かわのへ

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8/26/2025, 4:30:31 AM

いつからだろう
外に出ることがひどく恐ろしいと感じるようになったのは

何もせず、
自堕落に過ごす自分にこんなにも嫌気が差しているのに
起きた瞬間に、もう日は高く昇っていて
明日は、明日こそはと意気込みはできるのに

もう良いかなって
そう思う自分を、
最低で価値ない奴って
思う自分が貶して、
首を絞める

何も酷い目にあっていないのに
なんで、自分はこんなにも情けないんだろう

肌にカッターを滑らせても、
中で燻っているワダカマリは流れ出てくれないの
ただ痛いだけ

こんなことしたって、出れるようになるわけじゃない

分かってる、分かってる

分かってるの

だから、変に気を使わないで


前みたいに接してほしいな

グズグズになった私を
受け入れて

8/24/2025, 5:39:43 AM

雷怖い?
大丈夫だよ。だってほら、光ってからすぐに音は鳴ってないでしょ?
実際に落ちたのはここからずっと遠くなんだよ。
だから、大丈夫。
何かあっても、私が必ず守るから。

毛布に包まって、縮こまった私の背中をさすって、
抱きしめてくれた。お姉ちゃん。
父さんと母さんは、酷い天気でも、忙しくてずっと家を開けていて。
ふたりっきりで過ごした、小さい頃の大切な思い出。
私とお姉ちゃんが過ごせた最後の思い出。


あの時と同じ酷い天気で、窓は軋んで、
激しい光に瞬間照らされる。
縮こまりながら、心のなかで数を数える。

お姉ちゃん。怖いよ。

助けにきて。

お姉ちゃんは来ない。来れるわけがない。
だって、もう会えないから。

自然と溢れてしまう涙をそのままに、
私は目を閉じ、自身を抱きしめる。

大丈夫。大丈夫だよ。

口に出した声は、お姉ちゃんとそっくりだった。

8/23/2025, 5:14:12 AM

あのコは水から生まれたのかもしれない
夏は好きだけど、暑いのは苦手みたいで
机に溶けて、冷たいペットボトルを首すじに当てていた

憂鬱そうにしているあのコは、水が好きで、
水もきっとあのコのことが好き

じゃないとあんな風には泳げない
私は何だか引き込まれてしまいそうだから、水は苦手

それでもあのコが、楽しそうな姿が見たくて、
長い間、最前列で応援して、サポートしている

休憩中、火照った体を冷ましたくてプールに足を浸ける
あのコはスルリと上がり、私のそばに座った

ずっと泳いでいたあのコの手はヒンヤリとしていた

いつもそばにいて特段話すことも無くて、無言が続く

不意に、あのコが話しかける
「今日の夜さ、海いこうよ」

いつもと、声色が違う気がして、
あのコの眼を見る
こんなに暗かっただろうか?

見つめていると吸い込まれてしまいそうで、
目を逸らす

そんな様子を気にせずに、あのコはまた誘う

今日は予定があると、立ち上がって、あのコから離れる

「そっか」

そういったあのコの眼は、いつもみたいにキラキラしていた

あのコは、私の知っているあのコなのだろうか

7/15/2025, 4:25:49 AM

いつもより早くの下校。
早く帰りたい気持ちと、まだあなたといたい気持ち。
大きな気持ちはもちろん後者で。
茹だるような暑さのなか、自転車をカラカラと押す。

コンビニで涼もうと、あなたは言う。

わたしはグレープ。あなたはソーダ。

目をキラキラと輝かせ、美味しそうに頬張るあなた。

わたしが選んだのは、コロコロしたのが数個入っているものだったから、
おすそ分けする。

嬉しそうなあなた。

ふと、目の前にアイスキャンディー。

おすそ分け!

カラリと笑うあなた。

一気に頬が熱くなったのは、夏のせいではない。

7/11/2025, 3:27:15 PM

今もずっと、考えているんです。
こうやって泣いているわたしを、あなたが颯爽と現れて、
何処か遠い場所へ連れ出してくれないかって。

わたしがあなたを愛している様に、あなたも、わたしを、って

ありもしない可能性を何時までも求めて。



あなたにも、わたしにも家庭があるのに。

わたしは身重になってしまって、益々死ねなくなってしまった。

わたしが誰よりも、何よりもいちばんあなたを愛しているのに。


あの女と、あなたのお父上がバカみたいに駆け落ちしようとしたばかりに。

あなたのお母上のお気持ちが分からないわけでは無いんですよ?

でも、だからといって、わたしたちを引き離すだなんて。
あんまりです。
わたしたちのほうが先だったのに。
あの女の娘だからって、


他人から、あんな目で見られたのは久々で。


ねえ、どうして来てくれないの?
お母上の紹介で夫婦になった、あの素朴なのがあなたの好みなの?
どうしてあなたの家では笑いが絶えないの?

どうして?

今もずっと、考えているんです。
段々と大きくなるこの腹の中身が、あなたとの子ならって。
それなら、そばにあなたがいなくても、
わたしは笑えるんです。

早く楽になってしまいたい。

そうして、空からあなたを捕まえて、溶け合ってしまいたい。

あなたもきっと、おんなじ気持ちでしょう?

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