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ごめんね

_____もしかしたら、濮は君より先にいってしまうかもしれない。
濮は、もう生きる意味がわからないんだ____

そう言って彼女は、目いっぱいに涙を溜めて言った。
理解されない価値観。
報われない努力。
周りの目を気にしてしまって、勝手に傷ついてしまう自分が、世界でいちばん嫌いな貴方は、私の知らない場所で泣いていた。
声を押し殺して、布団の中で。
ただ、ひっそりと。
誰にも悟られないようにいつも笑顔でいた。
貴方は、何気ない言葉で傷ついてしまうから、
余計なことはしないようにしていた。
でも、それが悪い結果になってしまう。
貴方はそれが嫌なんでしょ?
私には分かるよ。

どんなに頑張っても褒められることの無い努力が、君にとっては無駄だと感じてしまうんだよね。
だから、やる気すらも起こらない。

____死んだら全部無駄になる。____

その言葉に貴方は縛られているんだよね。
だから、失敗を恐れるんだね。
だから、前に進めないんだね。
大丈夫。
貴方は変わってない。
普通だよ。

なんて、言葉すらも偽物に感じてしまう。
それが例え本物でも、濮にとっては偽物。
褒められたいけど、それも嘘に感じてしまって
ぐちゃぐちゃになって、苦しくなるんだ。

ごめんなさい、こんな濮でごめんなさい。
ごめんなさい、迷惑な事しか出来なくて。
ごめんなさい、悪い子でごめんなさい。

只管に誰に向けてか分からない謝罪をしている。
その言葉すらも暗闇に消えてなくなってしまった。
心に大きな闇を残して______





5/29/2023, 1:07:58 PM