小学6年生の頃図工の授業で、授業が始まる前の5分間クロッキーをやらされた。
先生は講師で多分、絵の先生だったと思う。毎回クラスの中の誰かがモデルになって、ポーズを取らされる。
わたしが覚えているのは、ちりとりと箒を持って、掃除をしている最中のポーズだった。どこからどう見てもいいので、みんな自由に描く場所を決める。わたしだけが動いちゃダメ。教卓に乗ってゴミを集めるポーズを取ると、一人の男の子が下から覗き込むような場所を選んだ。
絶対変な顔になっている…そう思った。鼻の穴を見られないように顎を引くと、不自然だと先生に言われた…
あの時の5分間は辛かった。でも、その男の子は見事、わたしの顔のどあっぷを描きあげた。
箒を握る手を描いた子も居た。上靴から足を描いた子も。先生はそれぞれのパーツを黒板に貼りだして、「どれも君だよ」と、言った。
そのセリフは、いつもモデルになった子に言うんだけど、他の子が言われているのを聞くのと、自分が言われたのを聴くのとでは、全然違って聴こえた。
今思うと、みんなが描いた絵をもらえたらよかったのにな。
中学生になった頃、『卵を持った自分の手を描く』という課題があって、それから自分の手を描く事に興味を持った。自分の手を絵にすると、全然違う人の手みたいで、いつも下手くそに思える。
今でも好きだなクロッキー。
そればかりで、色が塗れないけど。
今日は、産直物産のお店へ行ってきた。そこ建物の天井は高くて木の香りがする。
わたしは気持ちが落ちている時とか不安定な時など、よくそこへ行く。奥は、広いフードコートになっていて、珈琲やランチなど、ゆっくり過ごすことができる。
野菜も地元で採れたものばかりで、ひとつの種類の野菜がいくつも並んでいて、値段も様々。高くても物がよければ、わたしは高い方を選ぶ。遊具の少ない広場は、子供たちがいつも走り回っている。すぐ近くに雑木林と川と山がある。
店の奥は本コーナーで、今日は惹かれる本を見つけた。塩沼亮潤 大阿闍梨さんの本。お名前を知ってるーー。積まれていた最初の1冊を持ち上げて、すぐ買う気になった。本を買う時は、だいたい値段見ていつも迷うんだけど、この本は即決。『くらしの塩かげん』。
木の落ち着いた良い匂いがする、開くと、吸い込まれるような心地がする。
お金を一生懸命貯めて、子育て資金にするって頑張っている息子夫婦。いろいろ難しいこの世の中で、一緒に頑張ろーっていう相手が見つかって良かったと思う。この途中が、とても幸せなんだけど、この先もお金を貯める事が目的…とはならないで欲しい。『お金さえあれば…』と、なったら、ズレるから、振り回されないで欲しい。楽する方へ流されないように、『考える』事を諦めないで。自然をよく見て、学んで欲しい。死んだら終わり、ではない、死んでからが始まりで、生きているうちに学んだことが必要になる。人との縁を大切に。その先へ遺せるものは、人との縁しかない。
死んだら、『おまえは何者だ』と、聞かれます。その時にちゃんと応えられるように生きなさい。この世での名前や住所や役職や、功績や挫折など答えても伝わらない。その先へは進めない。進めなかったら………、この世へと、また戻されます。何度も何度も戻されます。
『おまえは何者だ』この問いに、応えられるように、生きなさい。
「ただいまー」と、夫が帰ってきて、
「ちょっと早いんだけど、」と、お土産を渡された。
中身は、オラの大好物の豆大福といちご大福だ♪ーーー。4月の誕生日に、毎年買ってきてくれる。
昨夜はわたしが少し不機嫌だったので、早めにプレゼントを!!、と思ったのかな。
どこの家庭でも、奥さんの機嫌が悪いと旦那さんは居心地が悪いんだと思う。奥さんの機嫌は何よりも絶大な意味がある。
『夫婦喧嘩は次の日に持ち越さない』が、うちのルール。昨夜は喧嘩したわけではないけど。。
もう、お義母さんの機嫌を取ってくれるお義父さんは、居ないんだょな…と、なんだーかんだー言っても、やっぱりお義母さんは、今、さみしいんだょな…、と。
こじれたりしないで、ぜんぶうまくいってくれるといいな……
きょーは、やばい。夫が会社から帰って来て、「なんかさー、」
はじまった…、
「おふくろから昼休憩に電話があって、あんちゃんと今度本家の墓参りに行くらしいんだけど…」
要は、
お義兄さんとお義母さんのふたりで、御義父さんの、ご両親と親戚などが眠るお寺へ、墓参りに行こうとなって、それなら、ということでお義母さんが、『あんたの分の宿代も交通費も出すよ』と、なったまでは、よし。
なぜだか、お嫁さんと孫3人も同行することになり、なぜだか、その4人分の宿代と交通費もお義母さんが出す…と話しがなっちゃったらしい。
お義母さんとしては、『嫁らの分までだすの?私が?』と、思ったけど、お義兄さんはお嫁さんに頭があがらない…事を考えると、息子には強くは言えない…モヤモヤモヤモヤ…
しかも、お義兄さんは会社辞めて無職中だし…モヤモヤモヤ…
そしてなにより、家のローンの残額全てを嫁様の実家に出してもらうことになって、
お義母さんとしては、息子を取られたような気分に…モヤモヤモヤモヤ…
『孫も上2人は社会人なのに、金出させないんかい!!』…って気持ちになったらしくて、モヤモヤモヤモヤ…
おもしろくない気分を電話で、うちの夫に吐き出したらしい。仕事の休憩時間だ、と、いうのに…
最初は、ふーんふーんと聞いていた夫も、モヤモヤモヤモヤ…そして帰宅。
オラとしては、
お義母さんにもお義兄さんにも、その件について電話するな、と言っといたけど、どうだか。
『次男が反対してる』とか『横槍が入った』とか、うちのせいで、墓参り旅行が中止になったら大変なことになってしまうがな…。
「あんちゃんがさぁ…」
夫は、優しいんか、バカチンなのか、
グレーすぎる。夫が考える必要は1ミリもありゃないのに、何かモヤモヤ考えてて、なんか、やだ。
嫁にガツンと言えないあんちゃん、よく考えもせず会社辞めておいて、嫁様にガッツリ抑え込まれたあんちゃんが一番よくないんだよ。それも、そうとは夫は言えないんだろう。
ちゃんとした事を言えたお義父さんは、
もう居ない。パワーバランスが崩れ始めたんだ。