山々が紅く染まり、
やがて支えだけが残る。
ねえ、顔紅いよ。
頬を膨らませる姿に、
けらけら笑ってしまう
不服そうな顔で
だって、寒いから、
と言って、ぼくの手を取る
その手を遮るかのように
違う、そうじゃないでしょ?
眉間に力が入り
もう一度手を取るきみ
遮ろうとする情を抑え
素直に従ってしまう。
この人には、敵わない。
でもね、照れ隠しだってことくらい
わかるんだから
目が合ったくらいで
頬が紅く染まることも知ってるんだから
これが、ぼくときみの秘密。
ぼくときみにしか残らない記憶。
11/22 「紅の記憶」 8
ばらばらになった夢の断片を
ひとつ、またひとつ
丁寧に拾い集め、繋ぎ合わせる
辻褄が、合わないような気がしてならない
わたしの、感性に満ちた世界で
笑っていたのは誰だったのだろう。
今日の夢に、俺出てくるかもね。
おそらく、この声が。
間違いない、
その瞬間、全てが繋がった
靄に隠れていた顔が、露になった
惹き込まれるような大きい瞳
艶やかな桜桃のような唇
特徴的なほくろ
すべてが、はっきりと。
ねえ、今日の夢に、俺出てきた??
ずるい、ひと。
なんてことを思いながら、再び眠りについた。
耳元で、喉鳴らしたの、気づいてるよ。
その特徴的な音、
私が拾い集めた欠片から聴こえたんだ。
ほら、また聴こえた。
11/21 「夢の断片」 8
ぼくと、きみのみらい
いつ、どこで、何がきっかけで出逢うのか
いつ、どこで、何がきっかけで別れを選ぶのか
わたしたちにしか、わからない
予測もできない
いつ、どこで、何がきっかけで踏み込むのか
いつ、どこで、何がきっかけで結ばれるのか
ぼくたちにしか、わからなくていい
予測しなくていい
必ずしも、結ばれるわけではないのは
ぼくだって、きみだって、わかっている
それでも
これは、つくっていくものなのだから。
だから、今日も伝える。
出逢ってくれて、ありがとう
きみはぼくの、世界一
心から愛しい人
11/20 「見えない未来へ」 8
さむいね、
そう呟いた、冬の午後三時。
もう冬だよ、
下から覗き込んで、ぼくの眼を見つめる。
きみは透き通った眼をしていた
その瞬間、ぼくときみの間に、
強い風が吹き抜けた
わあ、と転びそうになるきみを
咄嗟に抱きしめた。
もう、気をつけてよ
といいつつ、
ほんの数秒前のできごとを思い出す
もう、また何か考え事してるでしょ。
髪を撫でるきみ。
恥ずかしさよりも
嬉しさが勝ってしまい、
思わず口角が上がってしまう。
この顔を隠さねば、と
再びきみを抱き寄せる
風が吹いても、嵐が来ても
一生離れないでね。
11/19 「吹き抜ける風」 8
あの日、灯したランタン。
心に魂が宿ったかのような感覚
同時に、心がぱっと、明るくなる。
目線の先には、微笑む姿
どうか、消えないで
片時も離れたくない
そう呟く君
色褪せた心に彩りをくれた。
ずっと、そばにいて
君がいなくならないように
今日もそっと、灯りをともすよ
11/18「記憶のランタン」8