夢路 泡ノ介

Open App
9/14/2024, 10:43:33 AM

心とは火だ。
薪がなくては盛らない。
迸る火花と煤けた匂いに、身体は燻る。
一度は捧げた以上、その魂も緋色に帯びる。
赫耀、赫灼、赫奕、赫焉。
灰燼に帰すまで突き進め。
決してその歩を留めるな。
有漏路の地にて夢を追え。
老いさらばえても尚熾れ。
自分と交わした契り故に。
成した末には灰がかっているだろう。
その証は決して蔑んだものではない。
尽力——この焦げ跡は誰にも削ぎ落とせない。
前進——この燃え続ける轍は誰にも消せない。
例え、誰からも忘れ去られようが構わない。
命果てるまで焔に生きたことを、自分自身に焼き付けていれば良いのだから。

【命が燃え尽きるまで】

9/14/2024, 10:10:50 AM

夜もすがらのひと時に浸れば、
空の宵闇には必ずや青がかる。
趣きに耽った時間を悔いても、
それは決して愚かしくはない。
暁が新たな一日を告げるまで、
群青の全天の下は静に染まり、
己の世界に身を委ねるがまま、
乱れぬ水面のような幸を得る。

【夜明け前】

9/10/2024, 11:55:27 PM

側にあったものが忽然と失せ、
身近な誰かが、ふと風となり、
やってくる感情に郷愁が混じった寂寥を覚える。
明け暮れ、やがては日常に引き戻されていき、
慣れという、時間への麻痺に再び縛られる。

いつでもいいや——
風船のように膨らんだその心は、
爆ぜた瞬間から、永遠に遠のくものに思いを募らせるのだ。

【喪失感】

***

久々に綴りました。
みんな元気にしてたかな?

3/23/2024, 4:12:47 AM

苦笑をこぼす。
嘘を本当のことのように言って、友達を笑わせて、
自分で言ったことに自分でも笑ってしまった。
それが楽しくてたまらなかった。
それくらい、あの瞬間が愛おしかった。
許される小さな愚行とは気持ちいいものだ。
こうでしか笑わせられない自分を愚かしく思うほどに。
私は思わず視線を、俯かせた。

【バカみたい】

3/21/2024, 12:51:23 AM

その目で私を見つめたあの時、
その手を私に触れたあの瞬間、
私は初めて、醒めたくないと、
もがくように祈った。

あのひとときをもう一度。
あの感覚をもう一度。
醒めても募るこの想い。
どうかもう一度、
"あの世"に連れてって。

【夢が醒める前に】

Next