土砂降りの雨の音を聴きながら、四肢を投げ出した布団の上
何をする訳でもなく、天井の白を眺めてる。
このまま時間を潰して、今日を無為に過ごすんだろうか
空の優れない色の様な心で、ぼんやりと秒針の音を聞く。
がむしゃらに頑張ってきた自分が嘘みたいに思える
僕はなんの為に頑張ってたっけ?
分からない、こういう時間があると一気にそれが曖昧になる
誰に褒められるでもなく、誰からも認められる訳じゃない
じゃあ、何のために?
…分からない、なんで僕は努力して来たっけ?
答えのない問いは、雨の降りしきる音にかき消されて、
かすんでく。
私達は学校に行かず、二人、公園で遊んでた。
公園の時計の針は、深夜を過ぎようとしてる。
「ねえ、将来の夢って何だろ?」
『…あなたと、一緒に宇宙を飛びたいな。』
明け方の群青の空から太陽が顔を出す。
あなたは、日差しに照らされて、その黒髪を煌めかせる。
「うん、一緒にいつか宇宙を飛ぼうね。」
時間は過ぎていく、二人の約束を知るのは、静かな空だけ。
いつか一緒に二人で行こうね、宇宙の彼方に…_
誰も居ない校舎、君と二人だけの時間。
視線を交わして、言葉を告げずにただこの時間に浸ってる。
雨上がりの空は鈍色で、それなのに妙に明るくて。
花瓶にいけられたすずらんの花から雫が落ちる。
明日この世界が終わるなら、
その時はここで二人、
手を繋いで最期の時を迎えたい。
私達だけの世界。
私達の絆。
私と君のちっぽけな独占欲の行方。
それは二人しか知らないんだから。
雨が色彩を洗い流してゆく
桜が地に落ちて 色褪せてゆく
今年は 少し早い桜の散り際
昨日までの晴れ間が嘘みたいで
一昨日あんたと一緒に散歩した花見のあぜ道が
一変して 薄く灰色がかってる
ねえ 聞こえてる?
あんたに私の歌声は届いてる?
なんの前触れもなく消えた友達
その友達と一緒に作った歌
今日それを投稿した
誰にも聞かれなくてもさ
あんたは私の歌をいつも
大好きって褒めてくれた事
ずっと忘れないからね
引き戸を開く音、ガラガラと音を立てて、彼女は教室に入ってくる。
地味で目立たない私なんて、誰も求めないわ。
そういつの日か口にした彼女をずっと傍で見てきた僕は、
その言葉を特に否定しなかった。
別に、無理をしておだてることはしない。
容易く口にしたくない、軽々しい世辞なんて。
誰よりもずっと、君を近くで見て来た。
君の良さは、僕だけが知ってればいいんだ。
通り過ぎる人々は、道端に咲く草花の美しさを知らない。