あの頃不安だった私へ
恋焦がれていた濮へ_____
恋は盲目と言うのは正しいですよ。
それに、初恋は叶わない、というのも事実です。
だからと言って、飽きるめろとは言いませんが。
今は叶わないだけかも知れませんよ!
……なんてね、
そもそも、あの子にアプローチする度胸すらない貴方が
あの子に振り向いてもらえるわけないでしょ、(笑
だから、余計な心配とか、不安とか抱えずに
ただ、あの子の隣で大人しく居座ってやってください。
ただ、鬱陶しいぐらいにずっといてやってください。
きっと、喜ぶよ。
保証はしないけどネ
逃げられない呪縛
”出来損ない”、”なんにも出来ない”、”なにやっても無駄”、”無能”、”役立ず”
この言葉のせいで、どれだけ苦しんだことか。
この言葉で、どれだけ泣いたことか。
” 努力しても無駄 ” 。
そう思わせたのは、この言葉のせいだろうか。
親に1度、いいや。
覚えていないだけで何回も言われた。
”役立ず”と。
きっとこれは、濮がなにしても何やっても、親の望んだ結果や、行動ができないせいでストレスが溜まったことが原因なのかもしれない。
しかし、この言葉のせいでどれだけ傷ついたのか、親はわかっていない。
そう、全ては親の責任である。
濮にこう思わせたのも、全部、全部……
_____________いいや、違うな。
親が言ったのは”役に立てない”と言っただけで
”無能”だとか、”なにやっても無駄”だとかは
親の言葉を自分が勝手に”役立ず”と解釈して、
自分自身で勝手に傷ついているだけなのかもしれない。
”役立ず”という言葉から、自分を呪縛する言葉へと木の根っこのようにして、どんどん大きくなっていったのかもしれない……
結局、自分で自分を呪縛して、勝手に苦しんでいるだけだったのだ。
自分で自分を呪ったくせに、今更逃げたいなんて
馬鹿馬鹿しいね 、
昨日へのさよなら、明日との出会い
深夜11時。
あと1時間で明日になる。
濮は布団にくるまり、真っ暗の部屋の中でスマホの光だけを頼りにする。
嗚呼、もうすぐ終わってしまう。
気がつくともう11時半。
流石スマホ……時間を忘れて熱中してしまった。
「 く ぁ ~ 」
大きな欠伸をひとつこぼす。
あと1、2分で今日が終わる。
1、2分なんてあと少しなのだが、何故かもどかしい。
5 … 4 …… 3 ……… 2 ………… 1 ………… 0 !
時刻は12時丁度。
今日が終わってしまった。
いいや、違うな。
昨日が終わってしまった。
友達にLINEで”おはよう”と送ってから
スマホの電源を落とす。
昨日が終わってしまった、と言うのにまだ
実感がわかない。
……考えてても仕方ないか、
と考えを放棄して目をつぶる。
実感が湧くのは朝日が昇ってから。
だから、今日も濮は
数時間後に待っている”朝”に向かって
大きな声で言うのだ。
” 昨日よ !! サヨナラ !!! ”
透明な水
嗚呼、嫌だな。
透明なモノを見ると、いつもそう思う。
濮の思う透明は無色であり、儚いモノ。
1度、色がつくと、もう元には戻せない。
それが、透明なもの。
濮が好きなのは”何色にも染まらない”モノなのに……
なんて思ってしまう。
透明な水は好きだ。
何色にも染まらずにずっとそこにあるから。
でも、同時に大嫌いだ。
いつか、あの子のように”誰かに染められてしまう”から。
((透明だからこそ綺麗なのに染めるなんて、変なやつら。))
……透明のままの方が綺麗なのに。
ただ、純粋な疑問であり
自分の考え。
透明なものに色を付けるならば、
自分の色に染め上げたい。
なんて、冗談だよ。
理想のあなた
理想の自分は、きっと”完璧”なんだろう。
誰もが羨む美貌に
誰もが跪くカリスマ性。
唯一無二の発想力
それらは全て”天才”に含まれるだろう。
しかし、現実とは無慈悲である。
そんなもの、鼻から存在しないのだ。
__________ 存在してたら、いいのに
なんて、欲に満ちた言葉が口から出るなんて
きっと過去の自分は知らなかったであろう。