今夜、見知らぬ街に出かける。
友人らと成人を祝って居酒屋で呑んでいた。
内の1人が提案してほろ酔いの新規アダルツの俺らは夜の街へ歩みを進めた。
…かと言っても店にいきなり入る勇気もなく、ふらふらとただ歩いていた。
見知らぬ町。
俺等にとっては歩くだけでも充分に刺激的だった。
ネオンに包まれた夜でも最高に明るい街。
きらびやかな女が乳を揺らして歩き去っていく。
ふと、見知らぬ街に見知った顔を見つけた。
大胆な赤のタイトドレスに身を包んだ妖艶な女。
住む世界の差を見せつけられるような女だが、やはり顔はすっかり見知っている。
普段の服装とは真逆だ。
いい体してんだったらだしゃいいのにな。
これだから女ってのは分からねえ。
頭では冷静にしているつもりだったが、どうも体が動かない。
反射的に彼女に視線が吸い付いて離れない。
酔いはとっくに覚めていた。
赤いドレスの女の背中をネオンライトが照らしてた。
真昼に見たMidnight blue。
※過激な下ネタ注意
もう今なら死んでもいい!と満たされたまま死にたい。
幸福に包まれて死にたい。
かと言って、残った人達にそこまで迷惑をかけたくはない。
学校で虐められたりはなかったが疎外感が否めない。
そして家にも居場所はない。
帰りたい場所が、頼れる人が、自分が必要とされている場所がないのだ。
母は自覚無しの毒親。
機嫌がいいときは恐ろしいほど朗らかだ。
父はキャバクラ嬢にお熱だ。
毒親であった母も先日トラックに引かれて帰らぬ人となった。
事故か自殺かは考えないことにした。
育ててくれた恩はあるし、楽しかった思い出も無かったわけではない。
涙を流して死を悼んだ。
家に残されたのは僕と成人男性。
とても頼りなくて、細くて、僕よりも背が小さい。
首を絞めたらそのまま折れてしまいそうだ。
母が死んでからは頼りなさに磨きがかかると同時にキャバクラ通いの頻度が増した。
なにも希望はないし、将来にも見出だせない。
だったらもう死のうと思った。
でも幸せなまま死にたい。
所で僕は世に言うゲイだ。
こんな女は怖くてどうも無理なんだ。
でも男なら一応同じ性だし、共感出来る部分もあるだろうと思ったのだ。
最近は布団の中でゲイビばかり漁ってる。
これが唯一の現実逃避方法。
ある日布団の中でひらめいた。
男に突っ込んだまま死にたい、と。
相手は誰にしようか。
死んでも悲しむ人が少ないほうがいい。
同級生は駄目だ。先生も。その辺の人も駄目だ。
一つ一つ除外していくとただ1人残った候補。
父親だ。
なんの未練もないからすぐに行動に移した。
うちはマンション住みだ。
それなりの高さもある。
そして父親は帰ってくるときだいたい酔っ払っている。
しかも夜。
最高のコンディションではないか。
父親が帰ってくるのをそっと待つ。
深夜、鍵を開ける音がした。
手を抑え、鍵を閉める。
頭を床に押しつけ馬乗りになる。
手を縛り、口に布を噛ませる。
小柄な父は抵抗することも出来ない。
アルコールも回っている。
衣服を剥ぎ取り、床に座らせる。
そして自分のものを相手の口に押し込む。
暫く腰を振ると自分のものが硬くなるのがわかった。
腰の動きを早める。
口内射精すると父はむせ返り白い液体をぼたほだと口から垂らす。
もう1つの穴を使ってやろう。
まだ芯を帯びている自分のものを勢いよく穴にぶち込む。
胴体が弓なりに痙攣している。
温かい。
腕の拘束を取ってやる。
アルコールのせいで上手く力が入らないようだ。
腕をそれぞれ掴み、引き寄せることで一気に奥を突く。
父が啼く。
腰の動きをさらに早める。
途切れ途切れの声を父が洩らす。
声に誘われるように腰を更に早く打ちつける。
ラストスパートに向けて自分に追い打ちをかける。
ゴムなんて買っていないので勿論中出しだ。
男はこんなときに便利だ。妊娠しないから。
不意に父が呟く。
「よっちゃんッ…早いッ…がっつき過ぎだよぉ」
勿論僕の名前はよっちゃんではない。
体の関係を持つ男が居たのか…?
