ごめんね
_____もしかしたら、濮は君より先にいってしまうかもしれない。
濮は、もう生きる意味がわからないんだ____
そう言って彼女は、目いっぱいに涙を溜めて言った。
理解されない価値観。
報われない努力。
周りの目を気にしてしまって、勝手に傷ついてしまう自分が、世界でいちばん嫌いな貴方は、私の知らない場所で泣いていた。
声を押し殺して、布団の中で。
ただ、ひっそりと。
誰にも悟られないようにいつも笑顔でいた。
貴方は、何気ない言葉で傷ついてしまうから、
余計なことはしないようにしていた。
でも、それが悪い結果になってしまう。
貴方はそれが嫌なんでしょ?
私には分かるよ。
どんなに頑張っても褒められることの無い努力が、君にとっては無駄だと感じてしまうんだよね。
だから、やる気すらも起こらない。
____死んだら全部無駄になる。____
その言葉に貴方は縛られているんだよね。
だから、失敗を恐れるんだね。
だから、前に進めないんだね。
大丈夫。
貴方は変わってない。
普通だよ。
なんて、言葉すらも偽物に感じてしまう。
それが例え本物でも、濮にとっては偽物。
褒められたいけど、それも嘘に感じてしまって
ぐちゃぐちゃになって、苦しくなるんだ。
ごめんなさい、こんな濮でごめんなさい。
ごめんなさい、迷惑な事しか出来なくて。
ごめんなさい、悪い子でごめんなさい。
只管に誰に向けてか分からない謝罪をしている。
その言葉すらも暗闇に消えてなくなってしまった。
心に大きな闇を残して______
半袖
「あっつーーー っ!!!」
私の親友である××が背伸びをしながら大声で言った。
私はそんな彼女に苦笑しながら、
「うるさいよ、××!!」
なんて言いながら彼女の名を呼ぶ。
彼女は「〇〇もじゃんっ!」と笑いながら言った。
彼女は、暑いと言いつつも長袖長ズボンであった。
私はそれが不思議でたまらなかった。
何故、マグマの中に居るかのよつな暑さなのに長袖長ズボンを着ているのか…
私には到底理解できなかった。
ふと、彼女の顔を見る。
笑顔な彼女の額には汗が滲み出ているし、その汗が頬をつたっている。
ただ、その姿が不思議と綺麗に思えた。
(私も末期かな……)
なんて、思ってしまった。
彼女は、私の前だけ半袖を着る。
それは、私だけの特権であり、この先もずっと私だけの特権である。
この特権だけは、誰にも譲れないな。
そう思っている私はきっと_______
天国と地獄
嗚呼、きっと濮は地獄行きかな…
愛しい人
大事な 友人 を泣かせちゃったし……
雪がちらほらと舞い散る夜の中、濮は倒れ込んでいた。
手足に力が入らない。
息が苦しい。
寒い、暑い。
感情がぐちゃぐちゃに染まって、訳が分からなくなる。
苦しい。
涙がぼろぼろ零れ落ちる。
手足に感覚がない。
誰かが濮を呼んでいる。
それは誰なのか、濮にはわかった。
でも、その名を口にする権利すら、濮にはない。
_____嗚呼…ごめんね、君の花嫁姿も、濮よりも背が高くなった姿も、約束すらも守れずに
濮は眠りについてしまうようだ_____
涙が頬をつたう。
でも、この涙は濮のてはない。
あの子の涙だ。
顔をぐちゃぐちゃにして、濮の名を呼んでいる。
……なぁーんだ、濮の為に泣いてくれるぐらい好きなの?(笑)
そんな冗談を言う気力すらない。
でもただ、感覚の無くなった手を無理矢理動かし、彼女の涙を拭って、この人生の中で最高の笑みを彼女に見せて、言ってやった。
”
________来世こそ、君の花嫁 姿を見れるように濮は願っておくよ、それにさ、きっと来世でも濮達は巡り会えるし…だって、濮は運命の糸で結ばれているんでしょ? (笑)
”
軽い冗談を言ってみた。
彼女は怒ったような、呆れたような表情をした。
濮はそれにくすりと笑って、体の中の水分が全部涙に変わったような君に向かって一言
” ……、お願いだから、泣かないで____最後ぐらい、最高の笑顔で送り出してよ ”
そう言ってやった。
___濮にとって君は一生枯れない花であり、濮の光。
そんな光が泣いてたら、濮は上手く逝けない。
だから、せめて笑ってくれ。____
そんな願いを込めた、一言だ。
今の濮は、自分の声が聞こえないぐらい弱ってるから、上手く言えたのかはわからない。
でも、最後に見えたこの顔だけは、濮は末代まで
一生覚えておきたい______
愛しい人
______ 君 のそんな笑顔、初めて見たよ。
涙でぐちゃぐちゃな癖に ________
________ 何でそんなに綺麗なの ________
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心音がしなくなった。
目の前で、大切な”友人”が死んでしまった。
頭が真っ白になっていく。
ただ、体に残っている貴方の体温が、薄れ行く気がして、思わず貴方を抱きしめた。
声を殺して泣いた。
叫んだ。
” いやだ、嫌だよっ ”
そう言うって、言い訳のような言葉を貴方に投げかけた。
でも、いつものように
” ごめんごめん、ごめんてっ!! ”
そう言って笑う友人は、もう居ない。
嗚呼……嫌だなっ、ズルいよ…貴方は。
私に、こんな私に ” 生きて ” なんて
貴方のいない人生に、一体なんの意味があるのよ____
約束、守ってよ!!
私を泣かせておいて、何もないてなんて…
最低よ、責任もって、私の隣に居座ってよ。
お願い、私を泣かした事は無かったことにしてあげるから、だから…だから、起きて。
いつものように笑ってよっ、
お願い神様。
私から貴方を奪わないでっ
呪い
せめてもの 祝福 を貴方に捧げるわ、、
地獄じゃなくて、天国で待っててよ。
私もすぐ逝くから______
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×月×日、××時××分に路地裏で少女二人の遺体が発見されました。
警察は自殺したとみて捜査を行っております。
月に願いを
________月に願いを叫ぶ
それは、悲痛な叫び??
それは、欲望??
それは、一体何だ。
自分で自分に問いかける。
だが返事が返ってくることはなかった______
いつまでも降り止まない、雨
走った。
行く宛てもなく、ただ、必死に。
走り続けた。
走っていると、いつの間にか雨が降っていた。
それは、自分の心を表しているかのようで、
いつまで経っても止まない雨だった。
嗚呼、もういっその事_______
__________この雨と共に消えてしまいたい、
人生をやり直し
リセット したい 。