天国と地獄
嗚呼、きっと濮は地獄行きかな…
愛しい人
大事な 友人 を泣かせちゃったし……
雪がちらほらと舞い散る夜の中、濮は倒れ込んでいた。
手足に力が入らない。
息が苦しい。
寒い、暑い。
感情がぐちゃぐちゃに染まって、訳が分からなくなる。
苦しい。
涙がぼろぼろ零れ落ちる。
手足に感覚がない。
誰かが濮を呼んでいる。
それは誰なのか、濮にはわかった。
でも、その名を口にする権利すら、濮にはない。
_____嗚呼…ごめんね、君の花嫁姿も、濮よりも背が高くなった姿も、約束すらも守れずに
濮は眠りについてしまうようだ_____
涙が頬をつたう。
でも、この涙は濮のてはない。
あの子の涙だ。
顔をぐちゃぐちゃにして、濮の名を呼んでいる。
……なぁーんだ、濮の為に泣いてくれるぐらい好きなの?(笑)
そんな冗談を言う気力すらない。
でもただ、感覚の無くなった手を無理矢理動かし、彼女の涙を拭って、この人生の中で最高の笑みを彼女に見せて、言ってやった。
”
________来世こそ、君の花嫁 姿を見れるように濮は願っておくよ、それにさ、きっと来世でも濮達は巡り会えるし…だって、濮は運命の糸で結ばれているんでしょ? (笑)
”
軽い冗談を言ってみた。
彼女は怒ったような、呆れたような表情をした。
濮はそれにくすりと笑って、体の中の水分が全部涙に変わったような君に向かって一言
” ……、お願いだから、泣かないで____最後ぐらい、最高の笑顔で送り出してよ ”
そう言ってやった。
___濮にとって君は一生枯れない花であり、濮の光。
そんな光が泣いてたら、濮は上手く逝けない。
だから、せめて笑ってくれ。____
そんな願いを込めた、一言だ。
今の濮は、自分の声が聞こえないぐらい弱ってるから、上手く言えたのかはわからない。
でも、最後に見えたこの顔だけは、濮は末代まで
一生覚えておきたい______
愛しい人
______ 君 のそんな笑顔、初めて見たよ。
涙でぐちゃぐちゃな癖に ________
________ 何でそんなに綺麗なの ________
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心音がしなくなった。
目の前で、大切な”友人”が死んでしまった。
頭が真っ白になっていく。
ただ、体に残っている貴方の体温が、薄れ行く気がして、思わず貴方を抱きしめた。
声を殺して泣いた。
叫んだ。
” いやだ、嫌だよっ ”
そう言うって、言い訳のような言葉を貴方に投げかけた。
でも、いつものように
” ごめんごめん、ごめんてっ!! ”
そう言って笑う友人は、もう居ない。
嗚呼……嫌だなっ、ズルいよ…貴方は。
私に、こんな私に ” 生きて ” なんて
貴方のいない人生に、一体なんの意味があるのよ____
約束、守ってよ!!
私を泣かせておいて、何もないてなんて…
最低よ、責任もって、私の隣に居座ってよ。
お願い、私を泣かした事は無かったことにしてあげるから、だから…だから、起きて。
いつものように笑ってよっ、
お願い神様。
私から貴方を奪わないでっ
呪い
せめてもの 祝福 を貴方に捧げるわ、、
地獄じゃなくて、天国で待っててよ。
私もすぐ逝くから______
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×月×日、××時××分に路地裏で少女二人の遺体が発見されました。
警察は自殺したとみて捜査を行っております。
5/27/2023, 11:37:21 AM