昨日へのさよなら、明日との出会い
深夜11時。
あと1時間で明日になる。
濮は布団にくるまり、真っ暗の部屋の中でスマホの光だけを頼りにする。
嗚呼、もうすぐ終わってしまう。
気がつくともう11時半。
流石スマホ……時間を忘れて熱中してしまった。
「 く ぁ ~ 」
大きな欠伸をひとつこぼす。
あと1、2分で今日が終わる。
1、2分なんてあと少しなのだが、何故かもどかしい。
5 … 4 …… 3 ……… 2 ………… 1 ………… 0 !
時刻は12時丁度。
今日が終わってしまった。
いいや、違うな。
昨日が終わってしまった。
友達にLINEで”おはよう”と送ってから
スマホの電源を落とす。
昨日が終わってしまった、と言うのにまだ
実感がわかない。
……考えてても仕方ないか、
と考えを放棄して目をつぶる。
実感が湧くのは朝日が昇ってから。
だから、今日も濮は
数時間後に待っている”朝”に向かって
大きな声で言うのだ。
” 昨日よ !! サヨナラ !!! ”
5/22/2023, 11:00:56 AM