特別な日。