「いつものようにだが」
「いつもの?」
「いや、いつものとはちょっと違う」
「どう違うのか、そもそも何の話?」
「いや、このお題というのは基本書く人が見るわけで」
「シェアした場合は違うけどね」
「まあ、それは横に置いておいて」
「はい。横におきました」
「つまり、他の人の文章を読んだときはお題を知っているわけだ。だから、お題に沿って別の作者がどんなものを書いたか?というメタ認知がすでに働いている」
「言われてみればそうね」
「ということは、読む層はさっきのシェアとかを除けば書く習慣での作者たちである。そして他の人がどんなテーマで書いているかもわかっている」
「そこまで意識しているかはわからないけどね」
「いや、そういった意味で文章を書く練習にもなっているというのは興味深い」
「あー、学校で他の人の作文を見るみたいな感じなのかなー」
「いや、受験校だと書き方のテンプレートと教師受けの良い書き方をすでに学んでいるのでちょっと違う」
「へー」
「そして対人関係でも無難な方法を学んだりもする」
「へー」
「ここまで内面を晒すのは君にだけだけどね」
「へ、へー」
お題『ただ君だけ』
「なんというか」
「なんというか?」
「未来と船、この言葉がつながるとノアの方舟と未来、つまり未来へ残したいものというメタファーを感じる」
「そう?それで」
「メタ的な視点で見れば、そう感じた作者たちがそういった作品を書くように思われる」
「あー」
「それを意図したお題のように見えるし。SFで見れば亜光速までに加速した宇宙船が地球に戻ってきたときに元の時代から数百年、数万年、それ以上だっていたというのは良くあるパターンだ。宇宙船の内部は相対性理論による時間の遅延でほとんど時間が経っていないという」
「定番ネタなのね」
「それを踏まえると、未来へのメッセージがどうかというところに作者性が現れるとも言える。SFとかを問わずに」
「で、本当に言いたかったことは?」
「作者はお腹が空いていて未来のことを考える余裕がない。というのが今の作者の考えだな」
「そう。このパターンできたか」
「つまりエッセイだな」
「エッセイといえば許される!?」
お題『未来への船』
「これはなかなか深淵なる問題だ」
「いきなり何の話?」
「今回のお題が森林ということについて考えてみた」
「あー、今回は作者目線なのね」
「鋭いね。君もメタ視点に慣れてきたようだね」
「メタメタな視点の話は良いから、何が深淵なの?」
「そう、日本は世界有数の森林国で、国土の約7割が森林である」
「まあ都市部にいるとわからないけどね」
「それもそうで、日本の国土の約7割が山であること、そしてそのほとんどが森林であることと関係している」
「昔習った気がするわね」
「そう。そして人は山野や森にはほとんど住まない」
「そうね」
「だから、このテーマを選んだのはどういった心理なんだろう?と作者が疑問に思ったわけだ」
「もしかして深淵というのは、森が深いなんて意味じゃないよね?」
「……」
「……」
「それはさておき、静かな森というと森のクマさんが想起される人もそれなりにいると思う」
「そうね。歌詞に森の中ってあるからね」
「つまり静かな森は……」
「また微妙にホラー風味に走ってる!」
「ほう?君は知っているようだね。元々の英語の歌詞を」
「あなたが教えてくれたんでしょ!」
「ところで」
「ところで?」
「ここは熊が出たことがあるらしいけど、スプレーと鈴は持っているかね?」
「!!!」
お題『静かなる森へ』
「このお題なんだけど」
「あ、わかった、いつものメタなやつだね」
「そうなんだけど、最初からはネタバレ感があるのでよくないね」
「ごめん」
「心が広いのでゆるそう」
「許されなかったらわたしが許さないけどね」
「んあー」
「今は新学期なのでゆるいけど」
「んあー」
「単位が取りやすい」
「んあー」
「そういった新入生も見ない顔がちらほら」
「んあー」
「……」
「それはそれはとして、メタな視点で見るとだな」
「あ、復活した」
「このお題は現実逃避じゃないか?とか?ごにょごにょ」
「これをかけと読むか、えがけと読むかでフィルタリングしていなくもないなんて思うのもメタななんかじゃないかな?」
「ここから先は、有料でっす!踊り子さんに触れたら3万円でっす!」
「ふーん、あなたには何千万だか何億請求すれば良いのかしら?」
「メタな視点で見れば」
「見れば?」
「このお題は自己言及的な視点だと、もう取り戻せない若さへの嫉妬だと思います!」
「あ、言っちゃった」
お題『夢を描け』
「ところで」
「ところで?」
「さっきっからチャットを送っているのだが」
「そう?誰に?」
「うむ。反応がないのだ」
「しばらく待ってみたら?」
「それはそうなんだけど、ちょっと反応がないのが気になって」
「ふーん、既読スルー?」
「既読なしスルーか読んでないのかツールを使ってるのか……」
「まあ、誰にメッセージを送ってるのか知らないけど、それってわたしの前でやること?」
「ちょっと言いにくいことがあって、メッセージで伝えようとしてたりする」
『ふーん」
「そしてもちろん君をないがしろにしているつもりもない」
「目の前にいるのに、相手にしないで?」
「いや、ちょっと言いにくいことがあって」
「!」
「いや、その」
「ちょっとわたしの目を見てお話しない?」
お題『届かない……』