もしかしてキャバクラは嘘なのか…?
父親もゲイ?
だから穴にすんなり入ったのか。
疑問が取り留めもなく出てきては消えていく。
父のたった一言で死ぬ気は失せてしまった。
父の衣服を直し。床を掃除する。父は寝ている。
ソファに父を運び、自分も部屋に戻る。
ドアを閉めると視界は闇に包まれ、さっきの出来事が悪い夢だったかのように思えてくる。
中学最後の夏休み。それすらもう少しで終わってしまう。
今思うとあっという間だった。
受験生なのに、頑張った!という気持ちが何も無い。
あるのは消失感と後悔のみ。
学校でも中学の3年間で出来たのは1人の親友だけ。
その親友も高校で離れてしまう。不安しかない。
太陽の光が照っているのに部屋の中は異様に暗い。
ジメッたい気持ちをリセットしてやろうと散歩に出かけてみる。
田舎だから人も車も少ない。
…外に出たのは、少し期待もあったからだ。
親友は同じ市に住んでいる。
だから運が良ければ会えるかも…なんて思ってる。
あても無くプラプラ歩き回る。
太陽光が身を焦がし額にじんわり汗を滲ませる。
不意に人の声が聞こえる。
男の声…?それにしては甘い声だ。
何気なく声のする方向へ歩みを進める。
近づいていくと複数の声が混じり始めた。
……そしてそれは間違いだった。
甘い声の正体は親友だった。
その周りにはクラスメイトがいた。
その中心に親友はいた。
親友は複数人を相手にしていた。
裸だった。
同性愛、注意。
夏が来た。君と過ごす夏だ。
…と言っても君は俺の事を知らないと思うケド。
俺は君のことを何でも知ってるよ。
通ってる高校、友好関係、家族編成、住所、利き手、好物、趣味、特技、志望校、全て調べてきたからね。
おっと、そろそろ下校時間だ。今日は部活がない日だから急がなければ。
度無し眼鏡をかけて、街に溶け込む普通の服装。
でも少し大きめのサイズで。カメラを隠すためにね。
どれだけ小さいものを購入してもやはり生で持つわけには行かない。
あ、来た。今日も1人だね。ふふ…大丈夫。俺がいるからね。
いつもの道を進んでいく。
撮れるときは取り敢えずシャッターを切る。
君は何処を切り取っても絵になるからね。
通学路も学校も家も、ずっと写真を撮ってきたけどどれ一つとして同じものはないから。
あ、でもお気に入りは体育でバレーボールをしてたときかな。ボールを上に上げてたから腰のラインがより際立ってて…最高だったよ。裸の君も見てきたけど体操服ってやっぱり特別だよね〜。
……あれ、今日は珍しく買い食いするんだ。やっぱ夏だから体力使うもんね。何買うのかな。お、アイスか。何味かは知ってるよ。バニラでしょ?ふふ…やっぱり。
あ〜もう可愛いな。買い物に慣れてないから緊張しちゃって。店から出てきたときのやりきった顔!あ〜堪んない。
そしてまた帰路につく。セミの声が鼓膜を揺さぶる。汗がじっとりと張り付いて気持ち悪い。(でもそのお陰で君が更に…良い)暑さに頬を火照らす君が俺を刺激する。
夏の全てが君を輝かせ、俺を挑発させる。
棒アイスの包装を細い指でピリピリと破る。
……そして先を軽く咥え、先端を舐め取る
セミの声はもう届かない。
夏の暑さも吹き飛んでしまった。
アイスは途端に溶かされる。
ポタポタと白い液が滴り落ちる。
その雫を受け止めようと棒アイスを斜め上に、そして下側をぬるりと舐め取る。
そして大きく口に含んで、歯で勢い良く齧り取る。
セミの合唱がまた鼓膜に突き刺さる。太陽の光が肌をじっとりと湿らす。
と、焦って己の下腹部を確認する。
やべっ…勃ッ…
これではただの不審者ではないか。人目を気にしつつ、何食わぬ顔で自宅へと戻る。
……まだ興奮は収まっていない。