夜の淵へ、堕ちてゆく
静けさを辿り、未知の世界へ堕ちてゆく
白く、細い一本の腕を頼りに
悲しく、愛しい
無情にも。
細い指が視界を遮る
見てはいけない、
光り輝く白い泡が、そう告げているような気がした
只管、呑み込まれ、堕ちてゆく
涼しい、でも何も浮かばない
薄情にも。
鱗がきらきらと露になったそのとき
鰭が視界を塞ぐ
これで、最後だから、
遠のく意識が、そう告げているような気がした
1/20「海の底」8
二十歳
海が見える街の片隅で
彼が選んだ花束と共に
今日一日を彩る、百合の花
1/10「20歳」8
ひらいて、綴じ、とじる。
初日の出。
桜の下で。
砂浜にふたり。
秋の遊歩道で。
初雪を背景に。
一枚一枚、詩を添えて。
君のまあるい目に似た、太陽
桜桃のような艶のある唇
浅瀬で燥ぐ、海色の水着を着た姿
遊歩道を歩きながら歌った、昔ながらの童謡
ライトアップされた街よりも輝いている
君と一緒に過ごした、春夏秋冬。
ぼくときみだけの、アルバム。
1/6 「君と一緒に」 8
伝えられない
伝えたいのに伝えられないまま
過ぎ去っていく日々に背を向け
ただ、只管、呼吸だけをして。
胸の奥に潜んだまま
大きくなった愛から背を向け
増せば増すほど
苦しくなって、
泣き叫んで。
そばにいる、って言葉
今もずっと、わたしのこころの中に。
貴方がわたしを選んでくれるまで。
12/21「降り積もる想い」8
ほら、見てごらん
手を引かれて、
目隠しをしていた手を解いた先には。
充分すぎるくらい暖まった体を寄せて、
片手を差し出される。
ねえ、そんな目で見ないでよ、
星どころじゃないでしょ。
そう考えながら、無意識に手を繋いでしまう。
この姿を写真に収めたいくらい。
そんな衝動を抑えつつ、また星空を眺める。
ねえ、そんなにじーっと見つめないでよ
しまった、またきみばかり。
だって、星じゃなくて私を見て?
って顔してるからさ。
ぼくが、写真を撮りたかったのに、
また、先を越されちゃった
きみのアルバムに一枚、二枚
ぼくのアルバムに、一枚
この子には敵わない。
ベランダの鍵を閉めようとしたとき、
あ、流れ星。
ねがいごと、、
「一年先も、何十年先も、一緒にこの空を眺めていられますように。」
12/1 「凍てつく星空」 8