月が凪ぐ夜

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1/26/2024, 2:44:08 PM

いっそ貴方が他の誰かのものだったならば、
ただ奪えばいいだけの簡単なことだった。

けれど貴方は私の血の繋がらない義姉であり、
一番近くて、一番遠い、絶対に手に入らぬ存在。

他の男のためにまとうミッドナイトブルーのドレス。
白い肌と柔らかな栗色の髪が美しさを際立たせる。

貴方は何も知らずに私のエスコートから離れ、
違う男の腕に手を添えて、私にその背中を向けた。


満月が浮かぶ真夜中の空の下。
貴方に伸ばした私の手はただ虚しく空を切る。


【ミッドナイト】

1/25/2024, 2:03:15 PM

気まぐれで、気分屋で、唐突な、
君の態度にいつも振り回される。

時折来るメールとか、唐突な真夜中の電話。
私の言葉は煙に巻くくせに、私の返答は逃さない。

そっと触れた指先にほのかな熱が宿って、
背中越しの体温に安心と不安が押し寄せる。

年上だからと余裕を見せていてもね、
心の中はそんなことでいっぱいになる。

打てないメールの文字を眺めて、
言葉にならない声を飲み込んで、
気づけば今日も夜が更けていく…。


【安心と不安】

1/24/2024, 1:51:24 PM

もう君の顔さえ思い出せない。
あんなに愛した君の顔が逆光に遮られる。

遠い遥かな記憶の中で、それでも僕は君を愛す。

理由も、切欠も、なにもかもが失せているのに、
君を愛した事実と、今も君を想う気持ちだけは、
今もなお消えずに僕の中に残っている。

それは未練なのか、執着なのか…。
始まりも思い出せない。終わりも分からない。

ただひとつわかっているのは、
おそらく僕は死ぬまで君を忘れない。

現実よりも夢に逃げるように、
たったひとつの珠玉の記憶を抱き、
誰も知らないうろの中に閉じこもる。

僕の名を呼ぶ優しい声に耳を塞いで。


【逆光】

1/22/2024, 11:20:43 AM

もしもタイムマシーンが現実にあったのなら、
君はどこに行きたい? 過去? 未来?

僕はね…君と出会う前に戻りたい。

君と出会う前に戻って、もう一度やり直したい。
君を悲しませたこと。君を傷つけたこと。
君を突き放したこと。君の手を離したこと。

後悔する全てのことをやり直して、
もう一度きちんと君を愛したい。

そうすれば、君の隣で笑うのは僕だったはず…。


【タイムマシーン】

1/21/2024, 2:26:25 PM

君と過ごす今日の夜は、特別な夜。
交わす言葉も少なく、触れる手もわずかで、
静かなひと時をともに過ごす。…ただそれだけ。

ただそれだけが、この夜を特別なものに変える。


【特別な夜】

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