月、細い
そう言って窓の外を見つめていたので、
なんでだと思う?
と尋ねた
しばらく考えて
…食べちゃったのかな、?
と言いこちらを見つめていた
微笑み、
じゃあ、どうしていろんな形になるんだと思う?
と尋ねると
また考え込み、
作ってる、?
と言い瞳が揺れていた
思わず笑ってしまい、頭を撫で
そうかもね、
と言った
こんな日が続いてほしいと思った
…綺麗だけど、溶けてなくなっちゃうから、好きじゃない
彼女と一緒に雪まつりに行って、そう呟いていた
言ってることは分かるけど、共感できなくて、苦笑いする
その反応を別に彼女も気にしていないようで、そばにある雪像をみている
付き合った頃から、そういう感じ方は共感できなくて、気まずかった
でも、それ以外の考え方とか、
オシャレしたのを見せてくれてることも好きで
これからも、好きだと思ってたけど…
だんだんそのズレが大きくなってきた気がして、
…僕は好きだけどな、と呟いた
ふっと、彼女がこちらを見つめて
そっか、と返してくれた
手を握ると、握り返してくれた
ぼーっと雪像を見つめながら、
これから、ズレを補っていきたいと思った
、彼女がいてそれが幸せってさ、
彼女と別れちゃったら、だめじゃね?
いや、妬みとかじゃねーよ、
俺、そういうの興味ねぇし…
俺?俺は、お前とこうやって話してるの、良いと思ってる…
あ、やっぱやめ、なんかキモいわ。
うるせぇ、早くお前、彼女と一緒に帰ってやれよ
これは、俺がやっとくし、
と言い見送った
あいつの足音が遠ざかっていく
ズルズルとしゃがみ込んで
息を吐いた。
めっちゃキモいこと、言ったかもしれん。
っ…あいつは、気にせんかもしれんけど、でも、キモいな…
と頭のなかでグルグルと思考が回り
自分がいかに普通じゃなくて、変なのかを再認識する
俺が女なら、とか、あいつが俺と同じだったら、とか、変えられない夢を見て
落ち込む…
キメェ…と呟き、項垂れた
抱負なんて、長らく考えてない
毎年ぼんやり過ごして、何にもできなかったなーって振り返る
やりたい事を先延ばし、先延ばしにして手をつけない
のくせして、謎の全能感を抱えてて
今日は、まぁ、お腹痛いので、パスで
三が日だし、
今年も寝正月かもな
本と読んでいると裾が控えめに引かれる
見れば、ノアがコチラをじっと見つめていた
何?と聞けば読ませていた絵本を指さす
ノアが指さしていたのは甘くてフワフワの
「ケーキだよ。甘くてフワフワしてるの。」
イメージが湧かないのか、キョトンとしている
この子は世界から隔絶されて人形のように着飾られていた
12歳くらいのはずだけれど、言葉と感情が上手く出せなくて
本当に人形のようで
何をしてもされるがままのこの子の頭を優しく撫でる
「今日、食べようか。」
そう言えば、少しだがノアの目がキラキラと輝く
この子が人間らしく生きていけるように
私は答え続けていきたい