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5/14/2023, 10:50:24 AM

風に身を任せて

あの子は言った。
「いつか、うちは風に身を任せてどっか遠い所まで遊びに行くねん!」
と。
初めはバカみたいなことを言うな、そう思っていた。
次にあの子はとんでもないことを言った。
「うちがもし、あんたより先に死んぢまったら、風に乗って逢いに来たるわ!!」
あの子はそう言ってにかっとわらった。
それを聞いた濮は、ただただ
その未来が来ないことを心の底から願った。

5/13/2023, 10:44:41 AM

おうち時間でやりたいこと

何時ものようにあの子と連絡をとる。
あの子とたわいのない会話をしながら時過ごす。
それが濮のルーティンなのだ。
あの子と喋れるだけで濮の時間は楽しいものになる。

____それが、何気ない幸せだと気づくのは
どんどん余裕がなくなって行く大人への階段の途中だった____

5/12/2023, 10:37:25 AM

子供のままで

あの頃に戻れるならば、今すぐにでも戻りたい。
そう常日頃から思ってしまっている。
大人になるにつれて、自分は異常だとわかってしまったからなのか、それとも過去に犯した失敗を無かったことにしたい。
そう思っているからなのかはわからない。
しかし、きっと大人に近づいている今より
子供の頃の方が断然 、気軽に生きていたんだと
思い知らされた。
だれこれ構わず共に遊んで、時には怒られて、笑って泣いて……たくさんの経験をしてきた
あの子供の頃が今ではどんどんモヤがかかっていくようにして忘れてきている。
忘れたくない思い出すらも、そんな出来事なんて
無かったかのように忘れていく。
それが今では嫌で嫌で仕方がない。
でも、このモヤは自分の意思では止められない。
だけど、心は何一つとして変わらない。
濮の心の奥底には、幼少期の好奇心などが沢山眠っているから。
例え、あの日に戻ることが出来なくたって、
心は何ら変わりない。
濮の心は今も昔も変わらず、子供のまま
今を生きている。
昔も今も何も変わらない。
濮は、永遠に子供なのだ。
歳をいくつ重ねても、身長が高くなっても、
心は変わらない。
子供の頃の好奇心は今でも生きている。
それは、とても______


















____________ 素敵なことなんだ







5/11/2023, 10:58:03 AM

愛を叫ぶ


やっぱり駄目なんだ。
あの子の隣には立てない、あの子には穢れなんかない。
いつも生き生きしていて楽しそうで、よく笑ってよく泣いて、周りの目なんかどうでも良さそうで、とても幸せそうで…
でも濮はどうだ??
嫉妬で狂って狂って、周りからの視線が全て自分を馬鹿にしていると感じてしまって、怒って泣いて生きる意味を探してしまって…濮はだめなんだ。
こんな濮はきっと、あの子の横には立てない。
それでも、濮はあの子がいいんだ。
こんな濮と居てくれて、あの子の傍は居心地良くて、安心するんだ。
実の親の隣にいたって何も感じないのに
あの子が隣だと、不思議と楽しくなってよく笑うことが出来て……
幸せなんだ、きっと。いいや、絶対。
あの子さえいれば幸せなんだ。
でも、だめなんだ。
あの子は素敵な人と幸せになってもらわないと。
あの子は、ちゃんと愛してくれる人の隣で笑っていて貰いたいから。
でも、でも…
それが許せない自分がいて、自分の感情がひしめき合ってぐちゃぐちゃになって、、よくわかんなくなっちゃって。
やっぱり同性愛は難しい。
好きは、難しくて恋は、苦しい。
でも、愛してしまったから。
あの子と出会ってしまったから、
濮は濮で居られている。
毎日が楽しく生きられている。
それでも、あの子は違うから。
濮の思いなんか知らないから__
こんな感情気持ち悪いモノなんだってわかってるけど、
こんな気持ちなんか知りたくなかった。
だけど、この気持ちをあの子に伝えられなくても
あの子の為に濮は、あの子が辛い時に濮はっ、
なにも言わずに隣に座ってくれるあの子に
恋をしてしまった濮は
あの子の知らない場所で、あの子に知られないように
あの子が今日も、明後日もずっと、
笑っていられるために
濮はこの感情に蓋をして。
今日もただ、ぽつりと 、でもそれは力強く
そして儚い思い。
もう、後には戻れない思い。
それは、だれにも知られない感情で
これは、だれかに気持ち悪がられる感情だから
それでも濮は叫ぶんだ。







あの子の人生に幸あれ ! と、





あの子に対してただ只管に







届かぬ愛を叫ぶんだ。





5/10/2023, 10:08:51 AM

夢を見た。
とても懐かしいようで、でも知らないようで。
よく分からない気持ちが俺の中でぐるぐると回っている。それでも、不思議と気持ち悪いとは思わなかった。
その夢はとても暖かくて、優しくて。
まるで大好きなあの子のようで…そして同時に切なくて、儚くて。
なんだろうな、この気持ち??…不思議と笑える。
ため息をこぼす。
ふと、見た亊ある白いモノが視界の隅を横切った。慌てて振り返るとそこには
雪のように真っ白でとても綺麗で美しいそれは

___ モンシロチョウ だった 。

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