いっそ貴方が他の誰かのものだったならば、ただ奪えばいいだけの簡単なことだった。けれど貴方は私の血の繋がらない義姉であり、一番近くて、一番遠い、絶対に手に入らぬ存在。他の男のためにまとうミッドナイトブルーのドレス。白い肌と柔らかな栗色の髪が美しさを際立たせる。貴方は何も知らずに私のエスコートから離れ、違う男の腕に手を添えて、私にその背中を向けた。満月が浮かぶ真夜中の空の下。貴方に伸ばした私の手はただ虚しく空を切る。【ミッドナイト】
1/26/2024, 2:44:08 PM