イカワさん

Open App
11/4/2024, 12:25:35 PM

貴方は泣かない。強いから、少なくとも私の前では。私が信用されないとかされてるとか、そんな話じゃなくて。あの子は無自覚に扉を閉めてしまう。透明で誰にも見れない。本人でも。

河原に行こうって誘ったのは私。伝えたいことがあったから。ロマンチストな雰囲気に身を任せたかったから。

…貴方、彼氏と別れたんだったよね。そりゃあ夕日が似合うわけだよ。

ふわりと生ぬるい風が髪を揺らす。長い貴方の髪は波となり、黄昏に溶け込んだ。綺麗だ。このまま時間を止めてしまいたい。…でもそうしたら想いは届かない。でも、それで良いかもって。ちょっと怯えてる、貴方の言葉を恐れる自分がいる。

なかなか話を切り出せない。貴方は私が話し出すのをゆっくり待ってくれてる。私たちは黙って夕日を見つめた。

綺麗な横顔。いや、正面も綺麗だよ?アホ毛の先っちょから爪先のテッペンまで全てを愛せる自信しかない。だから、さぁ、あの〜…私にしちゃいなよ。貴方を1番理解して、大切に思ってるから。今までの相手のことなんて幸せ過ぎて忘れさせちゃうよ!

…なんて言えるはずはない。そもそも私は張り合えてもいないだろうし。…何で呼び出しちゃったんだろう。今さら後悔してるよ…。

どうしよう…なんて思っていると貴方が口を開いた。

「私も話したいことあってさ。相談、いいかな?別れた彼から寄りを戻そうって言われてるの。相談乗ってくれよ〜私の大大大親友〜!」

…そっか。そうだよね。親友、それだよね。あの男ね?あーね。あ〜…うん。……うん。

分かってたよ。分かってたじゃん。あ、なんか言わないと、返事、動け、。

「あの人ね。そうなんだ〜!いいんじゃない?いい人そうだったし。」

「…振ったのって向こうから?いや違うか。こっちからか!」

「寄りを戻すのか〜。まさかアンタがそんなこと言い出すなんてね〜。別れたときはもう、浴びるほど飲んでさ。愚痴を聞く身にもなってよね〜。はは、ははは………。」

思わず口をつぐんでしまう。どうしてよ。どうしてそんな悲しい顔をするの。私だってしたいよ。伝えてもいいの?この想い。貴方は受け止めてくれーーーーーー。

「…ねえ。あんたと同じ、気持ち、だから。あんたはどうなのよ。言葉にしてよ。アタシが気づかないとでも思ってた?気づいとるわ!言葉で伝えてよ。安心させてよ!あんな男より私のほうがいいでしょう?って言ってよ!待ってたのに!呼び出されたとき、嬉しくて!こんなにオシャレしてきたのにさ!気づいてよ!この鈍感め!馬鹿!アホ!意気地なし!」

声を上げて泣く彼女。メイクが取れて顔がぐじゃぐじゃ。…気づいてなかった。オシャレなんて。緊張でそれどころじゃなかったんだから。

「好きです。付き合って下さい。」

彼女の手を取り、真っ直ぐ目を見つめる。

「そんなの勿論以外にあるわけないじゃんか〜!!!」

そう言ってわんわん泣いてる。そんな姿も愛らしくてしょうがない。夕日に照らされて夕日よりも輝く涙。どんな宝石よりも美しくて、どんな画伯でも描き表せない。

そっと背中に手を添る。…視界がぼやけてきた。頬につうと涙がつだい、やがて増えて止まらなくなった。

ありがとう。大好き。そんな思いでいっぱいで2人で枯れるまで泣いて、笑った。これからよろしくねって。

10/28/2024, 1:28:08 PM

闇に紛れて。そうすれば何も気にすることはないのに。何も見えなくて、互いの声しか聞こえなくて。でも心許せるときにはパッと照らされて。そんな便利な太陽が一人ひとりにあったらいいのに。

見た目に気を病み、周りと比べ、落ち込む必要はなくなるから。

闇の中に一人座ってぼぉっとしていたい。誰とも関わりたくはないからさ。…なんてね。一人じゃあ、寂しいよ。たまには話し相手だって欲しい。でも自分からは話しかけにはいかない。いけない。だって向こうが自分を求めていなかったらどうする?自分から話しかけたくせに話が続かなかったら?つまんなかったら?常に受け身で生きていたい。根本は相手にある。どうするも勝手だ。悪魔で相手に判断を委ねる。

暗い中でひっそりとしていたい。生まれたときからそれならば。友というものを、娯楽を知らなければ良かったのに。…ならば生きる意味はあるのか?生まれてきたことすら無駄ではないのか?

