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「あっつーーー  っ!!!」
私の親友である××が背伸びをしながら大声で言った。
私はそんな彼女に苦笑しながら、
「うるさいよ、××!!」
なんて言いながら彼女の名を呼ぶ。
彼女は「〇〇もじゃんっ!」と笑いながら言った。
彼女は、暑いと言いつつも長袖長ズボンであった。
私はそれが不思議でたまらなかった。
何故、マグマの中に居るかのよつな暑さなのに長袖長ズボンを着ているのか…
私には到底理解できなかった。
ふと、彼女の顔を見る。
笑顔な彼女の額には汗が滲み出ているし、その汗が頬をつたっている。
ただ、その姿が不思議と綺麗に思えた。
(私も末期かな……)
なんて、思ってしまった。



















彼女は、私の前だけ半袖を着る。
それは、私だけの特権であり、この先もずっと私だけの特権である。
この特権だけは、誰にも譲れないな。
そう思っている私はきっと_______








5/28/2023, 11:27:59 AM