突然の別れ
別れは突然に。
今まで傍に居た筈の人は唐突にカミサマに奪われてしまった。
連れ去られてしまった。
楽園へ真っ逆さまに、
___________暗転
サヨナラは突然に。
今まで隣に立っていた濮の大事な人が、カミサマに連れ去られてしまった。
濮を庇って、天国へ登って逝った。
________明転
恋物語
昔々、ある所に一人の女の子がいました。
その女の子は他の人とは違っていました。
よくはしゃぎ、よく笑って、よく泣いて、よく怒っていました。
それはそれはら子供らしい女の子でした。
しかし、ある1つの点を除けば…ですが。
その女の子はある女の子ととても仲が良く、
いつも一緒にいました。
それが、間違いだったのかもしれません。
2人の女の子は親友と呼べるほど仲が良く、姉妹のようでした。
傍から見たらですけどね。
その女の子は一人の女の子を”友達として”大好きです。
しかし、一人の女の子はその女の子のことを”女の子として”好きでした。
________ そこだけが他の子とは違った。
しかし、これは報われない思いなのです。
彼女はある女の子が好きでも、その女の子は彼女のことを
一切、意識などしておらず、ただ純粋に友達としてそばに居るだけです。
つまりは、叶わぬ恋なのです。
彼女の心は泣き叫びました。
顔には出してませんが、心は叫んでいます。
親にも相談出来ず、彼女は生きています。
あの女の子の隣で、
ただ、張り裂けそうな心の中で、泣き叫ぶ心の中で、彼女は女の子の”親友として”傍に居ます。
真夜中
夜は好きだ。
1人になれるから。
朝は嫌いだ。
眩しいし、なんだか怖く感じるから。
真夜中は大好きだ。
なにしても許される、
弱い所を出してしまっても、
それは、誰にも知られないから。
あの子が好きだ。
濮を見てくれるから。
あいつは嫌いだ。
よく、殴ってくるから。
クラスのムードメーカーの彼は嫌いだ。
濮の欲しいモノを持っているから。
真夜中は、濮を包んでくれるから好きだ。
でも、朝は濮を見つけてくるから嫌いだ。
真夜中は、濮の弱い所を見せている時、静かに隣に寄り添ってくれているみたいで。
朝は、嫌いだ。
濮を馬鹿にするから。
朝なんか来なければ、明日なんか来なければ。
濮は傷つかずに済むのだろうか。
なんて、独り言を暗闇の中ため息とともに吐き出す。
夜は、真夜中は大好きだ。
愛があればなんでもできる?
愛さえあれば
この気持ちは成立するのだろうか。
愛さえあれば、あの子は濮を見てくれるか?
_____ 否、無理だ。
愛があればそれは変わるのか。
否、断じて否である。
例え、濮があの子をどんなに好いていても、
どんなに愛していても
あの子はこの気持ちには答えてくれない。
それは何故か??
濮は女の子だからだ。
同性愛は、愛さえあればいいのかもしれない。
しかし、これは片想いであり、あの子は恋愛対象として見られるのが嫌いである。
つまり、愛があっても
_____________ 報われない片想いなのである。
後悔
あの子だけは味方だと思っていた。
あの子だけは私から離れないと思っていた。
でも、違った。
あの子は、あの子は同性愛が嫌いだ。
否、恋愛対象として見られるのが嫌いだ。
嗚呼________
こんな思いなんかゴミ箱に捨てれたら、きっと
軽くなれるのに。
あの子のことなんて、好きにならなければよかった。