イカワさん

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中学最後の夏休み。それすらもう少しで終わってしまう。

今思うとあっという間だった。

受験生なのに、頑張った!という気持ちが何も無い。

あるのは消失感と後悔のみ。

学校でも中学の3年間で出来たのは1人の親友だけ。

その親友も高校で離れてしまう。不安しかない。

太陽の光が照っているのに部屋の中は異様に暗い。

ジメッたい気持ちをリセットしてやろうと散歩に出かけてみる。

田舎だから人も車も少ない。

…外に出たのは、少し期待もあったからだ。

親友は同じ市に住んでいる。

だから運が良ければ会えるかも…なんて思ってる。

あても無くプラプラ歩き回る。

太陽光が身を焦がし額にじんわり汗を滲ませる。

不意に人の声が聞こえる。

男の声…?それにしては甘い声だ。

何気なく声のする方向へ歩みを進める。

近づいていくと複数の声が混じり始めた。

……そしてそれは間違いだった。


甘い声の正体は親友だった。

その周りにはクラスメイトがいた。

その中心に親友はいた。

親友は複数人を相手にしていた。

裸だった。

8/20/2025, 12:55:13 PM