…これでは母親に申し訳ない。ごめんなさい。何も取り柄がなくて。ごめんなさい。見た目に優れているわけでもなく、話が上手いわけでもなく、頭が良いわけでも、運動が出来るわけでもなく、何も秀でたものがなくて。勿論、貴方はそんなこと思っていない。そんなことないでしょう、って励ましてくれる。温かく包みこんでくれる。

でもそのたびに胸が痛む。100%の努力なんてしていないから。自分は駄目だと分かりつつも、努力が出来ない。期待をされているから、嫌、されていなくても自分が自分に期待をしているから。辛い。苦しい。どうしてこんなにも学生が向かないのだろう。いつの時代なら馴染めた?

温もりを知ってしまっているから、自分より上をみあげてしまったから。暗い闇に包まれて、そっと消えてしまいたい。

10/23/2024, 12:12:56 PM

目が覚めたら何も無かった。

ただ青かった。碧かった。蒼かった。

まず自分の姿を確認する。無い。手、足、体、それらがあるはずの場所は碧空に塗り潰されていた。

次に歩く、歩く、歩む。続く、終わらない青。爽やかな青。何も無いから歩み続ける。

足が疲れた気がした。…足はあるのか?

あ、………多分気の所為だ。進んでいないから。青から逃れられていない。

見えぬ体を抱きしめるようにして座り込む。風を感じた気がした。そもそもここは何処だろう。今までは…ベッド、部屋、医者、食事、風呂…日常だ。その筈だ。ならここは?死んだのか?死ぬなら白の方が良いのでは?青、何だ?何を知らせたいんだ。パラレルワールドか?

……いかにも非現実!そうか!これは夢なんだ!覚めるのを待っていれば良い。ぼんわりとした気分のまま空だと思われる場所の一点を見つめる。思考を研ぎ澄ます。何も考えなくて良い。

夢は覚めない。覚めない。覚めない。長い、永い、夢。起きろ自分。今すぐだ。

覚める筈は無かった。何故覚めない。平凡なのがいけないのか?刺激を求めるのか?奇怪な出来事が起こればいいのか!嫌、ボクならばグロテスクを求めるか!そうだろう?
お望み通り。

手をそっと首にかざす。と、手に力をぐぐっとかける。顔に血が溜まるのが分かる。呼吸がしにくい。が、辛うじて出来る。…駄目だ。息を止めなければ。……これがグロテスクか?血だ、血が必要だ。…目、眼球!そうだ!これを取ってしまおう。そうすればこの忌々しいアオともおさらばだ。何て良いアイデアなんだ!

左目の両端に指をずぶりと押し入れる。中は温かくて湿っている。眼球の裏側へと指を滑らせ、抉り取る。痛い。痛い。血が溢れる。顔の半分が温かい。

荒い息のまま上空を見つめる。鮮血が頬をそって滑り落ちる。

これで終わる。終わるのだ。

10/21/2024, 1:37:12 PM

なかなか合うことが出来ないから。声が枯れるまで話してたい。無口で寡黙な貴方だけどやっぱり何故か好きだから。

元、小学校の同級生。弟同士がが同じ小学校ってだけで細く繋がっている。向こうはこっちのことなんか思う時なんて一瞬すらもないだろうけど。そんな貴方に恋をした。

10/20/2024, 12:17:59 PM

注意!少し過激な内容になっています。








始まりはいつも身体から。そもそも心から始まる恋愛とは?乱れに乱れた淫らな価値観で生きてきたから。純愛とかよく分かんないや。てか、教えてよ。

アタシのせいなのかな。これってさ。ハジメテのあの子がいっつも言ってたから。
「女は服脱いで、歩いときゃあ男は引っ掛かるんだよ。そんなもんだよ。男はな。」

可笑しいよね。そう思ったよ。初めはね。でもハジメテがそれで消化されたんだから、何だかちょっと吹っ切れちゃって。好奇心すら、湧いてきて。とんだチャレンジャーだよね。

2回目。飛びっきり美味しそうな格好をして歩いてみたよ。補導されない程度のね。鯉が餌を求めるみたいに来るだから。大口開けて、阿呆面しちゃって。求められる訳だから上機嫌よ。

キモチイイのは嫌いじゃないもの。それに一緒にキモチイイって最高じゃん?求められたらそれに応じた褒美、対価をご提供ってな。

身体は埋められても、潤わされても。乾ききってぽっかり穴が開くのが心。誰も心は求めない。そうよね、アタシだってそのつもりだもん。今さらフツウになんかなれないじゃない?ね?だからもう良いかなって。一時の快楽に身を委ねる。一時じゃ済ませたくないから、回して、回して…。でも足りなくなっちゃうから。おクスリに頼るよ。財布のキープはあるからさ。

Next