「ところで」
「ところで?」
「わたしのお気に入りのものが見つからないのだが」
「あー、マグカップなら割っちゃった」
「え?」
「それはもう、パリーン!と」
「あああ」
「そんなにショック?思い入れでもあった?」
「いいい」
「おんなじの買ってくるから」
「君がくれたマグカップだったのに」
「そうだっけ?でもまた私が買うなら同じじゃない?」
「う?そう言われれば」
「じゃあ、問題なしね」
「おおお、そうだ!一緒に買いに行こ。すぐに、今すぐ」
「まあ良いけど」
「ところで破片はどこかな?取っておきたいんだけど」
「キモっ」
お題『マグカップ』
「ところで?」
「ところで」
「もしも、というテーマはあれだね。不安を表しているね。
幸せならそう考えにくいわけの裏返しだね」
「なるほど」
「しかし雨が続くと鬱屈した気分になる。それもこういったお題を選ぶ要因かもしれない
そのお題から明るい話か暗い話かを創作するのはまた別の話だけどね」
「難しいぞ」
「しかし、このお題はあれだね。もし故人に対してならifの歴史ものだし、生きている人に対してならその人のことを無視した失礼極まりない考えともいえる」
「なるほどー、勝手に内面に触れるなってやつかな」
「それもあるね。まあ実在しない我々みたいな創作上の人物ならそれは作品次第というわけだけどね。あまりにも身勝手に思えるような話はそれはそれで人気がないというか、感情移入がしにくく、そのために理解しがたいというのはある」
「試しに入れ替われたらわかるのかな?」
「そうだね。だからこそ入れ替わりもののお話がそれなりにあるのだろうね。思考実験の一種といえる」
「やっぱり難しいぞ」
お題『もしも君が』
「ところで」
「ところで?」
「デフォルト設定。つまり着信メロディーなんて設定していないのだが」
「なんの話?」
「今回のお題がそれっぽいのでつい」
「なるー」
「なる」
「それで、なんで着信でも着メッセージでも設定しないの?」
「なんでもなにも電話しないし。もししても、する相手も君だけだし」
「あ、なんかごめん」
「登録してる番号も全然ないし。あっても連絡こないし」
「だからごめんってば」
「君専用と思えば悪くないな」
「」
お題『君だけのメロディ』
「ところで」
「ところで?」
「久しぶりの英語お題だ。英語以外の言語で実は違う意味がある。なんていうのがあるとおもしろそうなんだけどね」
「なんか難しそう」
「そうだね。咄嗟にその言葉から別の言語である可能性を考慮してなんてなかなかできないだろうからね」
「だねー」
「I love you」
「いきなりなに!」
「今回のお題だけど、君に言うのは間違いでもない」
「ふーん」
「ふーんって、ところで愛には種類があるとか聞いたことない?」
「哲学の講義でアガペーとかエロスとかフィリアとか内容は覚えてないけど、エロスぐらいはわかるよ?」
「」
「はっ!誘導尋問?」
「まあそんなことは無いんだけど、一言で愛って言っても人によって意味は変わるよね」
「loveとlikeは最初の方に習うしね」
「そう。愛じゃなくて、好きって文脈でそれってloveなのlikeなのって」
「みんなキャーキャーしちゃう」
「そう、それでloveもいろんなのがあるんだよって話。3種類どころかもっとあるみたいだからね」
「で、さっきのは?」
お題『I love』
「ところで」
「ところで?」
「はい喜んでー」
「はい、よ……ってなに?」
「急に思い浮かんだんですよ、はい喜んでというフレーズが」
「なんか聞いたことがあるようなないような」
「ところで」
「はいはい、ところで?」
「いや、関東地方も梅雨入りしたね。もっと前から梅雨っぽい感じがしたけど、何かしらのルールからなんだろうね。ルールの整合性はさておき」
「いつものように批判的だ。でもずっと雨がちだったよね」
「そうだね。気象庁の梅雨入り発表が6月10日、11日夜にお題が切り替わったのを考えると、
梅雨入り発表に合わせたお題か、そうでないかだね。これだけだと偶然ともどちらとも取れる」
「あー、メタな視点ってやつね」
「まあ、結局分からないとしか言ってないけどね」
「そうね」
「反実仮想があるから本質的にわからないんだよ個体の行動については」
「なんか難しいというか意味フ」
「んー、説明がちょっと面倒なのでもっとゆっくりできる時にかな」
「ちょうど雨が降ってて良いんじゃないの?」
「いや、せっかくなので他のお話をしたい」
「ふーん」
お題『雨音に包まれて』