今もずっと、考えているんです。
こうやって泣いているわたしを、あなたが颯爽と現れて、
何処か遠い場所へ連れ出してくれないかって。
わたしがあなたを愛している様に、あなたも、わたしを、って
ありもしない可能性を何時までも求めて。
あなたにも、わたしにも家庭があるのに。
わたしは身重になってしまって、益々死ねなくなってしまった。
わたしが誰よりも、何よりもいちばんあなたを愛しているのに。
あの女と、あなたのお父上がバカみたいに駆け落ちしようとしたばかりに。
あなたのお母上のお気持ちが分からないわけでは無いんですよ?
でも、だからといって、わたしたちを引き離すだなんて。
あんまりです。
わたしたちのほうが先だったのに。
あの女の娘だからって、
他人から、あんな目で見られたのは久々で。
ねえ、どうして来てくれないの?
お母上の紹介で夫婦になった、あの素朴なのがあなたの好みなの?
どうしてあなたの家では笑いが絶えないの?
どうして?
今もずっと、考えているんです。
段々と大きくなるこの腹の中身が、あなたとの子ならって。
それなら、そばにあなたがいなくても、
わたしは笑えるんです。
早く楽になってしまいたい。
そうして、空からあなたを捕まえて、溶け合ってしまいたい。
あなたもきっと、おんなじ気持ちでしょう?
7/11/2025, 3:27:15 PM